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人気ブログはどのようにして閲覧者から選ばれるのだろうか

2020-09-20 08:14:10 | ブログ
 ブログの投稿を始めてから10年以上となり、この際、サイエンス・コミュニケーションのようなポピュラーとは言えない分野でどのようなタイプのブログが人気ブログになるのか、ここ3年くらいの傾向を調べてみることにした。

 新しいブログを投稿すると、その時点までのある一定期間と思われる時間帯の人気ブログ10件のリストが送られてくる。

 ここ3年間の人気ブログがランク入りした回数の多いもの5件を挙げると、次のようになる。
(1) 花びらの枚数を数える 39回
(2) Excelでベジエ曲線を描く 21回
(3) なぜ線形代数は難しいのか 21回
(4) Excelで流線のグラフをつくる 20回
(5) なぜ複素数が必要なのか 14回

(1) のブログが最も古く、投稿日は2012.4.14である。ポール著「かたちー自然が創り出す美しいパターン」(早川書房)を参考にしたものであるが、花びらの枚数がフィボナッチ数にほぼ一致していることを3つの同心のリングの図を使って説明したことが受けたのであろうか。それにしても、このような古いブログが今だに人気ブログのトップクラスにランク付けされるのは何故なのか。

(2) は、2017.6.18の投稿で、イラストレータなどがイラストを作成する際に使用できるツール(Illustrator)は、「ベジエ曲線」と呼ばれる曲線の生成方式に基づいているので、この方式に基づく曲線をExcelで計算し、グラフ表示したものである。

(3) は、2018.7.22の投稿であり、数学の歴史から説き起こして、人類が線形代数に到達するまでには長い歴史を要したのであるから、現代の新参者がこれを理解したという境地に達することは容易ではなく、思考のパラダイムを転換する必要があることを述べたものである。

(4) は、2016.1.24の投稿であり、流体力学の問題である。一様な流れをもつ流体の中に円柱を置いたときの流線を、Excelのグラフを使って表現したものである。Excelの折れ線グラフを11本ほど集めると流線の表現になるというのは、発想の転換かも知れない。

(5) は、2016.1.3の投稿である。中学校の数学では、2次方程式の解き方が出てくるので、すでに複素数が隠れているわけだが、中学では複素数を教えず、高校の数学になってようやく複素数を扱うことになる。しかし、多くの人々は複素数を利用するような経験をもたないのではないだろうか。そこで、複素数を利用する3つの例を挙げて複素数の必要性を説明している。その後に投稿した(4)の流体問題でも複素数を使っている。

 最近投稿したブログが人気ブログになることは少なく、古いブログが人気ブログであり続けるのは何故なのか。

 グーグルやヤフーを使って検索すると、与えられた検索タームに該当するコンテンツの導入説明とリンク先がついている。ブログのサービス会社のブログアクセス解析によると、私のブログのアクセス元がグーグル/ヤフー検索というものがあることは間違いない。

 こうしてみると、新規のブログ投稿があるとき閲覧する常連よりも検索の途中で立ち寄るビジターの方が多いだろうと想像できる。

 しかし、検索の結果、提示されるコンテンツの数が多いとすれば、そう簡単に私のブログのリンク先が選ばれるのだろうかという疑問も生じる。

 そこで、(1)のブログに関連して、「花びらandフィボナッチ数」の検索条件でグーグル検索してみると、該当するコンテンツは634,000件も存在することが分かった。その中の先頭から100件の中に(1)のブログはなかった。

 こうなると、グーグルやヤフーの検索の結果として提示されるコンテンツのリストの中でどのようなコンテンツの選ばれる機会が多くなるのだろうかという疑問が生じる。リストの上位にあるコンテンツがよく選ばれるのであれば、上位のコンテンツにアクセスが集中して下位のコンテンツがアクセスされる機会はほとんどないはずである。

 また、仮にすべてのコンテンツに平等に選ばれる機会があるとして、アクセス回数の多いコンテンツほど選択の優先度が高くなるのだろうか。

 参考文献の「ペイジランクー多数決と世評」の記事によると、グーグル検索時にウェブペイジが選択されるときの順位は、単純な多数決だけで決まるわけではなく、影響力の大きいコンテンツまたはサイトの重みが加味されているようだ。

 ポピュラーなコンテンツであれば、コンテンツのアクセス元が検索サイトよりもSNSや口コミによってリンク先を知った利用者が多いのではなかろうか。サイエンス・コミュニケーション向けのブログの場合にもそのような利用者があり得る。一時的に人気ブログに躍り出て、その後人気ブログのランクから消えていく一過性の人気ブログは、そのような利用者からアクセスされるのだろう。ただ、そのような利用者がどの程度の割合で存在するのかは不明である。

 参考文献
 全卓樹著「銀河の片隅で科学夜話」(朝日出版社)