一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

出だしのスカ

2021-04-25 00:18:57 | プライベート
18日はTBSで午後6時30分から、「週刊さんまとマツコ」の第1回が放送された。
昨年、マツコ・デラックスがフジテレビ「ホンマでっか!?TV」を降板したが、さんまとマツコの仲は悪くなかった。よってこの30分番組では、ふたりの絡みが存分に見られると期待していた。ところが……。
冒頭にマツコが出て、楽屋で白髪染めを塗っていた。これはまあよい。
続いてさんまの楽屋が映され、スタッフと談笑を始めた。やがて、「(TBSの?)社長が挨拶に来る」とかで、それを聞いたさんまがゲラゲラ笑った。
こういうやりとりはいいから。
実はこの番組はビデオ視聴していたので、私は早回しをする。しかし、さんまとマツコはまだ交わらず、さんまの楽屋には今田耕司が来たりしていた。
……。えっ?
まさか、この調子で30分が終わるのか?
さすがに私もイライラして、そこでビデオを消去した。私は短気なのである。

後日ネットを見たが、結局ふたりは対面せず、楽屋でのやりとりで終わってしまったという。
……バカだねえ。新番組の第1回は、どの局だって力を入れた構成にするだろう。だがこの番組は簡単だ。さんまとマツコを交わらせ、化学反応で笑わせればいい。それをさんざんもったいぶって、結局楽屋のみのやりとりで1回分を終わらせてしまった。
バカじゃないの!?
新連載マンガは、1ページ目が大切だという。ここでインパクトのある絵にして、読者の心を掴むのだ。小説もそうで、書き出しのインパクトが大切だと西村京太郎が説いていた気がする。
テレビだって似たようなものではないのか?
いきなりマツコの白髪染めを出してきたことは、悪くはない。ただインパクトには欠けるわけで、その流れでダラダラやっていたら、視聴者は飽きる。これが深夜の放送時間ならまだしも、日曜の午後6時半は、ほぼゴールデンタイムである。相当リキを入れなければならないのに、このベクトルのイレギュラーは何だ?
話が逸れるが、バラエティ番組でも、本編になかなか入らず、見所を延々と流す手合いがある。だけど今時の視聴者は、こんなことをやっていたら、すぐにチャンネルを変えるだろう。早く本編に行けよ。
そこへ行くと日本テレビの「笑ってこコラえて!」などは、冒頭からすぐに本編に入るからよい。
もっとも今回はTBSからしたら、セットも組まず、どうでもいいおしゃべりで1回分を潰せたのだから、笑いが止まらないのだろう。
それで第2回も視聴者は見てくれるとフンでいるのだろうが、お気の毒さまだ。もう私はこの番組を見るつもりはない。もうどうでもいいから、また次回も楽屋でやってくれ。
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将棋クイズ50問(2021年版)【問題編】

2021-04-24 00:10:37 | 将棋雑記
2012年10月11日の記事で「将棋クイズ50問」を出題したが、8年半ぶりに第2弾を出題する。3択がほとんどで簡単なので、高得点が期待できます。制限時間は1時間。前回と同じ、カンニングもありです。興味のある方は、どうぞ。


【第1問】カロリーナ女流初段の正式な名前はどれ?
A.カロリーナ・クリスティーナ・ステチェンスカ
B.カロリーナ・スカーレット・ステチェンスカ
C.カロリーナ・マクシミリアン・ステチェンスカ

【第2問】次に掲げるのは、藤井聡太二冠が指して話題になった手です。日付の古い順に並んでいるのはどれ?
A.小林裕士七段戦「▲5七玉」→中田宏樹八段戦「△6二銀」→石田直裕五段戦「△7七同飛成」
B.中田八段戦「△6二銀」→石田五段戦「△7七同飛成」→小林七段戦「▲5七玉」
C.石田五段戦「△7七同飛成」→小林七段戦「▲5七玉」→中田八段戦「△6二銀」

