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臓器移植でHIV感染(台湾)

2011-08-29 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
★一部文字化け中。すみません。

先に紹介したCDCが調査後の報告とはことなり、速報に近いかたちでメディアに流れている事例。
(3日以内に調査をして詳細を報告、とあります)

台湾における臓器移植でのHIV感染の問題です。

検査は行われており、Windowピリオドでもなく、通常プロトコールの中でおきたエラーのようです。

現在メディアにある情報;

8月23日に近所の屋根から転落して脳死となった男性(38歳、あるニュースでは23歳)の家族が臓器提供に同意をし、心臓・肝臓・腎臓(両側)・肺を摘出することになりました。

感染症の検査を行い、移植チームに臓器が渡りました。
(HIV,梅毒、C型肝炎等)

英語ですと positive / negative あるいは (+) (-)といった表記にになるのかもしれませんが、このときの結果が“阳性”(reactive),“阴性”(non-reactive)だったそうで、この時点で誤認が生じています。



(確かに紛らわしい漢字・・・)

この時点で台湾大学病院のチームは(ルチンの)電子文書で確認をしておらず、また移植のための資料も「陰性」となっていたため、8月24日・25日に5つの臓器の移植手術が行われました。

26日に臓器を摘出した台湾大学病院の移植チームが、検査結果が「陽性」であったことに気付き、検査を繰り返したところ「陽性」と確認され、移植手術が行われた成功大学病院にも連絡が入りました。

レシピエントには抗HIV薬が投与されており、移植スタッフも曝露後対応として投与が予定されているとのことです。

ドナーの母親が、「もし感染がわかっていたら臓器提供はしませんでした・・・」とのコメント。
Mother of HIV-infected organ donor feels guilty, contrite

台湾におけるHIVのプレバレンスはそれほど高くないわけですが、米国CDCがドナーに対してするよう推奨しているようなリスク因子アセスメントなどがはいっているのかどうかが調査でわかるかもしれません。
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1 コメント

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陰と陽 (ひかる)
2011-08-31 20:35:00
台湾では、簡体字の“阳”と“阴”は、使わず、繁体字の“陽”と“陰”を使うのでは?
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