一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

藤井竜王は、持ち時間の短い棋戦に弱いのか

2022-02-24 00:16:40 | 将棋雑記
藤井聡太竜王は持ち時間の長い将棋が強い、とも聞いたことがある。たとえば2日制七番勝負は16勝1敗である。しかし早指しのNHK杯では優勝がない、という塩梅だ。
こういう時は、戦績を詳らかにするに限る。2021年度の11ヶ月だけだが、見てみよう。


第34期竜王戦 9勝0敗
第80期順位戦B級1組 9勝2敗
第62期王位戦 4勝1敗
第69期王座戦 0勝1敗
第47期棋王戦 1勝1敗
第6期叡王戦 8勝2敗
第71期王将戦 11勝1敗
第92期棋聖戦 3勝0敗
第15回朝日杯将棋オープン 1勝1敗
第29回銀河戦 3勝1敗
第71回NHK杯 0勝1敗
第42回JT杯日本シリーズ 2勝1敗

以上、本日現在まで51勝12敗。これらを棋戦別、持ち時間別に並べ直すと、こうなる。

竜王戦七番勝負 8時間 4勝0敗
王位戦七番勝負 8時間 4勝1敗
王将戦七番勝負 8時間 4勝0敗
順位戦B級1組 6時間 9勝2敗
竜王戦ランキング戦2組、決勝トーナメント 5時間 5勝0敗
王座戦挑戦者決定トーナメント 5時間 0勝1敗
叡王戦五番勝負 4時間 3勝2敗
棋聖戦五番勝負 4時間 3勝0敗
棋王戦挑戦者決定トーナメント 4時間 1勝1敗
王将戦挑戦者決定リーグ 4時間 5勝1敗
叡王戦本戦トーナメント 3時間 4勝0敗
王将戦二次予選 3時間 2勝0敗
叡王戦段位別予選 1時間 1勝0敗
朝日杯将棋オープン本戦トーナメント 40分 1勝1敗
銀河戦本戦トーナメント、決勝トーナメント 15分+10分 3勝1敗
NHK杯 10分+10分 0勝1敗
JT杯 10分+5分 2勝1敗

さらに持ち時間別に直すと、こうなる。

8時間 12勝1敗(.923)
6時間 9勝2敗(.818)
5時間 5勝1敗(.833)
4時間 12勝4敗(.750)
3時間 6勝0敗(1.000)
1時間以下 7勝4敗(.636)

何となくだが、持ち時間の減少に比例して、勝率も低くなっている。持ち時間3時間以上の勝率は.846だが、1時間以下は.636である。考えてみれば将棋AIだって、1手1分より1秒のほうが、読みの深度は浅くなる。いかに藤井竜王といえども、秒読みで正着を続けるのは至難の業だ。
とはいっても、タイトル戦の予選や本戦はたいてい3時間以上。叡王戦と棋聖戦の予選は1時間だが、タイトルはどちらも藤井竜王が持っており、もう2棋戦で予選を指すことはない。
よって藤井竜王に勝つには、もはや早指し棋戦しかない。夢のない話だが、そういうことだ。
コメント (2)
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