一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2月22日の大野・植山教室(前編)

2015-02-26 00:56:55 | 大野・植山教室
22日(日)は「大野・植山教室」に行った。午後1時半少し前に入ると、R氏の姿があった。R氏、かなり久しぶりである。
R氏は私たちの間で有名な将棋ファンで、将棋ブロガーの伝説的存在である。古くは「LPSA駒込サロン」、新しくは「大野教室」で教室の模様を活写し、多くの読者を楽しませた。
私がブログを始めたのは将棋ペンクラブのM氏に勧められたからだが、開設に踏み切ったのは、先にR氏のブログがあったから。その意味でR氏の存在は大きかった。
きょうはR氏が来ることを事前に知らされていたので、会うのが楽しみだったが、元気そうで何よりだった。
大野八一雄七段は二面指しの最中。奥の部屋では植山悦行七段が多面指しを行っていた。ほかには奨励会O君の横顔も見える。O君は先日の奨励会で初段に昇段し、うれしい春となった。
私は大野七段に教えていただく。右にはR氏が入ったが、何と二枚落ちの所望である。R氏、以前は男性棋士にも女流棋士にも「飛車落ち」だったが、ずいぶん弱気になったものだ。実戦不足による自信欠落だろうか。
私はもちろん角落ちを所望し、対局開始。本局はガッチリ矢倉に組もうと思った。大野七段は中央から動く。上手:4四銀、5二飛、5四金 下手:5六銀、5八飛の局面で、大野七段は△5五銀のぶっつけ。私はビビッて▲4七銀と引いたが、これは逸機だった。
ここは強く▲5五同銀と取るところ。△同金には▲6三銀が狙いすました一手で、△5三飛▲5四歩△6三飛▲5五飛の結果は、下手十分だった。
このチャンスを逃してから、以降は後悔を引きずりながらの指し手となった。
ただ局面は、上手の中央制圧を押し返し、下手まずまずの形勢。ただ矢倉には組めず、7八金を▲6七金と上がり、▲7八玉と整えた。
Og氏とFuj氏がこの将棋を見て、「やっぱり大沢さんの将棋はおもしろいな」と異口同音に言う。これはけっこうなホメ言葉だと思う。
右の対局は、R氏の桂損が確定し、早くも劣勢だ。冷静に見れば下手も指せるが、実戦心理は下手、しくじった感じだろう。
和田あき女流初段が来た。マイナビ女子オープンの挑戦者決定戦は半月後。いまは実戦実戦また実戦であろう。
と、あきちゃんが私の横に来て、「女流棋士との親睦会2015」のチラシを取り出した。いろいろ説明してくれるが、なんかこの感じ、宗教か保険の勧誘に似ている。
どっちにしても、いまは持ち合わせがない。…と思いきや、財布には3万円があった。いま話題のスピリチュアルカウンセラー「Toshi&Lithi」が、財布の中に3万円(壱万円札3枚)を入れておくと金運がアップすると言っていたので、それを実践していたのだ。
これはイベントに申し込めという神の示唆なのだろう。少なからず興味もあったので、申し込んだ。とはいえ1万円は高いと思う。
指導対局に戻る。R氏は大野七段に負けた。あれからかなり追い上げ、終盤は勝ち筋もあったのだが、決められなかったようだ。
「そういう大沢さんみたいな手は困るなあ」
と植山七段がボヤいている。Shin氏に対してのものらしい。「(上手に対して)どっからでも攻めてらっしゃいという態度はいけませんよ」
これを額面通りの意味に取るとおかしなことになる。これは下手に対しての、植山流の最大限のホメ言葉なのだ。
私の将棋は、二段目に竜を作り指せると思ったのだが、大野七段の△8一歩~△6一歩が上手らしい手。私の▲9二竜は仕方ないが、▲5三桂成にも△6二桂と受けられ、ついに竜の横利きを封じられてしまった(ただし△6二桂では、△7七銀と打ち込めば、下手玉が寄っていたと思う)。
以下も急所をビシビシ攻められ、最後は大野七段の勝ち。口の中も苦いが、将棋も苦いスタートとなった。
「女流棋士との親睦会」は、R氏もアッサリ陥落。「あきちゃんに頼まれちゃイヤとは言えない」は私も同意だが、Fuj氏は買わなかった。費用対効果がないと見たからで、彼、こういうところはシビアなのである。
ちょっと早いが、ここで3時休みである。きょうはW氏、Hon氏、Ok氏、Watanabe氏とレギュラー陣が全欠席。いつもと雰囲気が違う教室となっている。
大野七段がO君との手合いを付けてくれるが、角落ちが適当なところを、O君は「平手なら(指します)」と意味不明の返答。結局、指さなかった。
対局に戻る。今度は植山七段に教えていただく。右にはやはり、R氏が座った。
R氏「二枚落ちでお願いします」
植山七段「はい」
そして、飛車角を落とした。
私「角落ちでお願いします」
植山七段「分かりました」
私「…。角落ちで、お願いします」
植山七段「分かりました」
私「……。では平手でお願いします」
植山七段「はい」
上手が駒落ちを拒絶するという意味不明なやり取りのあと、対局開始。▲7六歩△3四歩▲2六歩に、植山七段は△4二飛。「角交換四間飛車は(指すのが)初めてなんだよなァ」とつぶやいた。
いつもならここで▲6六歩だが、ここは勉強である。堂々と角交換を受けて立った。
植山七段は△3五歩。ちょっと早いと見て、私は▲3六歩と突き返す。自分らしくないキビキビした将棋になり、以下の局面を迎えた。

ここからの7手をお考えいただこう。
(つづく)
コメント (6)
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