消す・答えない・はぐらかす「現代『新三猿』」の政治を正す

2017-02-27 10:09:11 | 日記

  消す・答えない・はぐらかす「現代『新三猿』」の政治を正す

 時の政権にとって不都合な情報は打ち消し、または書き換えてきたことを歴史は証明をしている。その直近の例が米国のトランプ政権である。通商代表部のホームページにアップされている「環太平洋連携協定(TPP)」に関する資料の開示を停止し、あるいはトランプ大統領が消極的とされる地球温暖化対策、性的少数者の権利保護に関する記載などがホワイトハウスや環境保護局のホームページから消されたとも報じられている。このことは1月23日の拙文でも触れたことであるが、それではわが国日本はどうかとなる。

   今国会で大きく取り上げられたものに、南スーダンをめぐる防衛省のPKO(国連平和維持活動)陸上自衛隊部隊の「状況日報」の廃棄問題がある。また文科省における天下り人事、そして「共謀罪」をめぐる論議では政府(法相)は答弁を二転三転させつつ曖昧なまま強行成立を計ろうとする姿勢。さらに大阪豊中市の国有地払い下げ問題がある。これらすべてが国民の前に明らかにされなければならないにもかかわらず、安倍政権は説明責任を果たしていない。それどころか資料の公開に対しては「資料は無い・あったが管理規則によって破棄した」などと答えている。しかしマスコミの果敢な調査活動や国会議員の調査の中で「無い」とされていたものが実は存在していたことか国民の前に明らかにされた。それでも対応は曖昧のまま逃げ切ろうとしている。まさにすべてが「隠蔽」の世界である。そのようなことが政治の場であって良いのだろうか。
   そのようなことがあってか「今月27日から原則として、庁舎内の全執務室の施錠を開始し外部からの立ち入りを遮断する」という方針が経済産業省から発表された。そして今後取材の場所や対応する職員を限定するなどの新ルールを策定して情報管理の徹底を図ると報じられている。さすが元電通広報部担当課長世耕大臣は手早い。壺を心得ているというもの云うものだ。

   期を同じくして明らかになったのが太平洋の先のトランプ政権のマスコミ対策である。報道によれば、定例記者会見を非公式な形に変更しCNNやニューヨーク・タイムズ紙など少なくとも10報道機関の参加を認めなかったとある。この日は元々スパイサー氏の定例記者会見が開かれる予定だったが、報道官室で撮影なしで質問を受ける形態に変更し参加メディアを選別した。これに対しAP通信とタイム誌は参加を認められたが会見をボイコットしている。またホワイトハウス記者会は抗議の声明を発表。CNNは「気に入らない記事への報復だ」と猛反発をしている。ニューヨーク・タイムズ紙は「さまざまな党の政権を取材してきた我々の長い歴史で、このようなことは起こったことがない」として抗議の報道を発している。

   私たちは二度と「大本営発表」なるものは繰り返してはならないと反省し、決意をしたはずである。議会は「お喋りの場ではなく『監視』の場であり、国民が自ら選んだ議員を通して「知る権利」を求める場である」と宣言をした。にもかかわらず「隠す・逃げる・答えない」「答えてもはぐらかしの答弁に終始する」あるいは稲田防衛大臣に見られる「恣意的な言葉のはぐらかし」に至っては、国のあり様を論議する国会の場を何と心得ているのかとの怒りを覚える。

   そこに社会的公器としてのマスコミの役割があると私たちは受け止めてきた。しかしその取材を拒否し、制限をするという政治機構の方針には納得ができない。マスコミの社会的役割は国民の知る権利の代行である。

   よく政府の答弁で使われる言葉に「手の内を(敵に)見せることはできない」というものがある。それでは国民に手の内を見せられないと言うのか。「国民を敵と見立てるのか」そんなことも言いたくなる今日の政府の姿勢である。


「月末金曜日早帰り」・お祭り騒ぎにしてはならない。よくよく考えよう

2017-02-26 08:14:22 | 日記

 「月末金曜日早帰り」・お祭り騒ぎにしてはならない。よくよく考えよう

 

 「金曜日早帰り」いわゆるプリムアムフライデーの24日である。25日の朝刊各紙は居酒屋、ビヤホール、あるいは百貨店、ヨガ教室などでの早帰り組の写真入りの記事で大きく報じていた。 決して嫌味を述べるつもりはない。しかしこの報道はいかがなものかと考えてしまう。このフライデーに加わることができた労働者数はどのくらいなのだろうか。当然にしてこの指定席から外された労働者や中小企業の事業主の発言は辛辣である。

