先日機会があり、“夢の華舞台”と称する「梅沢富美男&瀬川瑛子」のショウを観てきた。席は前から6番目の真ん中という、微妙な表情の変化も見て取れる最高の場所であった。
私が1番期待したのは、劇団で女形もこなし、「下町の玉三郎」と呼ばれた梅沢富美男の艶やかな舞い姿であった。しばしば目にしたポスターから、理想の日本美人の姿を思い浮かべていた。
ショウの構成は、喜劇・瀬川瑛子の歌謡ショウ・梅沢富美男の日舞などで構成されていたが、意外と言ってはおかしいが、1番楽しめたのは瀬川瑛子の歌と喋りであった。いまだに歌は上手いし、一寸ずれたような喋りは最高であった。
一方、梅沢富美男には期待が大き過ぎたこともあったためであろうが、感激できなかった。バックで踊る多数の若い女性と比較すると全く体型が異なり、オーバーな表現をすれば見ていられない。流石年季の入っている踊りは上手いと思わせるのだが、“夢の世界”へは引き込まれなかった。できることならば、もう少し体を絞り、スタイルの面でも魅せて欲しかった。それに応えるのがプロではないか? それが率直な感想であった。