『恐れ入谷の鬼子母神』
8月15日。「終戦記念日」。
この日を知らない若い人たちが沢山いて。
憲法九条の変更に対し、「やられたら、やって返すのはあたりまえでしょう」と、まだ、幼さの残った可愛らしい顔で応える母親がいて。
太平洋戦争という時代を生きて来た万感の思いを、「戦争だけはしていけないよ」、との言葉に託して諭す年老いた者がいて。
「あぁ、68年過ぎたのだ」と、自分を見つめてしまう、8月15日。
それぞれの思惑で、靖国神社に参拝したり、しなかったりする閣僚・議員たちがいて。
人それぞれ、議員様もそれぞれ、とは思っても、うすら寒い思いに、心が縮こまって。
どこも、かしこも猛暑なのに。
私の選挙区から衆議院議員に選出された復興大臣は、靖国参拝がマスコミ等で取り沙汰される前、早々に参拝を済ませてしまったとのことでした。
「頭のいい」やり方だと、私は舌を巻きました。
『恐れ入谷の鬼子母神』です。
でも、この頭の良さには首をかしげてしまいます。
議員は、ただの人ではありません。選挙民から選ばれた公人ではありませんか。
争点化されることを避けて、その前に参拝してしまうというやり方はフェアとは言えない気がします。
有権者は、立候補者の〈政治姿勢・品性〉などを勘案して、候補者に一票を投じるのです。
そして、現在の議員の政治姿勢をよく見極めて、次の選挙に反映させるのです。
私は、〈……憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口まなんだらどうかね〉
と、いった麻生副総理の発言を思い出してしまいました。
早いうちに、誰からも、マスコミからも、とやかく言われる前に、気づかれないように、参拝を済ませたのでしょうか。
利口なやり方ですが、一選挙民としては、いただけないやり口にしか思えないのです。
〈実(げ)に腹ふくるる心地の〉ばーば〉