去年の夏にうちにサポートガイドとして来てくれてた通称「かっちゃん」。
ぼくらは「かつ」と呼んでいましたが、
ヤツはその後小笠原に行き、土方の仕事をしつつ、住みついています。
あのドレッドヘアのにいちゃん、元気にしてるかなあ?
と思ってる人もいるでしょうけれど、非常に元気にしているようです。
先日久しぶりに電話して、色々話ししました。
ま、人のことは言えないけれど、あいつはなかなか変わった奴でしたね。
しかしいろんな人を何千人と見てきたけれど、
ヤツほどシーカヤックを愛してる奴もなかなかいなかった。
趣味的にシーカヤックが好きな人はいっぱいいるけれど、
単独で旅して、その精神文化の部分まで深めようとしてる奴って、
ほんとにいないものだ。
なんと言うか、ヘンな言葉かもしれないけれど、
「淫する」というレベル。
「ディープに淫するように、シーカヤックの世界を愛する」
ってニュアンス。
その人のハートがどこまで深いのか、
だいたいちょっと話せばわかるものですが、
そのレベルの奴はなかなかいないですね。
でも探せば、いる。
それが今の日本の面白いところだ。
普通に趣味的にやってる人はそういう人の言ってることを
少々奇妙に思ったり、ヘンな奴だと思ったりと、
最初ちょっと拒否的な反応をしたりするものだけれど、
一方、そのとんがったスタイルに
ちょっとずつ影響を受けたり、
ふと気がつけば、真似してたりするものだ。
いつのまにか、な。
なぜならその「淫する」レベルのとんがった奴の言ってることってのは、
自分自身の実体験で培った「確信」に基づいているものだからね。
また案外、しっかり考え抜いてたり、誰よりも勉強して言ってたりする。
で、周囲の趣味的レベルの人が、
ある時「ハッ」っと気が付き、
ちょっとずつマネし始めたりする。
そいつは、いいことである。
そうやって、おれの言う「プラネット感覚」や「カヤックトリップの世界」や「感性の世界地図」とか、かつの言う「野性DJ」の世界みたいなものが、
ゆっくりでも広がっていけばいい。
おれらは、分かってて言っているのである。
結局カヤックのツアーカンパニーを立ち上げる目的というのは、
そういうことなんだよ。
逆にそういうのなくして独立開業するってのも、
人それぞれだから別にいいんだろうけれど、全くシンパシーを覚えない。