一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

「第44回支部対抗戦・名人戦埼玉県大会」に参加する(前編)

2015-02-02 21:15:59 | 将棋イベント
1日(日)は、「第44回支部対抗戦・名人戦」の埼玉県大会があった。「大野・植山教室」では昨年に川口支部を創設、今年の出場となったものである。
対抗戦は3人一組で、何チーム出場してもよい。大野・植山教室からは12人4チーム、名人戦は若干名出場することになっていた。
私は対抗戦に出場する。他流試合の参加は2011年の社団戦以来3年半ぶりだ。ジャンパーの右ポケットには島井咲緒里女流二段の直筆扇子をしのばせた。他流試合の必須アイテムで、いくつかある扇子の中から、最初に取ったのがこれだった。きょうは島井女流二段と一緒に頑張るのである。
集合は北浦和駅改札に午前10時。3分前に到着すると、みながあらかた揃っていた。大野八一雄七段の姿はあったが、植山悦行七段と、W氏は来なかった。
会場は近くにある、北浦和ターミナルビル3階の「カルタスホール」。チームの組み合わせは事前にいろいろ考えられたが、私は最終的にWパパ氏、Kaz氏と組むことになった。なおWパパ氏は、和田あき女流初段とHanaちゃんのお父さん。Hanaちゃんは名人戦に出場するようだ。念のためだが、W氏とWパパ氏は別人である。
会場に入ると、世話人の小島一宏氏らがテキパキと準備をしていた。小島氏はこれまでいくつものタイトルを獲得している、アマ強豪だ。
開始に先立ち、小島氏からルール説明があった。対抗戦はスイス式で、勝っても負けても4戦できる。名人戦はトーナメントの一番勝負だが、負けても慰安戦があるようだ。優勝すれば4月に天童で行われる東日本大会に出場できる。
私たちが狙うのはもちろん優勝である。私は三将の席に着き、10時半に対局開始となった。
私の後手で、▲7六歩△3四歩▲7五歩。先手は石田流の作戦だが、私はこの攻略が嫌いではない。
▲1六歩の様子見に付き合わず、私は△4四歩。将来△4五歩と突き越す手を見たもので、私の好きな手である。そしてこれが相手の意表を衝いたようだ。
さらに進んで、▲5五歩に私は△5四歩と突き返したが、ここで△4五歩と角道を通すところだった。こうして△4四銀~△4三金~△5四歩を目指すのがよい。先手は角が浮いているので、暴れられないのだ。
△4五歩は△5四歩を指した直後に気が付いたが、遅かった。対抗戦の持ち時間は25分・30秒だが、つい早指しをしてしまう。私の悪い癖である。
3人はもちろん横に並んで指しているが、社団戦と違い、2組でひとつのテーブルを使うので、三将だけ通路を挟んでおり、隣の対局がよく見えない。これがどうにも不安だった。

以下の指し手。▲7四歩△同歩▲9七角△6四銀打▲5四銀
以下、先手氏の勝ち。

先手氏は▲7四歩と突き捨てて、▲9七角。私は△6四銀打とガッチリ受けて自信満々だったが、▲5四銀と打たれて愕然とした。
どう読んでも、後手が悪い変化ばかりなのである。私は△5四同銀と取ったが、▲6四角△9二飛▲8三銀△7五銀▲同飛△同歩▲9二銀不成となって後手敗勢。
いつもなら投げているところだが、団体戦なので投げきれない。私は受け一方の飛車を打つなど未練がましく粘る。△9三飛と▲5三馬を追ったが、▲7五馬の逆先を食って万事休す。ここは△8三飛と打てば、悪いながらも綾があった。
詰みあがり直前まで指して投了。隣の雰囲気は2敗っぽかった。初戦敗退か…。
私には珍しく感想戦を長くやった。先手氏は▲1六歩を悔やみ、すぐに角交換をすべきだと言った。私は△6四銀打を悔やみ、それに代わる手を探したが、よくなる順は見つからなかった。
たとえば△7二金は、▲6四角なら後手も戦えるが、先に▲7四飛と来られて後手ツブレ。これは私の見解で、先手氏は気が付いていなかったようだが、駒落ちの上手ならいざ知らず、平手戦で相手の好手を読みながら、これは指さないだろうとタカをくくって疑問手を指すことはできない。
実際はKaz氏が勝っており、1勝2敗だった。かぁー、私が勝っていれば…。
私は会場の隅で、和田父娘と大野七段らと弁当を食らうが、苦い味だった。
飲み物を買って戻ってくると、Fuj氏が名人戦の2回戦を戦っていた。形勢は微妙なところ。
午後に入り、こちらも2回戦である。今度の相手は、小学生チーム。私の相手はU君で、大野・植山教室の常連だが、きょうは別のチームで参戦している。
U君とはふだん大駒落ちの手合いなので、「何か落とそうか?」と軽口を飛ばしたが、それがはなはだ非礼だったことを、私は痛感することになる。
またもや私の後手。四間飛車にU君は▲3七銀と棒銀のにおい。それで袖飛車にしてみた。
しかしこの指し方は大山康晴十五世名人の専売特許みたいなもので、私が真似をしてもヤケドをするだけである。私がU君をナメていたことの証左だ。
私は△7三角とのぞき、敵飛車を牽制する。U君は▲6九金。一度上がった金を引くからおかしな手だが、次に▲7九角と引いて、狙いが分かった。
▲1四歩~▲1二歩~▲1三歩の狙いで、私はそれを防いで△2二金だが、これはいかにも利かされ。△4五桂▲4六銀を利かして角を陰にすればなんでもなかった。
私は△8四角と覗き、次の角成が受からない。しかしU君も▲9七角。私は▲4二角成を防いで△3二金と戻る。先の△2二金に烙印を捺された形だ。
U君は続いて▲3五歩。強い! これを△同歩は▲3三歩で後手ツブレ。仕方なく私は攻め合いに出るがが、全然自信はなかった。
以下もU君は的確に後手玉の網をしぼる。しかし▲5三歩の垂らしは甘かった。

(つづく)
コメント (4)
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