感染症診療の原則

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保育所、幼稚園の感染予防 と その周辺

2013-09-21 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
感染症の「予防」のために活動をしてくださっている、その最前線の先生は小児科の先生方ではないかとおもいます。


いろいろな資料がホームページにあり、改訂も行われています。
活用させていただく側は、古いものではなく新しいものに差し替えていくことが大切ですね。

日本小児科学会 予防接種・感染対策委員会  2013 年 9 月改訂版
「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」


こちらは「感染症の解説」です。

しかし、これだけでは予防にはつながりませんので、「どのように学校や幼稚園、保育所で予防をすべきか」のガイダンスや助言がほしいですね。

学校の先生が麻疹や風疹になった・・・・という情報を各地で聞きますが、医療者のようには職場安全、労働衛生上のコモンなものになっていないのかもしれませんね。

医療機関では、医療者が発症してばたばた倒れたら業務の維持管理ができませんし、感染源になったら患者安全・医療安全どころではありません。
最近は見学やインターン、実習生にも事前に免疫や接種歴の確認をする大学・専門学校が増えています。

ちなみに、学校・幼稚園は文科省で、保育所は厚生労働省の管轄です。
それぞれに指針や実効性をもたせるための働きかけが必要になります。

保育所はどうでしょうか。

昭和 40 年   「保育指針」    指針の策定・改訂の経緯の解説はこちら
平成2年      改訂(局長通知)
平成12年      改訂(局長通知)
平成20年      改訂(厚生労働大臣 告示)  ※現行のものの解説はこちら

そして、アクションプランとして出てきているのが下記の資料。

平成21年8月  「保育園における感染症対策ガイドライン」 

平成24年    学校保健安全法施行規則一部改正[文科省] 養護教諭向けの解説

平成24年11月 2012年改訂版「保育所における感染症対策ガイドライン」
             13-14ページには保育所の職員の予防接種についての記載もあります。

平成25年    「学校において予防すべき感染症の解説」[文科省]
             13ページに職員の予防接種についての記載があります。


医療機関の職員を対象とした実態調査はたくさんみかけますが、教育現場で子どもや保護者の感染源となりうる教員についての実態調査はあまりみかけません。
(探せていないだけでしょうか)

感染症学会誌には参考になる情報がありました。

「学校教職員における麻疹の罹患歴,接種歴,抗体保有状況,および効果的ワクチン接種方式の検討」
感染症学雑誌 第85巻 第 3 号  2011年5月


以前の麻疹騒動のあとに文科省も麻疹対策としては職員の接種などにもとりくみましたが、今回の風疹流行時には、社会人の健康管理を支える産業保健分野の先生方の参入もあり、今後はより広く感染症予防として(麻疹以外も)取り組みが進むのではないかと思います。
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