感染症診療の原則

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腸管出血性大腸菌 アウトブレイク終了後も続く問題

2009-09-14 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
腸管出血性大腸菌のアウトブレイクの予防や迅速対応は保育園等集団生活をする施設での管理として重要です。
保育園は平時から感染拡大につながるような因子をなくすような努力が必要ですし(例:タオルの共有をやめる)、病院の医師は「同じような症状の子、が同じ保育園にいる」と気づいた(おかしいな、と思った)時点で保健所に電話をしなくてはなりません。
保育園は保健所や専門家の指導・助言を元に迅速対応をする必要があります。

このプロセスで重要なのは、その時点で適切といわれる対応ですが、それが適切なのかどうかを誰が判断しているのか?が問われます。また説明する態度、タイミングも重要で、情報操作と受け取られかねないようなコミュニケーションは避けなければなりません。

ニュースはいっとき報道しますがその後、その後のフォローはありません。
腸管出血性大腸菌の感染はこどもは重症化することが知られています。生命をとりとめたあとにも、その後の社会復帰や今後の教育をどうするかなど当事者や家族が様々な課題を抱えています。
昨年知った「我的興趣」というブログがあります。お子さんが保育園で感染したあとの闘病記を公開されている親御さんによるものです。
O157ではなくO111での事例ですが、都内の保育園の事例では複数の重症者が出ています。

保健所や区、病院の対応など細かく書かれておりたくさんのことを学ばせていただいています。

個別の事例へのコメントはできませんが、再発なきよう、医療における問題はあらためられるようにと関係者として願うばかりです。

診察室だけでなく、地域の感染症診療の向上につながるような情報提供を次世代ドクターたちに今後もしていきたいと考えています。(編集部一同)

腸管出血性大腸菌(国立感染症研究所)
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k02_g1/k02_06/k02_06.html
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