Islander Works

書いて、読んで、人生は続く。大島健夫のブログ

可能性と勇気。

2011-07-07 20:50:52 | 出たもの
Poe-Tri Vol.37は、なんだか不思議な夜だった。

追悼セレモニーも黙祷も一切しないつもりだったし、実際にやらなかった。けれど、会場で交わされている会話、そして出演者、参加者のパフォーマンスには、やはり不可思議/wonderboyの死が影を落としていた。それぞれの人の中に、それぞれの彼がいたことだろう。それぞれが抱く思いがあったことだろう。無論私にもそれはあった。こんなにもたくさんの人が、彼のことを、自分の中にある部分を占有した存在として認識していたのだ。そして、今、彼がいなくなったという事実と向き合い、あるいは向き合おうとしているのだ。

3-tri-のステージにみんなが持ち寄ってくる、それぞれの「今この一瞬の世界」には、彼という存在の喪失が様々な形で関っていた。

初出演のともちゃん9さいさんは、「言葉がなければ可能性はない」に参加している他、以前、守山ダダマさん主宰の「満足せよ」で不可思議/wonderboyとユニットを組んでいる。その時の出演者の集合写真がダダマさんのブログ記事にある。一番手前のスーツ姿の男性がダダマさん、その後方左がwonderboy、右が私だ。wonderboyのさらに左にともちゃんがいる。

この日ともちゃんは、wonderboyの「銀河鉄道の夜」をプレイした。ワンダー、聴け、よく聴いとけ、と思った。


二番手の福田理恵さんは、昨年、wonderboyがPoe-Triに出演した際の共演者だった。今回の出演者のブッキングは先月初頭に終わっていたから、当然彼の死よりはるかに前なのだが、後藤理絵さんも含め、はからずも何らかの縁のある人たちを選んでしまっていたことになる。

「不安定の中の安定」という言葉がふと頭に浮かぶ。バックトラックはないのにビートを感じる。声量の小さなフレーズも、会場の奥まで届いてゆく。


後藤理絵さんは、リリックそのものよりもそれを読む姿、声、それ自体が、リアルな情念と、人間が生きていくということへのメッセージ性に満ちていた。


私は、「母の日のカーネーション」と「オーディナリー・ライフ」を朗読した。

オープンマイクは、今回13枠全てが埋まった。ご参加くださったのは、登場順に、

菊池奏子さん


死紺亭柳竹さん


メリーアンドリューさん


晴居彗星さん


カマコさん


midoさん


あしゅりんさん


uraocbさん


ジュテーム北村さん


新納新之助さん


モリマサ公さん


あおばさん


Yoshiyaさん


という皆さんだった。

私たちは今日を生きている。色々なことが起きる今日を、言葉とともに。それは私たちに可能性をくれる。

そして時には、明日へ向かって顔を上げる勇気をくれる。

私はそう思う。

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