一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

新緑の北海道2014・3「釧網本線の緑」

2015-02-21 14:32:15 | 旅行記・北海道編
気を取り直して、引き返す。幣舞橋の袂にある複合商業施設・釧路フィッシャーマンズワーフMOOに入る。ここは多くの飲食店が入居しているが、一般施設は午後7時閉店ですでに閉まっており、飲食店街に入るのに難儀した。
私は飲まないし、一人旅なので居酒屋関係はパス。必然的にラーメン屋の類になるが、ちょっと待て。同じラーメンを食べるなら、末広町の一軒家で食べたい。
それで、末広町に向かった。いろいろ迷ったが、創業ウン十年と思しきラーメン屋があったので、入る。味噌ラーメンを頼んだ。もちろん美味かったが、ちょっと脂がキツかった感じ。北海道のラーメンスープはおしなべて脂っこい。もっとも、これが体をホカホカにさせるのだが。
さて末広町に来れば、必ず寄る喫茶店がある。とあるビルの地下にある「佛蘭西茶館」だ。



店内は煉瓦造りで、この雰囲気が妙に落ち着くのだ。ママさんとマスターも味があり、贅沢なひとときを味わえる。かれこれ20年以上の「付き合い」である。
入ると、マスターが新聞を読んでいて、ママさんはいなかった。
私はいつもカウンターに座るのだが、きょうはテーブル席に座る。マスターには何となく顔を憶えられているので、私が常連気取りを避けた意味があった。
ブレンドコーヒーとチーズケーキのセットを頼んだが、これは私の見間違い。チーズケーキはなく、コーヒーだけ頼み直した(450円)。
コーヒーを味わいしばらく経つと、「こちらへはいつから?」とマスターが話しかけてきた。やっぱり憶えられていたか…。でもちょっぴりうれしい。
マスターはちっとも変っていないが、私は年々老けてきている。そして未来の希望も削られている。同じスポットを訪れると、時の経過の残酷さを思い知らされる。

店を出て、きょう宿泊のホテルへ向かう。それはここ北大通り沿いにあり、行きに確認していた。
その途中、和菓子屋があったので、草大福とシュークリームを買った。この買い食いが太るモトだが、ダイエットはこの旅行を終えてからでいい。
ホテルは「コンフォートホテル釧路」。実は自宅で楽天トラベルを調べていたとき、釧路某ホテルの「ワケありルーム」が、2,000円台で出されていた。半年前の私ならノータイムで予約しているところだが、現在はブログを再開してしまったので、レンタルパソコンが必須である。このホテルにはそのサービスがなさそうで、諦めたのだ。
それで別のホテルの、A.宿泊料5,000円+レンタルパソコン500円、B.宿泊料4,620円+レンタルパソコン1,000円を検討した結果、Aのコンフォートホテル釧路にしたというわけだった。
パソコンを借りて7階の部屋に入るが、肝心のパソコンが小型だった。しかも文字の拡大機能が分からず、すこぶる書きにくい。なるほどレンタル料が激安だったわけだ。
苦労しながらブログを書き上げ、何とか本日分をアップした。

翌21日(土)。私はまず、駅前の和商市場に行った。紀行番組で釧路となれば必ず紹介される「名所」で、市場内は、白飯にさまざまな海鮮を乗せる「勝手丼」が有名である。
以前何度か入った寿司屋があり、ここはタコの卵を食べさせてくれるなど珍味も多いのだが、上にぎり2,100円はけっこうな出費である。ほかの店は850円などの朝定食をやっているので、そちらを検討する。でもそのおカネさえ、もったいない気がしてきた。
虫の知らせで、家に電話を掛けてみる。と、私あてに、将棋ペンクラブの人から電話があったという。そういえば前日の朝、我がスマホに電話が入っていたが、あれがそうだったか。
そこにかけ直すと、幹事のM氏からだった。私は将棋ペンクラブ大賞の二次選考委員を仰せつかっているのだが、その中で湯川恵子さんの観戦記を評価し忘れていたという。
寸評で評価は分かるのだが、もちろん「優」である。さて、恵子さんはどうなるか。
結局朝食は摂らず、私はそのまま釧路駅に向かった。きょう乗るべきは釧網本線だが、本日の宿泊地は決まっていない。レンタルパソコンがあるか否かで検討しなければならないから、面倒なのだ。
釧網本線は、釧路湿原を堪能できる「ノロッコ号」が有名だが、その11時06分発ではタイミングが合わない。09時05分発の快速しれとこ号を選んだ。
列車はステンレス製の2両編成だが、パールピンクの帯が入っていて、愛らしい。定刻に出発した。
湿原は目にも鮮やかな緑色で、ここにも萌えを感じる。タイム20分で釧路湿原駅に着いたが、ここで下車すれば2時間待ちだから、そのまま乗り過ごす。ローカル線の旅はかくも不自由だが、そこから旅の行程を構築するところに、旅の醍醐味がある。
塘路の手前で、列車が急停車した。線路に鹿が侵入したようだ。北海道の鉄路に鹿はつきもので、轢断事故はよくある。私もむかし花咲線(根室本線)を旅していたとき、列車が鹿を轢いたときがあった。私はたまたま運転席の横にいて、その瞬間を見てしまったが、あれは後味がよくなかった。
鹿はレールに沿って走るため、どうしても轢かれてしまう。それを避けるには、運転手が早めに鹿を見つけ、急ブレーキをかけるしかないのだ。
09時36分、塘路着。ここは近くに塘路湖があり、冬は丹頂鶴が飛来する。冬に列車でここを通ったとき、地元の方から牛乳が振る舞われ、感激したことがある。
列車は走る。摩周、川湯温泉と途中下車したいのだが、いずれも時間的に無理だ。
11時19分、知床斜里着。知床半島への入口だが、やはり降りるわけにはいかぬ。今回はここの観光目的ではないので、仕方ない。と、6分の停車時間を利用して、車内販売のオジサンが乱入?してきた。こういう手筋は初めてで面食らったが、おつまみやお土産を購入している客がかなりいた。
列車はここから角度を変え、オホーツク海沿いを走る。かつては天北線、興浜北線、興浜南線、名寄本線、湧網線から絶景が窺えたが、これら路線はことごとく廃止になり、現在はここ知床斜里から網走までの一部区間からしか拝めなくなってしまった。
11時51分、北浜着。ここはオホーツク海を最も間近に見られる駅で、線路のすぐ向こうが海だ。
釧網本線は空き駅舎で飲食の営業をしている店が多く、別名「グルメロード」とも呼ばれている。ここ北浜もそうで、駅舎が「停車場」という軽食喫茶になっている。ここで下車する。
中に入ると、チョビ髭のマスターと奥さん(娘さん?)がいた。
(つづく)
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