一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

名人戦、挑戦者先勝のその後

2021-04-21 00:38:13 | 将棋雑記
第79期名人戦第1局は7日、8日に東京で行われ、挑戦者の斎藤慎太郎八段が渡辺明名人に179手で勝った。第1局は正調相矢倉だったが、開幕局の戦法としては、珍しかったのではなかろうか。
さてタイトル戦ではたいていの場合、挑戦者が先勝したほうが面白くなる。羽生善治九段の全盛時などは、挑戦者が2連勝して、やっと面白くなったと感じたものだ。よって今期名人戦も、盛り上がること必至である。
ところで名人戦において、挑戦者が先勝したあとの名人位の行方はどうなっただろう。そこで、第2期から第78期までの74回を調べてみた(第4期と第5期は名人戦なし。1977年は開催されず)。

挑戦者が4勝0敗で奪取……5回
挑戦者が4勝1敗で奪取……0回
挑戦者が4勝2敗で奪取……8回
挑戦者が4勝3敗で奪取……3回

挑戦者が3勝4敗で敗退……6回
挑戦者が2勝4敗で敗退……8回
挑戦者が1勝4敗で敗退……1回

挑戦者が先勝したのは74回中、31回(.419)。そして挑戦者が奪取したのは16回、敗退したのは15回である。つまり、ほぼ互角。挑戦者が先勝して面白くなる理由がここにある。
ちなみに中原誠十六世名人、谷川浩司九段、羽生九段が初めて名人を獲ったときは、いずれも初戦を勝ち、それぞれ4-3、4-2、4-2のスコアだった。
近年だと昨年は、渡辺二冠が豊島将之名人に先勝のあと3勝2敗、計4勝2敗で名人位を奪取した。
さらに一昨年は、豊島竜王が佐藤天彦名人に怒濤の4連勝で奪取している。
今期は渡辺名人も当然巻き返してくるし、七番勝負の行方はまったく分からない。第2局は27日・28日に福岡県で行われる。
コメント (2)
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