【第3問】協賛社とタイトル名の組み合わせで、違うものはどれ?
A.ALSOK杯王座戦 B.お~いお茶杯王位戦 C.ヒューリック杯棋聖戦

【第4問】「米長玉」は、玉が「9八」や「1二」にいることをいいますが、1983年に何度か指された「新米長玉」は、玉がどこにいることをいう?
A.8九または2一 B.7七または3三 C.4八または6二

【第5問】デビュー戦の相手が加藤一二三九段でなかった棋士は誰?
A.谷川浩司 B.羽生善治 C.藤井聡太

【第6問】現在の女流棋士会とLPSA、フリー女流棋士で、名前に最も使われている字は、「子」の24。では、その次に多く使われている字はどれ?
A.愛 B.恵 C.美

【第7問】順位戦の対局日に、寝坊で1時間遅刻してしまいました。この棋士はどうなる?
A.持ち時間から1時間引かれる B.持ち時間から3時間引かれる C.負け

【第8問】江戸時代、駒台の前身だったものは一般的に何?
A.扇 B.懐紙 C.蛤の貝殻

【第9問】第38回NHK杯4回戦・加藤一二三九段VS羽生善治五段戦の解説者は誰?
A.大山康晴 B.米長邦雄 C.石田和雄

【第10問】1981年にNHKで放送された、銀河テレビ小説「煙が目にしみる」を書いた脚本家は誰?
A.ジェームス三木 B.長坂秀佳 C.橋田壽賀子

【第11問】藤井二冠は、デビューから何連勝した?
A.28連勝 B.29連勝 C.30連勝

【第12問】藤井二冠は、竜王戦ランキング戦で、何連勝継続中?
A.23連勝 B.24連勝 C.25連勝

【第13問】「令和」になって、初めて公式戦で勝利した女流棋士は誰?
A.塚田恵梨花 B.藤井奈々 C.和田あき

【第14問】NHKで放送されたドラマ「盤上の向日葵」が、原作と違った設定になったのはどれ?
A.元奨励会三段の男性刑事が女性刑事になった
B.主人公が右利きから左利きになった
C.男性の遺体が発見されたのが、埼玉県の山中から千葉県の山中になった

【第15問】NHKテレビドラマ「うつ病九段」で、先崎学九段を演じた俳優は誰?
A.音尾琢真 B.戸次重幸 C.安田顕

【第16問】次の中で、藤井二冠が最も早く達成したものはどれ?
A.公式戦100勝 B.朝日杯初優勝 C.順位戦でC級1組昇級を決める

【第17問】1947年、現・日本将棋連盟の初代会長に就いた棋士は誰?
A.木村義雄 B.渡辺東一 C.坂口允彦

【第18問】将棋ペンクラブの初代会長は誰?
A.河口俊彦 B.東公平 C.山口瞳

【第19問】現在の最年少棋士は誰?
A.藤井聡太 B.伊藤匠 C.高田明浩

【第20問】次のうち、実在しなかった棋戦はどれ?
A.早指し王位決定戦 B.早指し古豪戦 C.早指し新鋭戦

【第21問】谷川八段が加藤一二三名人から名人を奪取した第6局の戦型は何?
A.角換わり腰掛け銀 B.ひねり飛車 C.矢倉

【第22問】その対局のあと、谷川新名人が述べた名ゼリフは何?

【第23問】升田幸三実力制第四代名人の、戸籍上の正式な読みは?
A.ますだ・こうざん B.ますだ・こうそう C.ますだ・さちぞう

【第24問】礒谷真帆女流初段の正しい読みはどれ?
A.いそがい・まほ B.いそたに・まほ C.いそや・まほ

【第25問】糸谷哲郎八段の正しい読みはどれ?
A.いとたに・てつろう B.いとだに・てつろう C.いとや・てつろう

【第26問】東京・将棋会館がある所在地はどこ?
A.渋谷区 B.新宿区 C.千代田区

【第27問】東京・将棋会館の日本将棋連盟道場で、四段から五段に昇段するには、何勝すればいい?
A.12連勝or15勝2敗 B.15連勝or18勝2敗 C.18連勝or24勝2敗

