水(汚染水)の遮水、管理もできない福島原発

2013-08-08 15:10:37 | 日記

 水(汚染水)の遮水、管理もできない福島原発

 背後には阿武隈山系、前には太平洋。「うなぎの寝床」のような土地が双葉郡です。そこに東京電力会社の原発が10基あります。うち3基は破壊され、「むき出しの姿」の状態にあります。

今、そこで「水を堰き止める」闘いが展開されています。

汚染された地下水が毎日300トン海に流れていると言われています。その水をくみ上げタンクに移し保管するとしていますが、そのタンクも無限ではありません。上空から写されたタンクの数たるや異常なものです。

今、考えられる工法に基づき、遮水をはかっていると報告されていますが、実態は「後手後手に回っている」と報じられています。しかし、後手というよりは、「対策の方法」がわからないと言うのが本当のところではないでしょうか。

水は、「高きから低き」に流れます。これは、自然の摂理です。8月8日の毎日新聞「余禄」にも書かれていますが、古代中国の兵法家の喩えを用い、「水は柔軟だが、行く手を阻む丘をも崩し去ってしまう」。「僅かな隙間があればたちまち浸透していく」「水の流れを封じ込めることはできない」と。

事の重大さを受け止めた国は、財源も含め対策に乗り出すと報じています。福島県も早くから国の対策を求めてきました。どんなことを用いても堰き止めて欲しい。しかし、計画する工法をもってもうまくいくか、どうかは未知数と言うのです。

「えらいもの、どうしようもないもの」をつくってしまいました。人間がつくった以上はコントロールできなければなりません。「燃やしたら、消せなければなりません」。「壊したら、復元できなければなりません」。それが責任と言うものです。

しかし、福島原発は消せません。修復できません。その方法が「未知の世界」だと言うのです。

今、盛んに「廃炉対策委員会」などの組織づくりが報告されています。あたかも「廃炉」は確実に行えるかの印象を与えています。

フィンランドの核の最終処分所「オンカロ」(フィンランド語では「隠された場所」の意味です)の記録映画を見ました。「10万年後の安全」というのが題名です。

地下奥深くに保管した放射能物質を10万年管理すると言います。しかし地球の地形はどうなっていくのでしょうか。その「隠された場所」は形を残しているのでしょうか。その保管記録は存在できているのでしょうか。その文字は10万年後にも通じるものなのになっているのでしょうか。記録映画はそのことを訴えていました。

2万年前は日本は、今の宗谷海峡、津軽海峡は狭く、海底も浅かったと言われています。地震国日本の地形は、火山、津波の襲来で一変しないでしょうか。

悲観的表現を書き綴ってしまいました。要は「廃炉の手だて」さえも未知の世界との闘いです。

「再稼動だ。原発輸出だ」などと叫んでいる時なのでしょうか。

「たかが水の遮水も管理」もできないでいる事実を、毎日のニュースで見聞きする福島県民の気持ちは、「どうにかして欲しい」。このことに尽きることを報告いたします。