感染症診療の原則

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Paradoxical vs. Unmasking 2種類のIRIS

2014-11-29 | 青木語録
編集長、冬のBoot camp(≒沖縄県立中部病院 感染症週間)に向けて鋭意準備中

今回は結核について学び直しております。およそ3-4年に一度Overviewを致しますが、今回は主に2014年のICAACと2013に改訂されたCDCの結核のCore Curriculum(第6版)を中心に学んでいます。

2014年のICAAC Onlineでは、二つほど大きなModuleがありますが、その中にHAART開始による免疫再構築IRISがらみの話題がありました。(ちなみにHAARTによる結核のIRISを最初に記載されたのはマイアミ大学におられた日本人、Masahiro Narita先生・・とご紹介がありました)

Am J Respir Crit Care Med 1998;158:157-61
Paradoxical Worsening of Tuberculosis Following Antiretroviral Therapy in Patients with AIDS

更にICAAC Onlineでは、このIRISが既に診断がつき治療が始まっていた結核の悪化(これをParadoxicalと呼んでる)とし、今まで診断されて居なかった結核の顕在化(これをUnmaskingと呼んでる)を分けているのです。

Paradoxical vs. Unmasking of TB-IRIS
Meintjes G et al Lancet Infect Dis. 2008;8(8):516-523

まあ、編集長的には免疫の改善により表現が強くなった結核という意味では診断の有無は、それほど大事にも見えないですが・・。

いずてにしても沖縄用の結核のFile、大きくなる一方です。

沖縄県立中部病院の研修医の諸君、Be preparedですぞ・・
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