昨日、南紀・田辺湾にて開催されたイベント、『南方熊楠生誕150周年記念 よしくまアドベンチャーin神島 おそうじシーカヤック』の講師として参加させていただきました。この時期にしては珍しいくらいの穏やかな海況、天候に恵まれ、充実した一日を終えることができました。
当店でもこの神島(かしま)での掃除、ゴミ調査目的のシーカヤックイベントは定期的に開催(詳細はこちら)していますが、今回は、
(主催)環境省 近畿地方環境事務所
(共催)田辺市
(協力)アイランドストリーム
EARTH MATE
自然遊学Forest
という形で、参加者は主に田辺市に住む小学3年~6年の親子で行われました。
朝集合した後、シーカヤックの漕ぎ方を教わり、海に出て練習した後、田辺湾の中に浮かぶ美しい無人島・神島に漕いで渡りました。そしてICC(International Coastal Cleanup)の統一フォームに則って「どんなゴミが、どれくらいあるか」を調査しながら清掃活動。終了後、集めたゴミの袋をシーカヤックに載せて再び漕いで戻ってきました。
すごく楽しいイベントになりました。
その趣旨は環境省の開催要綱として、ちょっと硬い文だけどわかりやすいので載せておきますと、
「吉野熊野国立公園に平成27年9月に編入された神島は、鳥の巣半島の西側に位置する無人島で、おやまとこやまからなり、浅い岩礁で連絡している。国の天然記念物にも指定され、海岸性の暖地性植物群落の特徴をよく表しており、海と島とが一体となった島の景観とともに、紀南の自然植生景観として非常に重要である。また、今年生誕150周年を迎える田辺市にゆかりの深い南方熊楠が神島の保護に尽力したことでも全国的に有名である。今回、地域の子どもとその保護者に、普段は上陸することのできない神島にシーカヤックで渡る機会を提供することで、神島の自然や文化について学び地域の豊かな自然やその恵みに目を向けるとともに、神島海岸部の漂着物を回収し海域の抱える環境の課題に触れ考えるきっかけとすることを目的として開催する。」
というものです。
今回、普段シーカヤックにも海ゴミ問題にもまず触れる機会のない、一般の親子の皆さん、またNPO南紀こどもステーションの方々と共に活動できてなにより良かったと思います。
たっぷり楽しむ中で、海の自然や生態系について学び、「太平洋ゴミベルト」を主とする「海ゴミ問題」について学び、神島ゆかりの南方熊楠という偉人について学び、有意義な時間になりました。ちなみに「太平洋ゴミベルト」というのは、太平洋諸国沿岸で出たあらゆるゴミが海流によって漂流した結果、太平洋の真ん中に日本列島の約4倍くらいの面積のゴミ大陸が形成されているという、ウソのような本当の現実です。日本列島の4倍って、とんでもない話ですが、なぜか一般的にはほとんど知られていません。多分100人中5人くらいの割合でしか知られていないことだと思います。そもそも社会全体が太平洋に関してほとんど知識も関心もない現状ですが、まーあ無関心にもほどがあると嘆きたくなります。
と、当日そのような話もさせていただきましたが、頭も感受性も柔らかい子供達は、きっと何かを感じ取ってくれたことかと思います。今の大人はどうも余裕がなくて情けないまでに環境意識が低いけれど、この未来の大人達にはいつかぜひともそんな現状を一掃してもらいたいものです。そしてぼくたちは次の世代にきちんとした自然の知識、智恵を継承していく義務があると自覚を持ってシーカヤッキングやアウトドア活動を続けていかねばと、改めて思いました。