何かがおかしい、それで良いのだろうか

2013-08-21 14:14:56 | 日記

   何かがおかしい、それで良いのだろうか

  何かがおかしい

「昨年日本を覆っていたあの暗く、重い空気は、一変したではありませんか」。これは7月参議院選における遊説先での安倍首相の言葉である。一変したのは、円安による輸出産業の好況と一部富裕層に止まっていることは誰もが承知していることであった。それどころか、円安は燃料費の値上げにはじまり、食料品、電気料金、そして住宅ローン金利の値上げなどの直撃を国民は受けている。さらには、消費税増が確実であるかの雰囲気をかもし出し、増税前の駆け込み需要(事前契約)を意図的につくり出している。そして、国民はおかしいと知りつつもすでに走り始まっている。

  何かがおかしい

消費税増額をめぐる論争が日増しに高くなっている。しかし、これらはマスコミやそこに登場する学者、有識者による論争であり、そこには野党をはじめとする政党の姿が薄い。また労働組合や消費者団体などの抗議の姿も見えない。本来は「政治の場で論議」されなければならないことであろう。ある新聞に「コラージュ」と断りつつも、株価上昇の数字が並ぶ電光掲示板を背に安倍首相のにこやかな顔が載っている。日銀黒田総裁の「消費増税は予定通り実施すべき」とするインタビューが報じられている。加えて黒田総裁は「躊躇することなく追加緩和」を実施すると強弁している。黒田総裁は、いつ「国会と入れ替わったのか」。.
さらには、国民の大多数が求めている「医療・年金などの社会保障の整備」(8月10日の世論調査『内閣府』65.9パーセント)については、現行制度の赤字補填を目的とした国民負担増と給付の削減を国民会議が提唱した。自民党は「待っていましたとばかり」それを秋の臨時国会の審議案件として提案するだろう。すべてが「有識者会議オンリー」の政治に変わりつつある。

その一方で国土強靭化策と称し、10年間で200兆円の公共事業予算をもくろんでいる。

  何かがおかしい

また、参議院選挙期間中における(安倍語録)のかなりの部分に「雇用の改善・賃金引き上げ論」が占められていた。そして、それがアベノミクスのもう一つの柱であるとして宣伝されてきた。

なるほど、「数字では転職希望者は過去最多。求人倍率は増えている」。しかし、厚生労働省による5月の調査では「正社員の求人は増えていない。増えたのは非正規、アルバイト」であるとなっている。

労働組合は、労働者の雇用を守り、労働条件の引き上げを図るために結成されたものではなかったか。しかし、首相がそれを選挙公約とし街頭で演説し、経営者団体に政府の代表として要望している。それは労働組合の役割であろう。労働組合が正規雇用の拡大を要求し、賃上げを要求する。その意味では労使は対立する。力と力の交渉、それを法律は保障している。それが本来の姿であろう。それが見えない。確かに一部大企業の中に夏のボーナスの増額や、正規雇用への促進は見られた。しかし約70%に及ぶ中小企業に働く労働者は蚊帳の外である。

                                              <続く>