感染症診療の原則

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広域アウトブレイク

2009-09-14 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
形成肉の角切りステーキO157症例は各地で症例数が増加しています。
チェーン店事例の特徴ですが複数の自治体で同時に多発するために、アウトブレイク全体像のつかみや、拡大防止のための対策等に連絡の手間・人手がよけいにかかります。

国や国立感染症研究所は各県や政令市の届出データをみることができますが、自治体どうしはおとなりの県はどうかしら?と情報を見ることができないシステムになっています。なぜ見せてはいけないのでしょう?
民主党になったらこのシステムもかえてほしいですね。

このため、自分の自治体にも関わる重要な感染症ブレイク情報を最初にメディアで知るようなパターンもよくあります。

自主回収も県ごとに時差でばらばらやることではない規模ではないとおもいます。
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ペッパーO157、出荷前の肉すでに汚染
読売新聞 9月13日

 ステーキチェーン「ペッパーランチ」で病原性大腸菌O157による食中毒が相次いだ問題で、岐阜県は13日、同県大垣市の大垣食肉供給センター協同組合(森田隆志代表理事)が同チェーン用に加工、出荷した「角切りステーキ」(商品名・和牛入りサイコロステーキ)の保存サンプルからO157が検出され、10都府県の患者14人の菌とDNAパターンが一致したと発表した。
 出荷前の肉がすでに汚染されていたことになる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090913-00000651-yom-soci
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県は原材料が汚染されていた・・といっているようですが、汚染されていることは別に想像困難ではありません。このような肉は汚染されていたら問題であるとして中心温度を確かめて提供される必要があることは食品衛生ギョウカイの常識です。

一定期間の間にこのお店を利用した人の調査などが行われるとおもいますが、実際には食べていない人からも症例報告はあがるでしょう(汚染した箸やトングの共有、家庭内2次感染など)。

「買ってきたばかりだから新鮮ですよ!」という根拠のない衛生情報で生肉を提供したり食べるのも問題です。肉の解体生産ラインが汚染されたら全部汚染されると考えるほうが妥当です。

生肉を食べるのはやめましょう。子どもや高齢者、妊婦にすすめたり、生肉をつかんだトングやお箸で食べ物を提供するのはやめましょう。
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