【第28問】かつて東京・将棋会館の地下にあったレストランの名前は何?
A.歩 B.香 C.桂

【第29問】鶴巻温泉「元湯陣屋」館内には、升田王将(当時)の色紙が飾られています。「強がりが 雪に轉んで ○○○○○」。○に入る言葉はどれ?
A.梅仰ぐ B.ベソをかく C.廻り見る

【第30問】かつてタイトル戦が指された施設はどこ?
A.蔵前国技館 B.新宿御苑 C.六義園

【第31問】将棋連盟御用達「ほそ島や」で人気の中華そばは、いくら?
A.600円 B.650円 C.700円

【第32問】LPSA将棋サロンの変遷で正しいのはどれ?
A.麹町→駒込→芝浦 B.駒込→芝浦→麹町 C.芝浦→麹町→駒込

【第33問】2012年1月14日に指された、米長邦雄永世棋聖VSボンクラーズ戦。ボンクラーズの初手▲7六歩に、米長永世棋聖が2手目に指した手は?
A.△3二金 B.△6二玉 C.△7二金

【第34問】次の3つの中で、最も新しく創設された研修会はどこ?
A.北海道研修会 B.東北研修会 C.九州研修会

【第35問】関西将棋会館の最寄り駅はどこ?
A.大阪駅 B.福島駅 C.西九条駅

【第36問】渡辺明名人の奥様・伊奈めぐみさんが描いている「将棋の渡辺くん」が掲載されている雑誌はどれ?
A.ビッグコミック B.別冊少年マガジン C.グランドジャンプ

【第37問】第1期叡王戦の優勝者は誰?
A.佐藤天彦 B.山崎隆之 C.高見泰地

【第38問】昨年の第33期竜王戦・豊島将之竜王VS羽生九段の第1局では、珍しいことが起こりました。それは何?
A.駒柱が2回現れた B.千日手が2回成立した C.双方の玉が終局まで1回も動かなかった

【第39問】今月3日、アマ九段位を授与された愛棋家は誰?
A.今西修 B.中戸俊洋 C.堀田正夫

【第40問】正式な駒の並べ方は、大橋流と伊藤流になります。途中までは同じですが、分岐するのは何枚目から?
A.8枚目 B.10枚目 C.12枚目

【第41問】関浩七段が若いころ上げたお手柄は何?
A.泥棒を捕まえた B.溺れている子供を助けた C.老人を詐欺から救った

【第42問】「都詰」とは何?
A.玉が5一もしくは5九の地点で詰みあがる
B.玉が5三もしくは5七の地点で詰みあがる
C.玉が5五の地点で詰みあがる

【第43問】第79期順位戦で、山崎八段がA級入りを決めましたが、B級1組には何期在籍した?
A.9期 B.11期 C.13期

【第44問】第34期竜王戦の優勝賞金は4400万円。では、第1期はいくらだった?
A.1800万円 B.2200万円 C.2600万円

【第45問】杉本昌隆八段が「週刊文春」にて4月から始めたエッセイのタイトルは何?
A.師匠日誌 B.師匠はつらいよ C.となりの師匠

【第46問】渡辺名人は今年の3月に棋王位を防衛し、タイトル獲得を通算28期とし、谷川九段の27期を抜きました。歴代何位になった?
A.3位 B.4位 C.5位

【第47問】2020年、ゲームソフト会社に就職した棋士は誰?
A.伊藤真吾 B.藤森哲也 C.星野良生

【第48問】アマチュア時代、一公と対局していない女流棋士は誰?
A.室谷由紀 B.加藤圭 C.礒谷真帆

【第49問】あなたが思う将棋界の七不思議をひとつ挙げてください。

【第50問】あなたがもし日本将棋連盟の会長になったら、何をしますか?


