前回、カヤックトリップの報告をしていきますと書いておきながら、自分でもあきれるほど筆不精でごめんなさい。先に3月29日(土)に行ったクリーンキャンペーンの報告をしておきます。
当日、北風が結構吹いて白波がピョンピョン跳ねていました。鷹島までシーカヤックで渡れないことはないけれど、偏屈な土地の漁協が想像以上にやかましい状況下、無理して参加者に迷惑がかかってもしゃあないな、ということで、地続きの唐尾・宮代海岸(午前)および西広海岸(午後)をクリーンアップいたしました。参加された29人の皆さん、お忙しい中、本当にありがとうございました。
今回のクリーンアップは、「全国クリーンアップ事務局」というNGOの海ゴミクリーンアップ活動と連携し、ゴミを拾いながら「どんなゴミがどれだけあったか」分類するということに特徴があります。ただゴミを拾うだけでなく、意識的なごみの分類によってゴミの発生源や問題点をじっくり考える、というところに意義があるわけです。以下のようなフォームに則ります。ちなみにこれは全世界統一フォームであり、ひとつのクリーンアップ活動がいかにちっぽけなものであろうとも、全世界が繋がった海というフィールドの貴重なローカルデータのひとつとなるわけです。だから鷹島には渡らなかったけれど、とにかくこのスタイルでのビーチクリーンを「やる」ということに非常に意義があるわけです。
このように60種類以上に分かれ、かつ管轄の広川町のゴミ袋分別は6種類(燃えるゴミ、プラスティック、缶、ビン、ペットボトル、その他不燃物ゴミ)と多いので、慣れない作業、なかなか大変でした。クリーンアップが終わってデータを集計した結果、多かったゴミのベストテンを以下のようにまとめました。
唐尾・宮代海岸
1:発泡スチロール破片 大(1c㎡以上) 341ヶ
2:(飲料の)フタ、キャップ 250ヶ
3:飲料用プラボトル 168ヶ
4:硬質プラスティック破片 161ヶ
5:飲料缶 147ヶ
7:食品の包装、容器 138ヶ
8:発泡スチロール破片 小(1c㎡未満) 161ヶ
9:ガラスや陶器の破片 59ヶ
10:ロープ ひも 53ヶ
西広ビーチ
1:プラスティックシートや袋の破片 484ヶ
2:硬質プラスティック破片 138ヶ
3:ガラスや陶器の破片 112ヶ
4:食品の包装 容器 96ヶ
5:タバコの吸殻 フィルター 79ヶ
6:飲料用プラボトル 53ヶ
7:発泡スチロール 48ヶ
8:ロープ ひも 45ヶ
9:(飲料の)フタ、キャップ 43ヶ
10:袋類(農業用以外) 19ヶ
ゴミの重量
宮代 50.5kg
西広 113.7kg
総重量 164.2kg
このようにデータを出したところ、まずなにより一目瞭然なのが、「日常生活で使っているプラスティック製品」が大半を占めるということでした。それらは完全には分解することなく、永遠に近いような歳月、海を漂い続けます。海ゴミ問題は、ゴミを拾うこともさることながら、いかにしてゴミを出さないようにするか、ということの方がより大切なのであり、また言い換えれば、ゴミを拾うことによってゴミを出さないことの大切さをよりリアルに肌身に感じるということに意義があります。
すべての水が最終的には海にたどり着くように、多くのゴミも最終的には海にたどり着き、悠久の大海原を旅し、いずれ海底に沈み、あるいは海岸に打ち寄せられます。その数やおびただしい限りです。道端にポイと捨てたタバコも、雨が降り側溝に落ち川に流れ着き、そして海へと行き着きます。そんな風に蓄積されたゴミがチリも積もれば山となって、あるデータでは、太平洋のある場所の海底にはアメリカ大陸の2倍分に相当する、いわばゴミの島のような塊ができているのが発見されたという報告もあります。世の中には、ふきこぼれる鍋の熱湯のようにモノが溢れ返っています。ちょっとしたモノを買うと色んな包みがこれでもかと言わんばかりにコーティングされており、その処分が面倒くせえなあと思うことが多い昨今です。で、一見ご親切だけどその後すごく面倒くせえそのようなような物質、つまり石油系製品が海の漂着ゴミの大半を占めるブツとして海底や海岸線を大いに汚しちゃってしまっています。あんまりモノが溢れていない途上国の人はそんなことないだろうと思われがちだけど、その実そうでもなく、途上国の人らも彼らは彼らですべてのゴミを処分せずどこでもそのままそこらにポイ捨てしています。人間全体の生活の下で、海は巨大なゴミ箱になっているという現状があります。そして海岸への漂着ゴミは、今後さらに増えていくだろうと言われています。
まあ、掃除しているうちに、見た目には結構きれいになりました。何より、爽快感があります。色んな人と交流しながら行えるのも有意義です。今回はこれでいいとして、次こそは鷹島をやりたいと思います。あそこは今回の比ではなく、ゴミの質も量も、またそれ以外の色んな意味を含めて、手ごわい場所です。
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まあ正直、海ゴミ問題をぼくらの世代で解決することは無理でしょう。何世代もかかるでしょう。しかし無理だからといって刹那的アナーキーになりポイポイゴミを捨てることはよくないことは誰でも分かることです。ちょっとずつ、価値観というか、DNAを変えていくように、できることをコツコツと継続してやっていきたいと思います。