漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「乗ジョウ」<木の上にのった人> と「剰ジョウ」

2014年06月19日 | 漢字の音符
[乘] ジョウ・のる・のせる  ノ部

解字 甲骨文は木の上にのった人の形で乗る意。金文は木の上の人に両足を描いた形で、篆文もこれを受け継いだ。しかし、楷書(旧字体)で「禾(木の変形)+北(二人が背をむける)」に変化し、この字を略した乗が新字体となった。高い所に乗る意から、馬や車などの交通機関に乗る意となり、さらに掛け算の意ともなる。
意味 (1)のる(乗る)。のせる。「乗馬ジョウバ」「乗船ジョウセン」「搭乗トウジョウ」 (2)機会につけ込む。「便乗ビンジョウ」 (3)掛け算をする。「乗法ジョウホウ」「乗除ジョウジョ」(掛け算と割り算)

イメージ 
 「のる」
(乗) 
 「木の上にのる」⇒「上に出る」(剰)
音の変化  ジョウ:乗・剰

上に出る  
 ジョウ・あまる  刂部
解字 旧字は剩で、「刂(刀)+乘(上に出る)」 の会意形声。上に出たものを刀で切り取る意。切り取った部分が剰余(あまり)となる。新字体は剰に変化。
意味 (1)あまり。あまる(剰る)。「剰余ジョウヨ」「剰員ジョウイン」(あまって無駄な人員)「過剰カジョウ」 (2)あまつさえ(剰え)。それだけでなく。そのうえに。 ※ 剰(あま)りさえの転じた語。
<紫色は常用漢字>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする