感染症診療の原則

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危機管理におけるバッテンキーワード

2009-11-09 | 非・悲・否・避「常識」
想定していたH5N1ではなく、まったく別のウイルスになったらとたんに機能しなくなるような準備しかしてこなかったこと、ワクチンの専門機関の不備を放置してきたことなどを含めて、「今後」につながる学びはたくさんあります。

実際「今回は予行練習ができてよかったとおもうようにしている」と語る感染症関係者は各地に多数います。

もともとの国や自治体の準備力・体力、もともとのインフルワクチンの効果の限界、数が不足、地域へ配布するロジがない(大雑把)、上のほうのいうことがコロコロ変わるなど危機管理状況下にあることはかわりないのですが、

軽症が多く、状況が長期化するにつれて個々の当事者意識がうすらぎ、誰かのせいにするようなものいいが増えているとネット情報のサーベイをかけた情報機関の友人が指摘しています。

(ストレスもかかっているし、そもそもインフルに「これだ!」と決め手になる対策がないのだということを知らない人も多い)

十分な情報がないなかで方針を決める、新しい情報が出てきたらいそぎ修正をはかる、ということは危機管理下での対応。

なので、そのときどきの対応は後からみたら「最適ではなかった」ということは当然ありますし、それを「失敗」「ミス」「間違い」と批判しないことがリーダーを支える基本です。躊躇や保身が判断を誤らせる可能性につながるからです。

なのでその怒りやがっかりフィーリングをベースにしたとしても、行動としては代替案を提案したり、批判や愚痴ではなく広く意見を聴ける窓口をもつなどの工夫につなげることが大切。
ブレーンを必要なだけ囲える予算をリーダーに与えることも基本です。

行政は反論システムをもたないので、袋叩きになりがちですが。もともと信頼関係で仕事をしている組織では批判や脅迫をせず「同じ方向を向いて考える」がより重要なコンセプトではないかとおもいます。


・・という前提をおいたうえで重要なことは、誰が何を根拠に判断しているのか?です。
その意味で最近は検討プロセス情報も出てくるようになりよかったな、とおもいますが・・・ソース不明、とばし情報ふくめ、さらにネット情報は読み取られ方も多様なのでなかなか難しいですね。難しさ前提で考えていきましょう~。
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