お疲れ様でした。
解答は26日にアップします。
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拙局(後編)

2021-04-23 00:09:54 | LPSA麹町サロンin DIS

第3図以下の指し手。「▲1六歩△3二金」「▲3七桂△4五歩▲3三角成△同桂」「▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2八飛」(第4図)

第3図で私は▲1六歩と突いた。何かのときのユーレイ角を嫌ったものだが、恐れ過ぎた。島井女流二段の△3二金が用心深い手で、いきなり攻めにくくなってしまった。
私は形で▲3七桂と跳んだがこれもマズく、島井女流二段に△4五歩と取られて劣勢に陥った。
すなわち▲4五同桂は△8八角成▲同玉△4四歩で桂損。よって私から角を換えたが、そのまま1歩損になってしまった。しかもこの4五の位がなかなかに強力だ。大袈裟にいえば、ここで戦意を喪失した。
私は▲2四歩から1歩を手にしたが、桂頭にも不安はあり、前途多難を思わせた。

第4図以下の指し手。「△8四歩」「▲6六歩△8二銀」「▲6五歩△8三銀▲7七桂△7三桂」「▲6七銀(第5図)

上手の低い陣形に対し私は天守閣美濃なので、ちょっと動くとすぐに角打ちの隙ができてしまう。
私の▲6六歩~▲7七桂もこんなところだろうが、この桂の頭を守っているのが玉なのが不安だ。たとえば△7五歩と突き捨てられてもイヤだ。
△7三桂に▲6七銀。自ら美濃囲いを崩すが、ほかに指し方が分からなかった。

第5図以下の指し手。△3五歩」「▲2六飛△3四銀▲2一角△5三角(途中図)」
「▲5五歩△8五歩(第6図)

ここで島井女流二段は△3五歩と、桂頭攻めにくる。▲2六飛に△3四銀は、いい重圧の掛け方だ。
私は▲2一角。仮に△4四銀だったら、▲3二角成△同飛▲2三飛成の先手になったのだが、本譜も▲3二角成△同飛▲4四金の狙いはある。
しかしそれを防ぎつつ玉頭に利かせる△5三角が名手。島井女流二段、女流棋戦ではパッとしないと思うのだが、素人相手だと容赦がない。いや、私がヘボすぎるのか……。

それでも私は▲5五歩。角頭を攻めると同時に飛車の横利きを通し、味のいい手だと思った。
だが、△8五歩に次の手が、意味不明の大悪手だった。

第6図以下の指し手。▲5四歩△8六歩」「▲7八玉△4四角」(第7図)

私は▲5四歩と取り込んだが、大悪手。△8六歩の取り込み(王手)のほうが、何十倍も痛かった。▲7八玉に△4四角と躱され、事実上のゲームセットである。
しかもこの▲5四歩は角が成る位置であり、それも自ら塞いでしまった。よってもう▲3二角成しか残されていないが、角を渡すと△8七角▲6八玉△6九角成▲同玉△8七歩成が生じる。
もう下手は、何をやってもダメなのだ。

第7図以下の指し手。「▲4三歩△同銀」「▲3五歩△8五桂」「▲6六銀右△7七桂成」(第8図)

ここでTod氏が投了した。まだ時刻は午後3時31分だが、島井咲緒里女流二段は驚いていないから、大差なのだろう。
しばし感想戦を行った後、すぐに2局目が始まった。
私は▲4三歩を一発利かし、▲3五歩と1歩を取りつつ飛車の横利きを通した。ここで△6五桂と思ったが、島井女流二段は反対側へ△8五桂。私は▲6六銀右とし、何となく厚くなったと思った。
だが、△7七桂成に、取り方が難しい。

第8図以下の指し手。「▲7七同玉△8五桂」「▲8六玉△4一飛▲8五玉△2一飛」(投了図)
まで、72手で島井女流二段の勝ち。

第8図で▲7七同銀は、駒が退くので指し切れなかった。しかし▲7七同玉も、角筋に入るので感触はよくない。
そこでまたも△8五桂が厳しかった。形は▲7八玉なのだが、やはりのちに△8七歩成の余地ができてしまう。
そこで目をつぶって▲8六玉と歩を払った。だが島井女流二段の△4一飛が厳しかった。ここ、△2二金から角を取りに来ると思った。
本譜は角を切る手はあるが、下手は上手に駒を渡せないのだ。そこでこれも目をつぶって▲8五玉と桂を取ったが、△2一飛で、下手はどうしようもなくなっていた。
例えば▲8四歩は、△同銀▲同玉△8一飛で上手勝ち。捨て置いても△8八角があり、上下挟み撃ちで下手負け。

