一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2989  第488回 多留男会 二月

2023年03月05日 | 岩戸句会

踏みしめる土の弾力ふきのとう     蠍

手のひらに豆腐切る朝春隣       〃

      

春立てり波の潮目に吹く風に      吟

あんぱんのおへその上の桜かな     〃

 

カツカツと春風を行くハイヒール    心

春めくや貧乏ゆすり見せており 

 

料峭や幕府黒松魚付林         マープル 

屋台の枘コツンと嵌める梅三分     〃

 

真夜中に氷柱は牙を研ぐらしい     さくら

生国はどの辺ですか山の独活     

 

しほらしき薄氷なすがまま光り     黒薔薇 

ぽつんと人影小路に余寒かな

 

一羽来て一羽出て行く巣箱かな     伊豆山人

陽の当たるベンチをえらぶ梅見処   

 

マフラー巻くリボン結びのお地蔵さん  豊狂

春時雨日曜朝のヴィヴァルディー 

  

梅咲いた秒針コトリと動いた      ルパン

定置網後光差しけり春の湾 

 

春がすみピンクに染めて綿菓子に    吠冲

マスクとれいいえ私は花粉症      〃

          

早春の馬込百坂風の音         淡泊

早春の池上梅園老夫婦         〃

 

冬桜友美しく身罷れり         おぼこ

夫を看るそれも幸せ春隣

 

春寒の静かなる海眺めつつ       コトリ

満開のマンサク見上げ背伸びする   

 

梅咲かば香りほどけて鳥の声      信天翁

春の雪窓辺に踊り過ぎ行きぬ    

 

春麗富士の笠雲追いかけて       翠風

青空と河津桜の朝湯舟       

 

春浅き吹く風の色空の色        流水

吹く風に背を向けて行く浅き春    

 

その喧嘩櫟が買った春一番       釣舟

そろそろと高足蜘蛛の春動く     


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