一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

新緑の北海道2014・5「緑の北海道」

2015-02-23 00:10:20 | 旅行記・北海道編
監獄歴史館を出ると、左手に二見ヶ岡農場がある。夏季のいまだから見られる施設である。
建物の中にはこれまたリアルな人形があり、いまにも動き出しそうだった。



その先、つまり敷地の最奥にあるのが、「五翼放射状平屋舎房」だ。中央の見張り小屋を中心に、半円状に五本の舎房が伸びているのだが、これが網走刑務所の代名詞と云えるかもしれない。1984年まで実際に使われていたというから、感覚としては現役に近い。
とはいえ、この木の古さが歴史を感じさせる。雑居房の出入口には鎖がかかって入れないが、一部鎖がないところもある。
私はこっそり中に入り、囚人の視点で外を見るが、あまり気分のいいものではない。廊下にはストーブが置かれているが、厳寒の冬では効かなそうだ。
房のひとつには、全国的に有名な人形がある。天井を見上げると、独房を脱獄している囚人(人形)がいる。これが昭和の脱獄王、白鳥由栄である。
気付く人だけ気付けばいい、というこの展示方法が私は好きだ。



平屋舎房を出て、大浴場、独居房、教誨堂などを見学する。独居房は身動きできるスペースがなく、こんなところに放り込まれたくないところだ。
最後は産業物産館・売店があり、よほどお土産を買おうと思ったのだが、見送った。
これにて、博物館網走監獄の見学は終わり。約1時間半だったが、それでもかなり、駆け足だった。ここに行かれる人は、少し余裕を持ったほうがいいと思う。

網走駅前行きの網走バスは、博物館前から17時ちょうどに出た。
駅まで戻りバス代を払う段になったのだが、料金が分からない。運転手さんに言われるまま330円を払ったのだが、これ、230円じゃなかったか!?
まあいい。次の石北本線は17時39分で、30分ほど時間がある。近くの蕎麦屋に入った。もりそば600円は限度額ギリギリだったが、まあまあ美味かった。よく考えたらここは、むかしもお邪魔したことがあった。
石北本線に乗る。初夏の陽は長く、まだ車窓からの眺めを堪能できる。女満別、美幌、愛し野など、色っぽい駅に停車して、18時53分、列車は北見に到着した。
北見はハッカの町だが生産量は減少し、現在は玉ネギの生産地として有名である。
なお、根室本線の池田から出ていた北海道ちほく高原鉄道は、ここ北見までを結んでいた。
きょう泊まるホテルは「東横IN北見駅前」である。宿泊料は朝食付5,800円で、これは私の上限額をはるかに越えている。が、レンタルパソコンをやっているところはここぐらいしかなく、やむを得なかった。
そのレンタルパソコンだが、昼に電話で確認したときは、レンタル料を「1,080円」と言われ、ひっくり返った。
これ、3月までは1,000円だったんじゃないのか!? それで消費税が3%アップして、1,080円は、便乗値上げじゃないか!?
しかし文句があるなら利用しなければいいわけで、すべてを承知で宿泊・レンタルしているのだから、文句は言えない。
近くのコンビニでタルタルチキン弁当とむぎ茶、スナック菓子に、生めんカップうどんが半額で売られていたので、これも買った。この買物が余計なのだが、分かっちゃいるけどやめられないのだ。
ホテルでは有料ビデオが500円と安かったので購入したが、これもおカネを遣った分だけ、損したかもしれない。まあ今回のビデオ群はとりあえず、波多野結衣を推しておこう。

翌22日(日)。早くも北海道の最終日である。しかもきょうは、オホーツク紋別空港を13時10分に立つ便で帰らなければならない。これは紋別-羽田間は1日1便しかないうえ、周辺の空港はどこもマイレージ使用の便が取れなかったことによる。紋別空港便は、全席マイレージ使用が可だったので、チケットを取ることができたのだ。
ともあれ実質的には、きょうは観光のうちに入らない。

朝09時12分、特別快速きたみに乗った。車窓からは木々の緑がまぶしい。36分、留辺蘂着。
ここにはむかしユースホステルがあって、そこのペアレントさんと、将棋を指したことがある。何局指しても私が勝ち、しまいには私が角を落としたのだが、それでも私が勝ってしまった。
「おかしいなあ、おかしい」
とペアレントさんは訝りつつも笑顔で、私もとても、楽しいひとときだった。
列車は走る。10時14分、遠軽着。ここで下車する。
遠軽は名寄本線の始発駅だったが、全138.1キロが1989年に廃止された。当時は「本線」が廃止になるとは思わず、鉄道ファンの間には大きな衝撃が走ったものだ。
遠軽駅の裏には瞰望岩があり、展望台からの景色が素晴らしいが、まだ午前中だというのに、ちょっと観光の時間がない。
ここ遠軽は、駅前に美味い蕎麦を食べさせてくれる蕎麦屋があった。外見は普通の店だが、更級の蕎麦が妙に美味かった記憶がある。釧路の敵を遠軽でではないけれど、最後にグルメを楽しむつもりだった。
しかし…。駅前のバスターミナルの隣に蕎麦屋はあったが、ここではなかった気がする。しかもまだ、店が開いていなかった。
残念だが今回は諦め、バスターミナルの向かいの店で、赤胴焼なるものを買う。ふつうの今川焼と思いきや、皮の表面に赤胴鈴之助の顔が焼印されていた。
バスターミナルの待合室に入ると、その一隅が食事処だったので、そこでもりそばを頼んでみる。
ところがここの蕎麦が美味かった。期待半分だっただけにこれはうれしい誤算だった。
もっとも店は隣同士だし、蕎麦の仕入先は同じだったかもしれない。
北見バス11時10分のバスに乗る。オホーツク紋別空港を経由するのに、乗客は数人だった。
バスは旧名寄本線に近いところを走るが、鉄路の痕跡は分からない。両脇は草原で、緑が映える。今回の旅行は、景色のすべてが緑だった。
紋別空港には、定刻を1分遅れの12時17分に着いた。ANAの羽田行きは13時10分だから、余裕である。
紋別空港は典型的な地方空港で、規模はホントに小さい。土産物屋も、空港カウンターの一隅にあるだけだった。
と、羽田行きの飛行機が25分遅れるとのアナウンスがあった。
チッ…。これがもっと早くに分かってりゃ、瞰望岩に登る時間ができたのに…。まあよい、今回は2429D列車を完全乗車したことで、旅も目的は達成していたのだ。
ANA376便に乗る。機内から見た群青色の空が、美しかった。





(おわり)
コメント (2)
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