つまり受けなしで投了するしかなかった。いや、プロと平手とはいえ、ひどい将棋を指してしまった。
「▲5四歩がひどかった。△8六歩と取り込ませてはダメです」
と私。島井女流二段も
「△3二飛が早すぎて、失敗したと思いました」
と言ったが、私のほうがはるかに罪が重い。
そこから島井女流二段が何やら語ったが、私は耳に入ってこない。
「(序盤に)並べ直しますか? (それとも、すぐに2局目を)やりますか?」
と島井女流二段。私はとりあえず並べ直してもらった。
整理すると、第3図からの▲1六歩が緩手。すぐに▲4四歩と取り込むべきだったという。以下△4四同銀▲4五歩△同銀▲2四歩△同歩▲同飛△2二歩▲3五歩(参考図)。

参考図でA△4四角▲7七角△3五角は▲3三角成で下手有利。またB△3六銀なら▲3四歩で下手指せる。上手は飛車を成らせても、下手の金銀4枚が固い。こう指せば、まだこの時間、対局が続いていただろう。
島井女流二段は2局目に入ってくれたが、私はいい将棋を指せそうにないので、3時51分、これで失礼することにした。
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拙局(前編)

2021-04-22 00:05:37 | LPSA麹町サロンin DIS
15日は午後1時から、水道橋で面接があった。今回はいままでと業種が違い、ある意味背水の陣である。給料はもちろん、勤務シフトや雇用形態もいままでとは違い、要するに著しく不本意なのだが、もはや贅沢を言っていられない状況だ。
面接が終わり、とりあえず自宅へ向かったが、家に着く数分前に「あっ」と思った。
この日の午前、Tod氏から久しぶりにメールがあり、今日はLPSA麹町サロンin DISに行く、とのことだった。講師は島井咲緒里女流二段である。
かつてのアイドル女流棋士もいまや四十路だが、その美貌に衰えはない。ためしにスマホで空き状況を見ると、1席空いていた。
しまった……。麹町サロンを思い出していれば、四ッ谷(麹町)はすぐ近くだった。お邪魔できたのではないか。
もう自宅に着いてしまったが、どうしようか。なんだか、このスーツ姿で麹町に乗り込みたくなった。
しかしLPSAは、現在はコロナ禍につき、電話予約を受け付けていない。そこで、メールを入れておき、返事を待たずに麹町に向かった。我ながらバカバカしい行動である。
途中、Tod氏にメールを入れる。Tod氏は空きがあると当日申し込むことがあり、今回もそのパターンだと、すでに満席の可能性があったからだ。
しかしTod氏は、今回は早くから申し込んでいた、とのことだった。
麹町に着くと、交差点付近でTod氏が待っていてくれた。なかなか義理堅い男である。ただ気分的には、このまま喫茶店でも行って将棋談義をしたいところだった。
麹町サロンin DISに入ると、2名が先着しており、3面が用意されていた。やはり4人目はいなかったのだ。でも私を見て、すぐにスタッフがもう1面を用意してくれた。
島井咲緒里女流二段は素敵なマスク姿だった。
「今日は会社帰りですか?」
「グッ……。面接の帰りです。もう長いこと求職をやっています」
そうか……。私の求職は、島井女流二段まで届いていなかったのだ。
もう2面の駒は並べられていた。私たちも早速駒を並べる。私を起点にして、Tod氏は右側に座り、平手を所望した。
左手は常連氏で、角落ちの終盤戦。前回の指し掛けのようだ。
向かい側の紳士は飛車落ちを所望した。私もそのくらいの手合いでお願いしたいが、相手が許さないだろう。3時3分、私の先手で始まった。

初手からの指し手(」「は、この間に島井女流二段がほかの将棋を見ていたことを意味する)。
「▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩」「▲4八銀△3二銀▲5六歩△4二飛」「▲5八金右△6二玉▲6八玉△7二玉」「▲7八玉△9四歩」(第1図)

