一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

4月4日の4時から男(前編)

2021-04-17 00:08:32 | 新・大野教室
大野教室の4月は1ヶ月パスポート(土日教室4回、金曜教室2回で12,000円)を買おうと思ったのだが、第1土曜日の3日は外に出なかったので、また買いそびれてしまった。
翌4日(日)は散歩も兼ね、午後3時すぎに大野教室に向かった。
3時40分ごろ大野教室に入ると、大人数である。前日は大人3人、子供3人の報告があったが、日曜日はなぜか人気がある。
私は2,000円を払う。指導対局のない、いわゆる「4時から男」だが、1ヶ月パスポートなら、1回あたり2,000円になるうえ、毎回大野八一雄七段の指導を受けられる。ただ、月に6回は多すぎる。
室内はみんな対局中で、私はしばし待たされた。
やっと対局がついたが、前回も指した少年だった。私の飛車落ちである。
序盤はいつもの定跡になったが、少年の▲4五歩△同歩▲同桂に、私は3三の駒を持って△7七桂成?とした。何と、△3三桂を角と勘違いしたのだ。
私は待ったをし対局をそのまま続けたが、お粗末なことをやったものだ。
将棋は例によって私が馬を作り桂を成り、駒得が約束されたのだが、少年も飛車を8九に回り、着々と反撃の機会を伺っている。
第1図は私が△4六成桂と銀を取ったところだが、これが敗着。以下の攻めが厳しかった。

第1図以下の指し手。▲8三歩成△同歩▲8一角△同玉▲8三飛成△8二歩▲6三竜△8六桂▲8七玉△7二銀▲7三桂△9二玉▲7二竜(投了図)
まで、少年の勝ち。

▲8三歩成から▲8一角が好手。前局の変化でも出てきた攻め筋である。これを△6二玉は▲8三飛成で望みがないので私は△同玉と取ったが、▲8三飛成で敗勢になった。
しかものちの△7二銀に▲5三竜と読んでいたのだからおめでたい。▲7三桂と打たれて終わった。

感想戦では、第1図の前に△4六成桂としたいのを堪えて、じっと△6二銀(参考図)が最善とされた。

前局は私のポカで負けたが、本局は本当に実力負け。こうやって駒落ち対局はどんどん差を縮められていくのだろう。
ここでしばし間が空く。W氏は買物に出掛けていたが、その間にほかの将棋が次々と終わり、みんなが手持無沙汰になってしまった。
W氏が帰ってきて、絶妙の捌きで手合いを付けていく。そして私は、男性氏と対局となった。彼とは2局目だ。振駒で私の後手になり、▲7六歩△3四歩▲6八飛。Taga氏得意の戦法で、このあと角換わりから逆棒銀に来る狙いだろう。だが△4四歩と角交換を拒絶するのも軟弱なので、そのまま駒組を進める。と、やはり▲2二角成とされた。
ここから不本意な展開になったが形勢自体は互角で、その後私が桂得してと金を作ったあたりは、むしろ指しやすくなったと思った。
ただ男性氏の6筋からの反撃も厳しく、この折衝で男性氏が優勢になったようである。
だが私のイヤミな攻めに男性氏が受けを間違えたようで、私にも勝機が出てきた。
第1図は▲3一馬と飛車を取り、△同玉▲6一飛△4一歩に▲4四歩と叩かれた局面。

第1図以下の指し手。△2六桂▲4八金寄△3八銀打▲同金△3九角(投了図)
まで、一公の勝ち。

第1図で△4四同金は▲5三角で負け。一方自玉は▲3二銀に△2二玉▲3一角△1二玉で
まだギリギリ詰まない。そこで△2六桂と反撃した。これに▲同銀は△3八竜なので男性氏は▲4八金寄としたが、私は△3八銀打。しかし▲同金と取られて後手玉の詰みが見えないので、慌てた。このとき私の残り時間は1分少々。△3八同桂成は▲1七玉で詰まないうえ、銀を渡してしまったので、今度は後手玉が詰むだろう。
が、私は△3九角を発見し、どうにか勝つことができた。

しかし△3九角があるなら、△3八銀打ではすぐに△3九角で詰みだった。以下▲同玉△3八銀打▲2八玉△2七銀成▲同玉△3八銀打▲2六玉△2七金までである。
感想戦では男性氏が、「銀冠が残ったまま詰まされたのは初めてです」と苦笑した。そして私たちは、「自信がない」を連発した。
実際は終盤に男性氏に勝ちがあったが、どこかで間違えたと思う。でも、敗因の結論までは出なかった。
大野七段の指導対局は、Shin氏らが戦っている。Shin氏は平手での挑戦で、大野七段が飛車を振っているようだ。Shin氏もよく戦っているが、大野七段が寄せに入った。
私の3局目は少年と。大野教室は2回目だそうで、私の4枚落ちだ。
少年は銀多伝できた。これは端を攻める筋がないから損だが、上手の左の金銀を固定させるという意味で、ある手ではある。W氏が、彼は銀多伝の指し方を、さっき教わったばかりだと言った。
私は左銀を△4二に進出し、下手を圧倒した。どうも私は、初心者相手にも全力で戦うからいけない。それで彼とは2局目を指し、今度は左銀を△2二に上がった。これはいい勝負になったのだが、それでも私が勝ってしまった。
今度は小学生入学前のお嬢ちゃんが入って、私の2面指しとなった。お嬢ちゃんは、平手では負けるかもしれない、と思っているに違いないが、将棋は何が起こるか分からない。
私は2面指しは久し振りで、全然局面が見えない。女流棋士のすごいところは、棋力はともかく(失礼)、多面指しを起用にこなすところだ。よく複数の将棋が同時に指せるものだと思う。私は盤面の差異が全然分からない。それで、相手が指していないのに2手指ししたり、相手が指したのに指し手を待ったりしていた。
お嬢ちゃんとは以前指したことがあり、保護者の父親は、今日2局目に指した男性氏である。
お嬢ちゃんは中飛車できた。これがお嬢ちゃんの得意戦法で、駒落ちだと銀多伝や2歩突っ切りなど、慣れない戦法を指さざるを得ないから大変だ。将棋とは、とくにアマにおいては、自分の指したい手を指すのが本当ではなかろうか。
少年もお嬢ちゃんもよく指し、両者とも私に勝った。寄り形になっている私が頑強な受けを指すと、お嬢ちゃんはじっと考えて好手を指す。やはり将棋は相手の寄せを考えているほうが楽しかろう。
引き続き2局目を指す。これもどちらも、よく指した。
お嬢ちゃんはまたも勝勢になり、ここで▲3三金(図)が好手だった。△同銀なら▲2三竜だ。

私は△2四玉と逃げ出したが、お嬢ちゃんに的確に寄せられた。
少年のほうもよく指したが、私が勝勢になった。だがそこから悪手を連発し、敗勢になってしまった。上手玉が必至になったので、私は下手玉に最後の突撃をする。だが四枚落ちの手合いは、どう指しても上手が勝ってしまうようだ。最後、角成の両王手で下手玉が詰んでしまう。だがそこは私が桂で王手を掛け、逃げられたところで投了した(投了図)。

少年とお嬢ちゃんが、今後も将棋を続けてくれることを信じてやまない。
(つづく)
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