Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

全米海洋教育者学会会長の重要な発表

2010-07-21 | NMEA全米海洋教育者学会年会
開会式で学会の会長があいさつを述べた。
「全米海洋審議会でも,私たち全米海洋教育者学会でも今まで再三にわたり申し入れてきたことだが,2005年にオーシャンリテラシーが作成されたことでついに,全米科学基準(日本における学習指導要領にあたる)のフレームワーク(概要)に海洋科学が盛り込まれることになった。」

 2002年から海洋リテラシーの作成するための会合を幾度も重ね2005年に完成したオーシャンリテラシーが,2010年に全米科学基準に盛り込まれることになったのである。
 もちろん,これは数年の努力ではない。1970年代から始まった全米海洋教育者学会の活動の積み重ねによりできたものである。
 詳しい内容は,今週発表されたばかりの全米科学基準のフレームワークをもとに検討され,全米海洋教育者学会としてひとつの意見を出すことになっている。水曜日の午前中に,オーシャンリテラシーの委員会が開催され意見が集約されることになっている。もちろん,本大会に参加していない会員もいるのでインターネットを駆使した会議が何度も開催されることになるである。

 内容が決定するのはまだ先のことであるが,海洋科学が正式に盛り込まれることになったことは,大変喜ばしいことである。ここで大切なのは,組織の力である。いくら法律が改正されてもそれを支える人材の交流(学会など),人材育成の仕組み(海洋科学を教えるしくみ),教育の仕組み(様々な地域の教育活動をとそれをつなぐ全国のネットワーク)を整えないとうまくいかないのである。

 果たして日本はどうであろうか?現在の状態で新しく海洋が盛り込まれたとしても,おそらく,総合的な学習の時間の二の舞になりかねないであろう。アメリカでは,実現のために40年の長い道のりがある。我が国もしっかりとした仕組みを整えていく必要があるであろう。