   ではその指定組に伺いたい。「貴方の職場で、貴方たちは必要としたときに年次有給休暇を取ることができますか、取っていますか」と。「取らずに、取れずに2年間ごっそりと抱え、そして捨てていることはありませんか」と。年次休暇がどれだけ価値のあるものかを知っているだろうかという問いである。

 しかしその休暇の取得も戦いであった時代に私たちはいた。届書に上司は簡単に応じてはくれなかった。ましてや子供が熱を出したということでの「当日届け出休暇」などに至っては針のむしろであったことを忘れることができない。そして良く述べられてきた言葉に「年次有給休暇・忌引き休暇・そして早退」の取りやすさ実態が、職場の条件のバロメーターとされてきた。だから当然の権利でありながらその「取得運動は戦いであった」。

   そして今回、月末金曜日の仕事を午後3時に切り上げる」ことは消費を増やし、そして労働時間も短くするという「二兎」を追う官民挙げた取り組みとして宣伝をされている。そして政府や経済界は、消費拡大や「美名に隠された働き方改革」につなげのものととの声明を出している。しかしその別な口からは「時間外労働延長時間・月100時間」を執拗に固守する姿に彼らの本音を見ることができる。

   果たして定着するだろうかという疑問の提起もある。当然である。「もてなしとしで出されたお膳」は「主の気分」でいつでも引っ込められる。また「馳走の中身」も変わる。問題は「出させるお膳」「盛られる馳走が変わらないお膳」にしなければならない。「もてなしによるものか、要求によるものか」「出されたものか、出させたものか」の分岐点は「年次休暇その他の既得権が労働者のものになっているか」で争われるものであると考えるが、どうだろうか。よくよく考えてみて欲しい。

  そこで重ねて問いたい。今ビールで乾杯をしている貴方や貴女「あなたの年次休暇の残日数はどのくらいありますか」と。

  「プレミアムフライデー」でなるものを歓迎する労働者群は全国の労働者の1割にも満たないだろう。そして浮かれている間に「労働者の固有の権利」が奪われていくことを懸念する。そのことは指定組だけの問題ではなく、その指定組に入ることができない9割以上の労働者のさらなる権利の消滅となって表れていくだろうことを危惧するからである。

   かつて労働組合運動に携わった一人としてそのことを訴えたい。

 

 

 


皇太子誕生日の記者会見から「森本学院」を考える

2017-02-25 05:39:50 | 日記

     皇太子誕生日の記者会見から「森本学院」を考える

 

   皇太子徳仁親王が57歳の誕生日を迎えるにあたり21日に行われた記者会見の記事が各紙一斉に報じられた。全文は膨大な字数であり、昨年8月に公表された「天皇陛下の退位」を意識したものとなっている。そして「「両陛下がなさっておられるように、国民に常に寄り添い、人々と共に喜び、共に悲しむ、ということを続けていきたいと思います」という両陛下の想いを、随所に表明されておられていると受け止めたい。

   そこで天皇の「退位」をめぐり有識者会議を開催するにあたって、安倍首相の強い意向が働いた有識者がいる。その有識者は、天皇のあり様について「ただおられるだけで良い。国民のために祈る祭事を大事にしておられれば良い」ということを主張していた。

   さて、今般の皇太子の会見である。その中で過去の天皇について語っておられる部分がある。例えば戦国時代の16世紀中ごろ洪水や天候不順、そして飢饉や疫病に心を痛められた後奈良天皇が自ら写経をし、国民のために祈ったという歴史について触れられている。私はこの行に「我が意を得たり」とする人々がいることを直感をした。しかし皇太子は次の言葉を続けている。「私自身,こうした先人のなさりようを心にとどめ,国民を思い,国民のために祈るとともに,両陛下がまさになさっておられるように,国民に常に寄り添い,人々と共に喜び,共に悲しむ,ということを続けていきたいと思います」と。

   そこで私の記憶を報告したい。東日本震災で避難をしてきた住民を前にして膝をつき目線を同じくして語られる両陛下の姿がそこにあった。そのとき突然の余震が襲う。皇后の前にいた女性が素早く皇后の手を握りしめた。皇后はその手の甲に自らの片手を添えられ余震が治まるのを待っていた光景がある。そこにこそ「国民のために祈り、国民に寄り添う姿」があると見るがどうだろう。

