一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

新緑の北海道2014・4「網走番外地」

2015-02-22 00:09:22 | 旅行記・北海道編
マスターおよび「停車場」は、旅行雑誌で何度も取り上げられ、有名である。店内はテーブル席3つにカウンター。窓の上には網棚が設置されていて、レトロだ。私はカウンターに座り、お昼時なので、ポークケチャッププレートなるものをオーダーした。
これは文字通りポークソテーをケチャップ味にしたもので、肉はやや固めだったが、美味かった。
ホームの隅には展望台があり、列車が来るまで、そこで佇む。6月のオホーツク海が綺麗だった。



13時06分、北浜発。オホーツク海を右手に見やり、タイム18分で終着網走に着いた。
ここ網走からは、中湧別まで湧網線が通じていたが、前述の通り1987年に廃止された。私が途中下車をほとんどせずに来たのも、ここ旧湧網線をバスで行きたかったからだが、駅内の時刻表で調べると、中湧別まで行く直通バスがない。しかも、佐呂間から先はバスルートさえない。代替バスが旧湧網線を正確にトレースしていないのだ。
といって、佐呂間まで行って引き返すのも、時間的に厳しい。ウウム…。ここでの誤算は痛いが、網走には博物館網走監獄がある。でもバス時間を調べるのが面倒だったので、石北本線を左手に見やり、ぶらぶら歩いた。
空は雲が切れて、陽が射している。6月の北海道とはいえ、太陽が照れば暑い。
右手に網走刑務所が見えてきた。おお、こちらを先に観光?しよう。
網走刑務所は高倉健の映画の舞台だったこともあり、日本一有名な刑務所である。きのうは幾寅駅(鉄道員)を通ったし、2月には増毛(駅-STATION-)も訪れた。北海道に高倉健は欠かせない。
刑務所前まで来た。手前には網走川が流れており、そこに架かる橋を渡り、敷地内に入る。もちろん無料である。正門に来るが、煉瓦造りのその荘厳さに、身が引き締まる思いである。これは建築学的にも素晴らしい。ただ何ぶんにも「現役」なので、ハシャぐわけにはいかない。
正門のこちら側には「刑務所作業製品展示場」があり、入ると、受刑者が制作した木工製品などが売られていた。ただ、受刑者を色眼鏡で見るわけではないけれど、何か買おうにも、いますぐ欲しいものがない。
無添加の石鹸(3ヶ入り140円)があったので、これを購入した。

次こそ「博物館網走監獄」に行こうと思う。
ここからはちょっと離れているが、国道に出ると、そこ行きのバスが出たばかりだった。仕方ない、歩いていく。
道案内の通りだと、湧網線はここをまっすぐ走っていた。強引にイメージすれば鉄路が見えるが、いまはさまざまな障害物が並び、その痕跡はほとんどない。
左折してしばらく歩くと、右手に再び網走川が現れた。その先は網走湖だが、私は左手の石北本線の線路を渡る。丘を登っていくと、網走監獄の敷地が見えてきた。ここは学生時代に2度ほど訪れたが、こんな山頂にあったかと思う。
鏡橋を渡る。もちろん復元で、さっき私が渡った橋が、「本物」の鏡橋のようだ。
階段を上がると建物が見え、入館料は1,080円だった(後で分かったのだが、「インターネット入館割引」というのがあり、これだと110円安くなる)。
ゲートを抜けると、見覚えのある門があった。現網走刑務所の正門とウリ二つだが、博物館のは本家を模したものだろう。


網走刑務所


博物館網走監獄

本家網走刑務所は観光客がいなかったが、ここは人がいっぱいいる。早速観光と行きたいが、その前に今晩の宿を予約する。
本筋は遠軽駅前のホテルで値段も手ごろなのだが、ここにはレンタルパソコンがない。やむを得ず北見駅前のビジネスホテルを予約したが、ひとつだけ、不愉快な点があった。
さて、ゲートの先にある白い洋館は「庁舎」で、中に入ると、会議室や総務課があっこれは後述する。た。面会室にはリアルな人形があり、受刑者に親族が面会に来ている図などが再現されていた。
その反対側はミュージアムショップになっていた。資料的に興味深いが、買うまでには至らない。
庁舎を出て右を歩くと、長屋風の建物がある。刑務所職員の官舎で、「看守長屋」と呼ばれていたらしい。
その先には「休泊所」がある。受刑者が塀の外で作業し、刑務所に帰れないとき、この簡易小屋で一夜を明かすのだ。中は何体もの囚人(の人形)が布団をかぶって横になっており、その中の一体がグアッと起き上ってきそうで、不気味だ。
学生時代に友人と訪れたときは、私がこの布団にもぐって、お笑い写真を撮ったものだ。
隣の部屋に入るが、ヒトが立っていたのでギョッとしたら、これが看守の人形だった。
びっくりさせないでくれよ…。とにかくここの人形はリアルなのだ。これ、絶対に「ドッキリ」に使えると思う。
その先の丘を登ると、監獄歴史館がある。これは私が学生時代に見た記憶がないが、新築されたのだろうか。
内部はさまざまな資料があって興味深いが、傑作なのは自分をモデルにして撮れる「囚人写真」だ。受刑者が自分の名前を持ち、正面、ナナメの写真を撮影するアレである。300円とやや高めだが、これは大いに食指が動く。ただこういう類はみんなでワイワイ言いながら撮るもので、ひとりで撮っても虚しいだけだ。
一人旅は気楽だが、それゆえに不便なこともあるのである。
廊下には、刑務官の等身大パネルがところどころに立てられてあり、一般人でも緊張する。この演出の凝り方がスゴイ。私は苦笑するしかなかった。
ほかにも、明治時代の囚人服を着られたり、刑務所の歴史を語るシアターがあったりと、盛りだくさんである。ここにいると、時間の経つのを忘れるのであった。
(つづく)
コメント
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