私の居飛車明示に、島井女流二段が角道を止め四間飛車に振ったのは予想通り。対して私が▲5八金右としたのが早くも変調で、ここは▲6八玉だった。
△9四歩に次の手は。

第1図以下の指し手。「▲5七銀△9五歩」「▲2五歩△3三角」「▲8六歩△4三銀」「▲8七玉△5四歩▲7八銀△3二飛」(第2図)

穴熊党の島井女流二段が、先に玉側の歩を突くのは珍しい。対して私は、すぐに挨拶しないことが多い。すぐに受けるのは6割くらいではなかろうか。
今回も△9四歩を無視して▲5七銀と上がった。そこで相手が△9五歩なら、中央で手を進めるつもりだった。
しかし島井女流二段にノータイムで△9五歩と突き越されると、若干計算が狂った。
ここで5筋位取りの予定だったが、前回この戦法をやった気がする。そこで、天守閣美濃を選び、▲8六歩。と、ここまで快調に飛ばしてきた島井女流二段が、突然考えた。
そうして指した手は△4三銀で、ふつうの手だった。
ここで角落ち氏の将棋が終わり、角落ち氏の勝ち。快勝だった。
夕方の5時まで時間があるので、軽く感想戦をやったあと、2局目を始めた。LPSA麹町サロンは、2時間目一杯対局ができるのである。
私は▲7八銀と締め、一安心。そこで島井女流二段は△3二飛。ずいぶん早く先受けしてきた。

第2図以下の指し手。「▲3六歩△6二金▲4六歩△7四歩」「▲4五歩△4二飛」(第3図)

ここに至っても急戦か持久戦か迷っていたが、何となく▲3六歩。対して△6二金が島井女流二段らしからぬ力戦形の手で、穴熊でも美濃でもなかった。
△3二飛形だから、▲4六歩から▲4五歩を狙う。果たしてそうなり、島井女流二段は△4二飛。ここで次の手がマズかった。

(つづく)
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名人戦、挑戦者先勝のその後

2021-04-21 00:38:13 | 将棋雑記
第79期名人戦第1局は7日、8日に東京で行われ、挑戦者の斎藤慎太郎八段が渡辺明名人に179手で勝った。第1局は正調相矢倉だったが、開幕局の戦法としては、珍しかったのではなかろうか。
さてタイトル戦ではたいていの場合、挑戦者が先勝したほうが面白くなる。羽生善治九段の全盛時などは、挑戦者が2連勝して、やっと面白くなったと感じたものだ。よって今期名人戦も、盛り上がること必至である。
ところで名人戦において、挑戦者が先勝したあとの名人位の行方はどうなっただろう。そこで、第2期から第78期までの74回を調べてみた(第4期と第5期は名人戦なし。1977年は開催されず)。

挑戦者が4勝0敗で奪取……5回
挑戦者が4勝1敗で奪取……0回
挑戦者が4勝2敗で奪取……8回
挑戦者が4勝3敗で奪取……3回

挑戦者が3勝4敗で敗退……6回
挑戦者が2勝4敗で敗退……8回
挑戦者が1勝4敗で敗退……1回

挑戦者が先勝したのは74回中、31回(.419)。そして挑戦者が奪取したのは16回、敗退したのは15回である。つまり、ほぼ互角。挑戦者が先勝して面白くなる理由がここにある。
ちなみに中原誠十六世名人、谷川浩司九段、羽生九段が初めて名人を獲ったときは、いずれも初戦を勝ち、それぞれ4-3、4-2、4-2のスコアだった。
近年だと昨年は、渡辺二冠が豊島将之名人に先勝のあと3勝2敗、計4勝2敗で名人位を奪取した。
さらに一昨年は、豊島竜王が佐藤天彦名人に怒濤の4連勝で奪取している。
今期は渡辺名人も当然巻き返してくるし、七番勝負の行方はまったく分からない。第2局は27日・28日に福岡県で行われる。
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