一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

4月17日の大野教室(後編)

2021-04-29 00:07:23 | 新・大野教室

第7図以下の指し手。△9五歩▲6五桂△9六歩▲同歩△9八歩▲5三歩成△同金右▲同桂成△同金▲6三歩成△同金▲同銀成△7七歩(第8図)

第7図で△7一飛と寄られるのがイヤだった。私は▲6五銀か▲7五歩しかないが、6五には桂を打ちたいし、7五には将来角が出たいのだ。
大野八一雄七段はじっと△9五歩。これもいやな歩で、大野七段に端攻めで何度潰されたか分からない。しかし私は待望の▲6五桂を打ち、我が道をいく。
大野七段も、ここで△6一桂は打てまい。△9六歩は狙いの継続手だが、私は▲5三歩成が実現して好調。この将棋は負けられないと思った。
大野七段はすべてを清算し、△7七歩。

第8図以下の指し手。▲8八金△9九歩成▲7五角△6五桂▲4四歩(途中2図)
△同歩▲4三歩(第9図)

第8図で▲7七同金は△6五桂で攻守所を変えてしまう。▲8八金の我慢は当然である。

しかし▲7五角△6五桂の局面で、どこが急所だか分からない。とりあえず▲4四歩と指した。△同歩に▲4三歩と垂らすが、明快な狙いはなかった。

第9図以下の指し手。△8九と▲同金△5六歩▲4二歩成△同銀▲4四銀△5七歩成(第10図)

△8九と▲同金に△8七飛成は、▲8八飛のぶっつけで下手勝ち。よって大野七段は△5六歩と垂らす。
ここで▲同金や▲5八歩はないところである。棋理からいえば、ここで攻め合って勝ちがなければおかしい。たとえば▲4二歩成△同銀▲4四銀となったとして、そこで△4三歩なら▲4二角成と殺到し、これは下手が勝つ。問題は△5七歩成とされたときで、▲4二角成以下上手玉に詰みがあるかどうかだ。
一例は△4二同玉▲4三銀打△3一玉▲3二金(参考B図)だが、王手が続くものの詰まない。

結局、私は▲4二歩成から▲4四銀と出る。大野七段は△5七歩成。さあ、私は上手玉を詰まさなければならない。

第10図以下の指し手。▲4二角成△同玉▲5三成銀△3一玉▲4二銀△2二玉▲3三金△1三玉▲2三金△同玉▲3二銀(投了図)
まで、116手で一公の勝ち。

▲4二角成△同玉に▲5三成銀の活用が好手。以下はほぼ並べ詰めだが、最後は▲3二銀以外詰まない。投了以下は△3二同玉▲3三金△同桂▲同銀上成△2一玉▲2四飛△1二玉▲2二飛成で詰みである。
「完敗です」
と大野七段。「大沢さんの得意な形にしちゃったね」
「(第3図の)▲5五歩が通って、▲5六銀と立ててホッとしました」
今日はポカが多かった私にしては出来すぎで、どうも、私を呼び戻した大野七段が緩めてくれたとしか思えない。たとえそうでも、指導対局で勝てればすべてよしだ。今日は5,000円を払った甲斐があった。
6局目は、さっき対局する予定だった初見の男性と。振駒で私が先手になり、▲7六歩に△3二飛。こうなれば私はあえて石田流を指させ、▲5六銀左の形で抑え込むしかない。
本譜はその後、▲6五歩・▲6六角の形から、△6四歩▲同歩△同銀▲6五歩となったが、そこで△5五歩が好手だった。以下▲同銀△同銀▲同角に△5四銀と打たれ、▲8八角△6五銀で、6五の位を解消されてしまった。
その後は男性氏の攻め、私の受けとなり、途中は攻めつぶされそうな局面があったのだが、私はギリギリで堪える。
しかし男性氏が△6六桂と歩頭に捨てたのがもったいなく、私は喜んで▲同歩と取り、有利になった。△6六桂では1路控えて△6五桂と銀取りに打たれたら、まだ男性氏の優位が持続されていたと思う。
最後は男性氏の攻めが切れ、私が制勝した。
今回は私が苦戦したが、相手の棋風が分かったから、次はだいぶ違う。もう少しマシな指し方ができると思う。
時刻はもう6時を過ぎ、加藤圭女流二段も帰ってしまった。いまはShin氏と小学生低学年君が対局中だ。彼は近い将来奨励会入りを狙っている。彼は24時間将棋のことを考えているはずで、さっきも大野七段の前でプロの棋譜を並べ、教えを乞うていた。このくらいの熱意がないと、奨励会には入れないのだ。
局面はShin氏の四間飛車に少年の仕掛けがうまく決まり、少年が有利に見えた。
W氏が暇な私を見かねて、指してくれることになった。W氏は将棋の現役を引退しているので、これは珍しい。
将棋はW氏の先手で、▲7六歩△3四歩▲6八飛となった。「Tagaさんみたいだね」とW氏。ホントにそうだ。
以下W氏も角を換え、私は飛車先の歩を切る。しかしW氏に▲8九飛と回られ、私は△8五歩と謝った。これだから飛車先の歩を交換してはいけないのだ。
さらにW氏は「▲8五(桂)ポン」。以下、私は角を渡す代わりに桂香を取って竜を作ったが、形勢は互角だと思った。

将棋はその後一進一退の攻防になったが、部分1図から△5七成銀とやったのがミス。本譜は▲同金△6八角▲?△7九角成となったが、▲?では▲4九飛と回り△4四銀取りに当てておけば、W氏が優勢だった。
最後は私の勝ち。局後は大野七段が検討に付き合ってくれた。
序盤、私が飛車先の歩を切ったのに、それを△8五歩と打ち直したのはやはり疑問。ここに歩を打たずにほかの手を見出すのが本手だという。それは私もそう思った。

また、中盤(部分2図)で私が△4六桂と両取りを掛けたのがミス。ここでは△5五歩と銀取りに突き出すところで、▲4七銀引に△4六歩▲同銀△4五歩で私が優勢だったという。
形で△5五歩は考えていたのに、歩で銀を取れる順が見えていなかった。
ほかにもいくつか変化を並べていただき、とても勉強になった。
これで今日の将棋は終了。一応5勝2敗だったが、大野七段戦以外はすべて負けていてもおかしくなかった。こういうところで運を使うからよくないのだろう。

食事は、近所の定食屋に行った。参加者は大野七段、W氏、Shin氏、私の4名である。
店内は、広く使わせてくれた。そしてテーブルには、ビニールで敷居がしてあった。国か県から、是正措置が出たのだろうか。
私は焼肉定食を頼み、美味しく食べた。
食後は将棋界の話から政治の話まで、マスクをしながらのおしゃべりに花が咲いた。とにかく、私が他人と話をするのは、大野教室くらいしかないのである。
しかし私は政治に疎いので、W氏の高説に、知ったかぶりをして頷いていた。
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