ようやく出てきた政権与党内からの「トイレなきマンション」

2013-08-18 13:37:25 | 日記

    ようやく出てきた政権与党からの「トイレなきマンション」

 8月16日発信の各紙は、資源エネルギー戦略調査会の福島原発事故究明に関する小委員会が「使用済み核燃料の最終処分法が確立するまでは、原発の新設を見送ることや、原発の選別を求める提言書」を提出すると報じた。

また、提言の冒頭で「原発建屋内の調査は高い放射線量に阻まれ進んでいない。原因調査の解明を政府に要求」。「事故原因が津波とされているが、専門家を参加させ地震による影響も調査すべきだ」。「経済的にも見合わない原発の稼動はやめるべき」と一歩踏み込み、そのひとつに汚染水対策なども上げている。

加えて、委員の一人が「トイレなきマンションのままになっている状態での原発の新規建設は、国民への説明責任が果たせない」と指摘したことも報じている。

極めて当たりまえの提案であり、月内に安倍首相に提出することになっているが、多分首相はこれを黙殺するであろう。

さて、一委員が発言したと言われている「トイレなきマンション」については、筆者も6月5日「今もってトイレが無いと言わない訳は」。7月11日「トイレのないマンションは無い」と2回にわたりブログに投稿をしてきた。その意味では、ここにきてようやく政権党内から発信された真っ当な動きに党派を超えて応援したい。

そして、今あらためて提起をしたい。それはマスコミを通して、廃炉に関する計画、設計。また有識者会議と称する対策委員会の設立などが盛んに報じられている。それがあたかも「廃炉の道筋」が、今すぐ可能であるかような印象を与えている。

本当にそうなのだろうか。

廃炉を国策、あるいは企業の責任として決めているドイツ、フランス、アメリカ、もちろんチェルノブイリもしかり、そこからは、完成される廃炉への道筋は全く見えてこない。

ここに一つの報告がある。それは、原電の東海原発廃炉の実態を報じる次の記事である。「東京新聞『こちら特捜部』3.11」

廃炉作業は今から12年前の2001年に始まった。当初の計画では17年に完了となっていた。現場の平均放射線量は0.01ミリシーベルト。現場への立ち入り作業者は143人。原子炉の解体、撤去は遠隔操作ロボットなどを使い作業が続く。しかし、現場は火災、汚染水漏れなどのトラブルが続出している。さらに排出される放射性廃棄物約24000トンの行方が未だに決まっていない。そこに投入された廃炉費用は885億円、しかも先が見えない。原電は「処分場が確保できなかったら原子炉は解体せず、長期間、管理し続ける」としている。

放射性廃棄物の処分に詳しい法政大の藤田貢崇教授は述べている。「このままでは各地の原発が完全に解体されないまま、放置される。そうした問題を直視せず、再稼動や新設するのは余りにも無責任だ」だと。

福島も「完全に解体されず、解体されてもその廃棄物はその場に放置される危険性はないか。またその費用は膨大であり、企業の責任を超えるものになるであろう」。第二の東海、しかも数倍もの「巨大な廃炉原発の放棄」と危惧するのは私の独断であろうか。

それでも、安倍政権は「原発を動かさないことは日本の経済を危うくする。無責任だ」と延べ、今回、岸田外相は東欧へ原発輸出外交のために出発させる。まさに「説明責任を果たしていない政治」が今の日本にある。

 

ここにきて、ようやくにして出てきた政権党内の「トイレなきマンション」の発言。議員の名は知らないが、もう一歩突っ込み、内部から「再稼動反対、原発輸出反対」に向けて足を踏み出して欲しい。

同時に「私たち国民」も声を上げることを決意したい。