   そして前日に続き豊中市の「森本学院」に移りたい。森本学院の籠池理事長は、憲法改正を求めている日本会議大阪の役員である。その学院のホームページによると、同校は「日本初で唯一の神道の小学校」として、教育理念に「日本人としての礼節を尊び、愛国心と誇りを育てる」と掲げている。そこで次の教育方針を掲げ「幼稚園児や小学生の幼子に再び天皇の『赤子』としての教育をさせようとする学院の存在」を見る。空恐ろしさを感じるのは私だけであろうか。

◆天皇国日本を再認識。皇室を尊ぶ。伊勢神宮・天照大御神外八百万神を通して日本人の原心(神ながらの心)、日本の国柄(神ながらの道)を感じる。

◆愛国心の醸成。国家観を確立。

◆教育勅語素読・解釈による日本人精神の育成(全教科の要)。道徳心を育て、教養人を育成。

◆「大學」素読による人間学の習得。

◆大祓詞・般若心経朗唱宗教的情操の育成。

◆日本人の心の中心である伊勢神宮からほど近い松阪の地ですくすく育った杉の木・檜をつかった木造伝統建築の校舎や和風装飾物・校庭木による日本人DNAの呼び覚ます。

 (以下省略)

                                                                                                     (教育理念・瑞穂の國記念小學院より引用)


東京ドーム20倍分の土砂・ゴミの撤去、埋め戻しに住民の抵抗が無かったのか

2017-02-24 10:32:51 | 日記

 東京ドーム20倍分の土砂・ゴミの撤去、埋め戻しに住民の抵抗が無かったのか

 

 財務省近畿財務局が豊中市内の国有地を破格の値段で売却したという記事を見たのは多分2月9日であったと思う。ここにその時の記事がある。近畿財務局による国有地の売却先と価格」という見出財務省近畿財務局が学校法人に払い下げた大阪府豊中市内の国有地をめぐり、財務局が売却額などを非公表にしていることが分かった。朝日新聞が調査したところ、売却額は同じ規模の近隣国有地の10分の1だった。国有地の売却は透明性の観点から「原則公表」とされており、地元市議は8日、非公表とした財務局の決定の取り消しを求めて大阪地裁に提訴した」とある。(朝日新聞)

 そしてこの一件が、折しも開催をされている国会の予算委員会で論議をされている。それに対し当の安倍首相は「私も、また妻もその件には一切かかわりはない」と自分の政治生命を引き換えに全面否定をされている。田中元首相のロッキード疑惑も含め、幾人かの総理大臣の「金」をめぐる疑惑が露呈された過去の歴史がある。ましてや、今回は首相夫人も関係するものだけに残念である。うやむやにせず世間に明らかにして欲しいものである。

 ところで、今回の払い下げ問題であるが、まず非公表であったということ。一方で森友学園に売った土地の東側にも国有地(9492平方メートル)があり、財務局はその土地を公共随契で豊中市に売った時の価格は約14億2300万円であった。森友学園への売却額の約10倍とみられる。ここは今公園として整備されている。(前記朝日新聞記事による)
 さて、今般の破格な売却価格の理由であるが「同土地に埋設されている廃棄物の除去費を差し引いたもの」と説明されている。その廃棄物の内容は明確にされていないが、建設用として打ち込まれる杭の深さ9.9メートルまでゴミが埋まっているという。ではその物量はどれほどか。予算委員会でもそのことが疑問視されているが約8770平方メートルの売却地で推測をする。そしてその深さまで埋まっているゴミ、土砂を掘り起こすとすればどのくらいの物量になるかを知りたくなった。

 ネットとは便利なものであり検索をしてみた。すると約8万5,625立方メートルの体積の土を掘り返し、ゴミを撤去し、埋め戻すということが想定されるという。ではその物量は東京ドームに譬えればどれほどか。パソコンの画面は直ちに「1万立法メートルで約2.5倍」と答えてくれるから、ざっとドーム20倍になる。

 ダンプの往来も膨大であろう。大変な物量を動かす建設事業である。近隣から注文が出て当然であると考えるのは常識であろう。しかしそのことも明らかになっていない。今も福島県内においては放射能廃棄物の処理に頭を痛めている。その一つに運搬がある。そのダンプが行き交う道路の安全がある。その物量たるや異常である。

 豊中市野田町の住民は静かに工事の実態を見守っていたのだろうか。そのような観点からも疑問の多い、そして不思議な話である。