子どもたちに「自分でよく考えて決めなさい」といっているひとたちは、それを自分たちでやってみせないといけません・・・のニュース。
もともとの(この際「古い」「過去の」とでもいうべきか!)H5N1を想定したパンデミック計画ですと、県内に1人新型インフルの確定例が報告されたら、一斉に休校やイベント自粛要請をすることになっていました。
しかし、その後世界の科学者等が得ている知見をもとに先進国では弱毒性病原体への対応に切り替えています。
日本は元のマニュアルにひきづられいろいろな問題が生じています。
インフルエンザはもともと学校で集団感染になりやすいですが、たとえば100~200名規模となったときに、症状が軽いひとまで感染症指定病院のベッドに入れろとなったらあっという間にベッドは満杯、隣の自治体に協力依頼・・・・なんてことになります。
絶対の必要もないのに移動をさせるほうがよくないことは感染症対策上あたりまえですが。
実は、現在の改訂感染症法では無症候性の病原体保有者も隔離が可能になっています。もともとの厚労省案にはなかったものですが、国会で議員らが追加したものだそうです。 これは人権とのバランスの中で『議論』になります。
個人の生活への介入や行動制限としての隔離の妥当性を説明できないといけません。
もともとインフルエンザや麻しん等の感染症が流行したときに、学級閉鎖や学校閉鎖をするかどうか検討し判断するのは校長や設置者(県立高校なら県知事、市立高校なら市長)。
文部科学省は修学旅行自粛が増加していることについて過剰対応をしないようにアナウンスをだしたばかりですが、神戸市の症例での広範囲な対応をふまえてか下記のような対応も急ぎおこなわれました。
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新型インフル国内発生 文科・国交省、対応に追われる
文科省は学校の臨時休校の範囲について、感染状況に応じて弾力的に判断するよう各地の教育委員会に通知を出した。
国の新型インフルエンザ対策の指針では国内で感染が確認された場合は都道府県単位で一律休校とするのが原則。しかし、今回のウイルスは弱毒性とされていることなどから、基本的に市町村区やその一部に休校範囲をとどめるよう求めた。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090517AT1G1602J16052009.html
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古いマニュアルにしがみつく思考停止になると、不要な行動制限がかかるようになります。人権感覚も大切。
「自分でよく考えて判断」
という、責任をとりたくない人たちがもっとも恐れる状況です。判断できるかどうかは何が重要な指標で、何と何を考慮してバランスをとるべきかという知識に裏付けされた自信のある人たちと一緒に考える必要がありますね。
もともと別に学校内で誰かがインフルエンザ様症状になっても学校の設置者や学校の経営者の責任でもなんでもありません。
インフルエンザは流行するときは何をしてもするのです。(ワクチンだって100%予防効果ではない)
今回のメディア報道や行政対応をみると、まるでインフルエンザになっちゃいけない、なったら悪者みたいですね。
1)体調の悪い人は自宅安静ができるように(公欠扱いにすると説明)
2)体調不良者・欠席モニタリングをし、必要時休校や学級閉鎖を考える
自宅待機期間中は「休暇」ではないので旅行やアルバイトも自粛と教える必要があります(塾や習い事も理屈上本当はダメなんですが)。
3)職員や生徒へのワクチン啓発などふだんからできることをやっておく
4)トイレなどの手洗い場を手洗いしやすい環境にする(ペーパータオルの設置、温水設備など)
などごくあたりまえのシンプルな対策しか感染症対策にはありません。
学校保健法は国や自治体が設置する幼稚園・小学校・中学校・高校を対象としていますが、神戸市の文書にあるように私学や大学はコントロール対象外です。
つまり私学や大学には休校を「お願い」(要請)することはできても、それを決めるかどうかは学校や大学にまかされています(よかったですね)。
適当に閉鎖をはじめてしまうと、実は再開が難しくなります。
自分の学校に感染した人や体調不良がいない、あるいは一人だけというようなときに閉鎖をしてしまうと、その後は検査をしたらしただけ報告が増えるので、いつ再開できるかの見通しがたたなくなります。
(抗菌薬は始めるのは簡単だがどうやって中止すればいいのか?に似ています)
結果何がおきるかというと、夏休み・冬休み・春休みがなくなる、あるいは土日返上で補講や実習をするという教員/生徒お互いの苦行がまっています。
親からは高い学費を払っているのに感染者も出ていないのに休校とはどういうことだ!とか、会社を休まないといけない分の就業補償はどうなるのだ?という不満
が出るでしょう。休校対応をするときは、そういった苦情窓口電話の確保なども必要かと思います。
<関連の法律>
【臨時休業】学校教育法施行規則第48条
非常変災その他急迫の事情があるときは、校長は、臨時に授業を行わないことができる。この場合において、公立小学校についてはこの旨を教育委員会に報告しなければならない。(中学校・高等学校・幼稚園でも同じ)
【出席停止】学校保健法第12条
校長は、伝染病にかかっており、かかっておる疑があり、又はかかるおそれのある児童、生徒、学生又は幼児があるときは、政令で定めるところにより、出席を停止させることができる。
【臨時休業】学校保健法第13条
学校の設置者は、伝染病予防上必要があるときは、臨時に、学校の全部又は一部の休業を行うことができる。
