一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第48回将棋大賞、決まる

2021-04-12 00:11:59 | 将棋雑記
1日に、第48回将棋大賞各賞が発表された。私は3月31日に予想記事を書いたが、それは各自で確認いただくとして、今回はこの雑感を記そう。

最優秀棋士賞 藤井聡太王位・棋聖(初)
優秀棋士賞 渡辺明名人(7回目)
敢闘賞 豊島将之竜王(2回目)
新人賞 池永天志四段
最多対局賞 永瀬拓矢王座 69対局(初)
最多勝利賞 藤井聡太二冠 44勝(3回目)、永瀬拓矢王座 44勝(初)
勝率一位賞 藤井聡太二冠 44勝8敗 0.846(4年連続4回目)
連勝賞 澤田真吾七段 14連勝 (2020年8月27日~11月27日) (初)
最優秀女流棋士賞 里見香奈女流四冠(6年連続11回目)
優秀女流棋士賞 山根ことみ女流二段(初)
女流最多対局賞 加藤桃子女流三段 43局(初)
東京将棋記者会賞 杉本昌隆八段
升田幸三賞 大橋貴洸六段 (耀龍四間飛車) 
升田幸三賞特別賞 藤井聡太二冠(第91期棋聖戦第2局「△3一銀」)
名局賞 第91期棋聖戦第1局 渡辺明棋聖VS藤井聡太七段
女流名局賞 第10期女流王座戦第5局 西山朋佳女流王座VS里見香奈女流四冠
名局賞特別賞 第34期竜王戦ランキング戦2組 藤井聡太二冠VS松尾歩八段


最優秀棋士賞は藤井二冠が初栄冠。たぶん渡辺名人との一騎打ちになったと思うが、藤井二冠で納得、が大半ではなかったろうか。これが渡辺名人の受賞になると、その割合がちょっと減ったと思う。受賞はその差だったと思う。
勝率一位賞は藤井二冠で、堂々の4年連続。しかもすべて8割越えで、これはイチローの4年連続200本安打に相当する気がする(いやそれ以上か)。
それにしても、勝率8割というと、4勝1敗ペースである。これは第三者から見れば、ほとんど勝っているという印象である。
連勝賞は澤田真吾七段の14連勝。藤井二冠が17連勝したが、継続中のため翌年度回しになった。ちなみに藤井二冠は9日の叡王戦で勝って18連勝。早くも今年度の連勝賞が確定?した。
最優秀女流棋士賞は里見女流四冠で当然。
優秀女流棋士賞は山根ことみ女流二段。17連勝に女流王位戦挑戦と、山根女流二段もよく活躍した。加藤桃子女流三段もタイトル戦登場3つとよく戦ったが、すでにタイトル8期の実績ゆえ、タイトル挑戦は当たり前。タイトルを獲らねばいけなかったのだろう。
今年度は西山朋佳女流三冠が女流棋士に専念したため、100%、何かの賞を取る。ほかの女流棋士は少しでもそれを阻止しなければならない。
東京将棋記者会賞は杉本八段。同賞は存在意義がいまひとつ分からないのだが、引退ベテラン棋士が順番に受賞、というイメージがある。しかし今回の杉本八段は、タイムリーな受賞と思う。よく分からないが。
升田幸三賞は大橋六段の「耀龍四間飛車」。これはなるほど、という感じで納得である。
升田幸三特別賞は棋聖戦第2局、藤井七段の「△3一銀」。これはいいのだが、名局賞特別賞の竜王戦・藤井二冠VS松尾八段戦は、終盤藤井二冠の「▲4一銀」が評価されたものだろう。
ただ、升田幸三特別賞「△3一銀」も藤井二冠の名手であり、その振り分けが分からない。どちらも表彰したい気持ちも分かるが、どちらかを見送ることはできなかったものか。
例えば竜王戦の▲4一銀は、ほかの棋士でもこのくらいの名手は指しているのではないか?
藤井二冠の将棋はABEMAが全局中継しているので、将棋ファンの目に触れやすい。その意味でも藤井二冠はほかの棋士より有利だ。
名局賞は棋聖戦第1局。私は今回の各賞選定にあたり、過去の将棋を見直さず、記憶のみで選んだ。棋聖戦第1局はそれがすっぽり抜けていたのだが、渡辺棋聖の追い込みと、藤井七段の逆王手でフィニッシュという終局図が素晴らしく、確かに名局賞にふさわしいと思った。
2021年度も、藤井二冠を中心に回りそうである。
コメント
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