気が向いたとき感じたままに

皆さんの文章を読ませて戴くのは楽しいのですが、気が向いた時には自分でも・・・と思い

腕で味わう

2011-01-12 07:59:03 | Weblog
物の味はどこで味わうのであろうか? 
「そんなことは決まっている。舌だ!」
多くの人はそう答えるであろう。だが、「料理は器で味わう。眼で味わう」という専門家の先生もいる。
確かにそれも一面の真実だと思う。多くの人は、目隠しをされ、鼻をつままれて料理を口に入れられても、その味を理解できないと聞いた。昔、私も自分で試してみたが判らなかった。味なんてそんないい加減なものかと一寸寂しくなってしまったのであるが・・・。
だが、せっかくの料理を、わざわざそんな馬鹿げたことをして食べる必要はない。最高の条件のもとで美味しく味わうのが真面な食事の方法であろう。私は食べ物に対しそんな気持ちで向き合ってきた。
それにも拘らず、最近食事をして感激することが殆どなくなった。私は、舌というよりは舌と腕で味わっているからであろう。私の舌は生まれた時の舌から変化してしまった。切除された裏側には“腕の一部”が移植されている。