※学校で対応すべき感染症の種類は「学校保健法施行規則第19条」に記載があります。
もともとの(この際「古い」「過去の」とでもいうべきか!)H5N1を想定したパンデミック計画ですと、県内に1人新型インフルの確定例が報告されたら、一斉に休校やイベント自粛要請をすることになっていました。
しかし、その後世界の科学者等が得ている知見をもとに先進国では弱毒性病原体への対応に切り替えています。
日本は元のマニュアルにひきづられいろいろな問題が生じています。
インフルエンザはもともと学校で集団感染になりやすいですが、たとえば100~200名規模となったときに、症状が軽いひとまで感染症指定病院のベッドに入れろとなったらあっという間にベッドは満杯、隣の自治体に協力依頼・・・・なんてことになります。
絶対の必要もないのに移動をさせるほうがよくないことは感染症対策上あたりまえですが。
実は、現在の改訂感染症法では無症候性の病原体保有者も隔離が可能になっています。もともとの厚労省案にはなかったものですが、国会で議員らが追加したものだそうです。 これは人権とのバランスの中で『議論』になります。
個人の生活への介入や行動制限としての隔離の妥当性を説明できないといけません。
もともとインフルエンザや麻しん等の感染症が流行したときに、学級閉鎖や学校閉鎖をするかどうか検討し判断するのは校長や設置者(県立高校なら県知事、市立高校なら市長)。
文部科学省は修学旅行自粛が増加していることについて過剰対応をしないようにアナウンスをだしたばかりですが、神戸市の症例での広範囲な対応をふまえてか下記のような対応も急ぎおこなわれました。
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新型インフル国内発生 文科・国交省、対応に追われる
文科省は学校の臨時休校の範囲について、感染状況に応じて弾力的に判断するよう各地の教育委員会に通知を出した。
国の新型インフルエンザ対策の指針では国内で感染が確認された場合は都道府県単位で一律休校とするのが原則。しかし、今回のウイルスは弱毒性とされていることなどから、基本的に市町村区やその一部に休校範囲をとどめるよう求めた。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090517AT1G1602J16052009.html
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古いマニュアルにしがみつく思考停止になると、不要な行動制限がかかるようになります。人権感覚も大切。
「自分でよく考えて判断」
という、責任をとりたくない人たちがもっとも恐れる状況です。判断できるかどうかは何が重要な指標で、何と何を考慮してバランスをとるべきかという知識に裏付けされた自信のある人たちと一緒に考える必要がありますね。
もともと別に学校内で誰かがインフルエンザ様症状になっても学校の設置者や学校の経営者の責任でもなんでもありません。
インフルエンザは流行するときは何をしてもするのです。(ワクチンだって100%予防効果ではない)
今回のメディア報道や行政対応をみると、まるでインフルエンザになっちゃいけない、なったら悪者みたいですね。
1)体調の悪い人は自宅安静ができるように(公欠扱いにすると説明)
2)体調不良者・欠席モニタリングをし、必要時休校や学級閉鎖を考える
自宅待機期間中は「休暇」ではないので旅行やアルバイトも自粛と教える必要があります(塾や習い事も理屈上本当はダメなんですが)。
3)職員や生徒へのワクチン啓発などふだんからできることをやっておく
4)トイレなどの手洗い場を手洗いしやすい環境にする(ペーパータオルの設置、温水設備など)
などごくあたりまえのシンプルな対策しか感染症対策にはありません。
学校保健法は国や自治体が設置する幼稚園・小学校・中学校・高校を対象としていますが、神戸市の文書にあるように私学や大学はコントロール対象外です。
つまり私学や大学には休校を「お願い」(要請)することはできても、それを決めるかどうかは学校や大学にまかされています(よかったですね)。
適当に閉鎖をはじめてしまうと、実は再開が難しくなります。
自分の学校に感染した人や体調不良がいない、あるいは一人だけというようなときに閉鎖をしてしまうと、その後は検査をしたらしただけ報告が増えるので、いつ再開できるかの見通しがたたなくなります。
(抗菌薬は始めるのは簡単だがどうやって中止すればいいのか?に似ています)
結果何がおきるかというと、夏休み・冬休み・春休みがなくなる、あるいは土日返上で補講や実習をするという教員/生徒お互いの苦行がまっています。
親からは高い学費を払っているのに感染者も出ていないのに休校とはどういうことだ!とか、会社を休まないといけない分の就業補償はどうなるのだ?という不満
が出るでしょう。休校対応をするときは、そういった苦情窓口電話の確保なども必要かと思います。
<関連の法律>
【臨時休業】学校教育法施行規則第48条
非常変災その他急迫の事情があるときは、校長は、臨時に授業を行わないことができる。この場合において、公立小学校についてはこの旨を教育委員会に報告しなければならない。(中学校・高等学校・幼稚園でも同じ)
【出席停止】学校保健法第12条
校長は、伝染病にかかっており、かかっておる疑があり、又はかかるおそれのある児童、生徒、学生又は幼児があるときは、政令で定めるところにより、出席を停止させることができる。
【臨時休業】学校保健法第13条
学校の設置者は、伝染病予防上必要があるときは、臨時に、学校の全部又は一部の休業を行うことができる。
※学校で対応すべき感染症の種類は「学校保健法施行規則第19条」に記載があります。