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異論、反論、オブジェクション

2011-03-22 | 非・悲・否・避「常識」
異論反論オブジェクション・・は亡き筑紫哲也氏の番組の一コーナーでした。「こういう見方もあるぞ」という切り口が好きでした(内容はさておき)。
朝日新聞と”その周辺”の騒動について、空の上でお嘆きなのではないかとおもいます。

さて、その朝日、でありますが、「メディカル朝日」の2月号に本ブログが紹介されているのですが、Web公開して欲しいというご依頼が各方面からありまして、担当者にお願いをしたところです。
「こんな状況なのでいつ公開できるかメドはたっていないので、PDFで公開してよし」ということになりました。しかし、このgooブログはPDFを掲載できませんので、別の方法を考え近日中にUpする予定です。少しお待ちください。

その取材で扱った話なのですが、これまで医療者(とかお役所とか)は、メディアが正義感でたたいて溜飲を下げるような構図の中にありました。
しかし、昨今、Twitterやblog等を使って意見を言うことができるようになり、個人とメディア、社会の立ち居地や関係性は変わってきています。

少なくとも、私たち医療者は意見を言ったり反論をすることができる。
その手間を惜しまず、声をあげていくことも大事。

今日はさっそくその一例。

■日刊ゲンダイ3月22日(19日号)「彼らは病院に殺されたのも同然ではないか」
福島双葉病院の驚愕実態 患者残して医者が逃げた!
(消される可能性もあるのでペーストしておきます)
「福島原発から近距離にある双葉病院の入院者146人が取り残され、そのうちの21人が死亡したことで、退避住民からこんな声が噴出している。
 福島県によると、自衛隊が自力で避難できない146人の救出に当たったのは、14日から15日にかけての3回。1度目の救出時、病院にとどまっていた職員は院長を含め、わずか3人。2度目の救出時には、「自衛隊を迎えに行っていた」と主張する院長を除き、職員全員が入院者を見捨て、逃げ出していたのだ。
「しかも、必ずしなければならない医療的な引き継ぎをせず、患者に付き添う医師、看護師も一人としていなかった。院長や副院長に至っては、自宅に戻っています。退避先で懸命の医療活動を続けている医師も、『助けようにも、名前や病名さえ分からず、対処のしようがない』とお手上げ状態でした」(現地の記者)

 双葉病院は単科の精神科病院。地元の医療関係者によると、その実態は劣悪そのものだという。
「さすがに暴力行為はないが、入院者約340人のうちの半数、開放病棟にいる患者のほとんどが、入院の必要のない人たちばかり。30年、40年と長期入院中の者ばかりだが、これはこの病院が経営維持のため彼らを“固定資産化”してきたからだ。しかも、閉鎖病棟だけでなく、開放病棟まで鍵によって終日管理し、入院者を外に出さない。拘禁態勢を敷くことで、人件費を浮かせていたとしか考えられない」
 特に閉鎖老人病棟の入院者は、寝かされたままなので、みんな体力的に衰弱していたという。とんでもない病院があったものだ。」

うーん。事実さておき、書きっぷりに悪意を感じます。
っていうか、現在の医療について知らないまま書いているのはよくわかりますね。

blog「とりあえず俺と踊ろう」に当事者の医師からの声がM3からの転載ということで紹介されていました。
元ソースにあたれないので、リンクと一部だけ紹介します。

「患者置き去りと不当非難された双葉病院医師からの報告」

「私は今話題になっている双葉病院の医師です。
私自身避難先の病院にいますが、やっとこの掲示板を読み書きする余裕ができました。とりあえず私が経験したり院長から直接聞いた情報を書きます。賛成も反対も要りません。皆様に事実を知っていただきたいと思います。 (続きは上記のリンク先でお読みください)」

メディアは悲惨さ、涙、感動モノ、とだんだんと加工ネタになっており、画面にBGMなども加わるようになり、次なる獲物として怒り喚起の対象をせっせと探している(つくっている?)ように見えます。
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