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共有資料4 14ヶ国語ポスターと“さらに20例”のリスコミ

2009-04-28 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
ニューヨーク州のDepartment of Public Healthのホームページに12ヶ国語の「Cover Your Mouth」パンフレットと病院掲示用ポスターがありました。
せっかくなので活用させていただきましょう。
http://www.nyc.gov/html/doh/html/cd/cd-cough.shtml
عربي (Arabic)、বাংলা (Bengali)、中文 (Chinese)、Kreyòl (Creole)、English、Français (French)、עברית (Hebrew)、हिन्दी (Hindi)、정의 (Korean)、Русский (Russian)、Español (Spanish)、اُردو (Urdu)、Tiẽng Viêt (Vietnamese)、
יידיש (Yiddish)

12ヶ国語には意外な言語も・・・(日本語をつくってPDFで送ったら載せてくれるかな・・・)。

先日の続きですが、20例さらにswine influenza virusが確認されたのをうけてのアナウンスを紹介します。本日分です。
表現の仕方、ならべる順番、繰り返し法などリスクコミュニケーションの勉強になります。

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Investigation of New York City Swine Flu Cluster Continues; Symptoms Remain Mild
http://www.nyc.gov/html/doh/html/pr2009/pr017-09.shtml

「今のところほかの地域では複数の症例は見られていません」(2009年4月27日)

保健当局が強化モニタリングを初めて4日目になりますが、ニューヨーク市内では重症な呼吸器感染症の増加はどこからも報告されていません。

インフルエンザ症状のために100名の生徒が欠席となったSt.Francis Preparatory Schoolの複数事例の調査は先週から引き続きおこなわれています。

医療機関を通じた毎日のモニタリングでも銃症例の増加はみられていません。

調査の課程において、この学校の生徒から得られた検体をCDCに送っていましたが、このうちさらに20名の検体においてswine influenzaが確認されました。

すべての有症状者の症状はマイルドで、入院患者はひとりもいません。
ほぼ全員が回復しつつあります。

現時点でニューヨーク市が把握しているswine influenzaの症例数は28です。

保健当局の調査によってさらに17例の可能性例が把握されたために、この症例の鼻腔スワブの検体もCDCに確認のため送りました。

同様のウイルスでメキシコでは死亡例が出ていますが、ニューヨーク市ではswine influenzaで重症となった症例はいません。
すべての米国の患者はすでに回復したか、回復しているところです。

保健当局はニューヨーク市におけるアウトブレイクの傾向がないかを厳密に監視しています。
保健当局の担当者はニューヨーク市のすべての病院と定期的に話をしており、当局の症候群サベイランスシステムは複数の指標をモニタリングしています。

インフルエンザのような症状のある入院患者・救急部門利用者を対象としてモニタリングをしています。
報告数は週末にかけて若干増加がありましたが、何か特定の原因があるかは不明です。

保健当局はニューヨーク市の医師に対してまめに健康関連のアラートをお知らせしています。またホームページを通じて情報を発信しています。
nyc.gov/health

ニューヨーク市で抗ウイルス剤が不足した場合には国が保管している抗ウイルス薬を提供することについて週末に連邦政府と確認をしました。

Swine influenzaはA型インフルエンザによって呼吸器感染がおこる感染症です。
ヒトでの感染はまれですがなる場合もあります。
通常はブタと直接接触のあるヒトがなりますが、ヒトからヒトへの感染もおこり、現在カリフォルニア、テキサス、メキシコ、ニューヨーク市で報告されています。

繰り返しになりますが、メキシコでの死亡率は高くなっていますが、米国で確認された患者の症状はマイルドですべての患者は治療薬なしで回復しています。

症状は通常の季節性インフルエンザと似ており、発熱・咳・咽頭痛・全身痛・頭痛・悪寒・倦怠感などの症状があります。下痢や嘔吐がみられることもあります。

呼吸困難のような重い症状のあるニューヨーカーの皆さんは受診をして治療を受けましょう。そこまでひどくなければ自宅でケアを受けることを推奨します。

保健当局は医療機関を受診した重い症状のある患者、あるいはすでに感染がわかっている症例とのリンクのあるヒトの検査を継続しますが、現時点ではすべてのインフルエンザの患者に対して検査をするようには推奨をしていません。

抗ウイルス薬は症状が出て48時間以内の初期の患者には効果があるといわれています。重い症状のある人や、もともと基礎疾患のあり合併症につながるリスクのある人(幼児、高齢者、慢性疾患で治療を受けている人)にとっては重要です。

豚肉や豚肉製品を食べることではswine influenzaは広がりません。

危険を減らすもっとも有効な方法は発熱・咳・咽頭痛症状のある人が自宅にいることです。

すべてのニューヨーカーのみなさん、咳をするときは口を覆いましょう。

そのほかにできること:

手を石鹸と水でマメに洗いましょう。特に咳や鼻水が出たあとは重要です。
アルコール性の手指衛生剤も有効です。
病気の人との接触を避けましょう。
このほかの情報は下記の専用情報源を確認しましょう。
From New York City Health Department
Facts about swine flu
http://www.nyc.gov/html/doh/downloads/pdf/cd/swine_flu_faq.pdf
From Centers for Disease Control and Prevention
General information about swine flu
http://www.cdc.gov/swineflu/general_info.htm
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