Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

トラットリア シチリアーナ ドンチッチョ

2011-06-21 | 里海探偵団
知人の紹介で,希望王国岩手文化大使石川さんが経営する渋谷トラットリア シシリアーナ ドンチッチョを訪れた。有名人のリピーターが多いお店である。予算は一人あたり8000円と高めであるが,それでも料理やお店の雰囲気がよくもう一度行きたいという気持ちにさせる。

今度の7月には岩手の食材のみを使ったレストランを開店するという。「岩手の農家や漁師さんのためにも,よい料理を提供したい」と語っていた。直接取引も考えているという。被災地の漁業者を支援するレストランとしてもぜひ期待したい。

河川土堤が津波を防ぐ

2011-06-19 | 里海探偵団
宮古に住む実弟より次のような話を聞いた。山口川という閉伊川の支流がある。山口川は旧山口川と河川氾濫防止するための放水路がある。今はこの放水路が山口川と呼ばれているが,この山口川には大きな土堤がある。高さが高いところで5m以上ある。この山口川は津波の際,あとわずか15cmで市内に水が入り込むところであったという。また,アイオン台風の被害によって,閉伊川は河川改修され河川敷が拡張され大きな土堤が作られた。その結果,閉伊川は決壊せず土堤下の南町は被害がなかった。今回危険であった場所は,土堤がなく河川敷に余裕が無い場所である。

津波が来ても水を逃がす区域があることである程度被害を食い止めることが可能である。自然に対抗するのではなく,自然の力をうまく利用すること。コンクリート防波堤を作ればそれでいいということではない。水の流れる自然の性質を知りながら都市計画を作ることだろう。

このことを他の地域に当てはめると,確かに田老,山田,大槌は大きな河川と河川敷がない。また,山田,大槌は土堤が貧弱であり,空洞の防潮堤がごろごろしている。大槌小学校の子供らによると小鎚川の土堤をホットプレートで作るたこ焼きのようにあふれてきた。と語っていた。石巻の大川小学校も北上川の河川敷の決壊による被害という。

1 河川敷を利用した水の逃げ場を作る。
2 防潮堤は,土堤でつくる。

昔ながらの知恵を生かした津波との共存である。

東日本大震災プロジェクト研究

2011-06-18 | 里海探偵団
県漁連会長を訪問。被災状況の説明を受けながら,復興対策についての話に及ぶと,これからの漁業権,漁協の在り方についての話題になった。
漁業は古くからの伝統を守るためそして,自然を守るためになくてはならないものである。森,川,海のつながりによって育まれた水産資源をいかにして持続的に利用するか,とてもよく運用されている。世界に誇れるものである。また,漁協が核となることによって公正な資源の活用ができるのである。さらに,漁獲,買受け,流通,加工が一体となってはじめて水産業である。漁業者だけが補助を受けても買受け,流通,加工が十分でないと機能しない。こうしたことを国も理解してほしい。

その後,カキ養殖をいち早く再開した漁業者にインタビューした。北海道から取り寄せた埋込式アンカーが170のうちほとんどが生き残っていることが分かり,早期再開を決めた。種ガキも調達できた。ちょうど訪れたときは種ガキのはさみ込みと沖合での設置作業をしているところであった。カキは買い取ってもらうが,むき身10kgで3500円である。むき身10kgを作るためには100kgの殻付きカキを水揚げしないといけない。しかも,水切りが悪いとして11.5kgを拠出する必要がある。「15%の上乗せをとるというのはあまりにもひどい。10個で1個分が儲けになる。ぜひ,個人販売に取り組んでほしい。コツコツやることも大切であるが,かき小屋をぜひやるべきである。わずかな努力で大きな価値をつけることができる。」とアドバイスをした。

感想 国は公正公平を考えて,予算を決定する,したがって水産業全てを補償の対象とすると他の産業に対しても同様となり,予算規模が膨らむ。漁協も公正な資源管理を重要視して,漁民から生産物を買い受ける。したがって,公共性の高いと判断されたものが一番の価値基準であり,漁業者のニーズ,地域のニーズ,は後回しになってしまう。

復興,振興のためには新しい価値基準が必要であり,その基準とは住民ベースであり,地域ベースであり,そしてそれらがベースとなることで価値を生み出すためのプロジェクトデザインが必要になってくるであろう。そのためには,今の制度ではあまりにも個人に負担がかかりすぎている。もっと,個人の負担を軽減し,新しい価値を生み出すための支援をいかにするかが求められている。

漁業の企業化は自発的に

2011-06-17 | 里海探偵団
県庁を訪問。
岩手県のこれからの漁業について,水産部ではどのように考えているのであろうか?漁業の企業化については,民間企業が算入ではなく,漁業者が自発的につくる協業化など規模拡大による会社化である。漁業権は譲渡するようなものではなく,あくまでもと漁協を中心とした管理のもとに漁業者個人が雇入れなどをして規模を拡大するようなものが妥当であろう,とのことであった。

岩手大学を訪問。
岩手大学によると文部科学省は大学が中心となった地域センター(研究だけでない)の設置を望んでいるという。これは,かねてから主張していたエクステンションセ
ンターにつながるものである。

これまでは行われてこなかった,新しいネットワークが構築されていくことを期待したい。