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なぜ睡眠が必要なのかについてのエビデンスが固まりつつある

2020-09-06 07:36:19 | ブログ
 TIME誌に睡眠の重要性についての記事が載ったので、その要約を記録しておくことにした。

 研究によると、人が充分な睡眠をとらないと、認知機能が低下すると報告されている。ただし、重要なことは睡眠時間ではなく、睡眠の質であり、睡眠中に寝返りを打ったり、無意識のうちに起き上ったりする行動は実質的な睡眠時間を削減するので、質の低下とみなされる。

 動物実験によると、脳の神経細胞が活動すると、ベータ・アミロイドのような有害なタンパク質が脳内の血管系を循環する状態で溜まる。動物が眠りにつくと、そのような浮遊タンパク質のレベルが急激に低下する。ポンプの役割をする細胞が有害タンパク質を脳から排出するためである。

 人間の脳スキャンを行った研究でも、睡眠が充分でない人は充分な人に比べてアミロイドくずのレベルが高いことが示されている。

 このように、睡眠は脳内の有害物質を清掃する役割をするため、睡眠が不充分であると、アルツハイマー病のような認知症を病むリスクが高くなる。

 ここで、夜間に飲食したり、アルコールやカフェインを含む飲料を飲むと充分な睡眠を妨げるのだろうかという疑問が生じる。睡眠中に脳内の血管系の血糖値が高かったり、アルコールやカフェインが残留している状態は、決してお勧めではないように思える。

 医療関係者が長い間、一日に7~8時間の睡眠をとるよう勧めてきた経緯があって、人間にはこれだけの睡眠時間が必要であると信じている人が多いようである。しかし、この時間が必ずしも万人に当てはまるわけではない。

 睡眠時間に限らず、人は各々の体内時計をもっており、一定のリズムを刻んでいる。これを概日リズム(サーカディアン・リズム)という。睡眠に関して言えば、少数派ながら長期間に亘って4~6時間の睡眠で十分に健康な生活を送っている人がいる。おそらく睡眠の質が良いということになるのだろう。

 これら少数の人々は、稀に生じる睡眠に関する遺伝子の変異をもった人々であり、生活上の習慣によって短睡眠になったわけではない。

 私事になるが、私の妻は、結婚以来48年ぐらいになるが、午前3時前に寝たことはほとんどない。睡眠時間は5時間以下と言っている。

 心臓、肺、肝臓、腎臓などすべての臓器は、各々の体内時計をもっていると言われる。例えば、肝臓は、そのサーカディアン・リズムに従ってコレステロールを作って放出するので、健康診断でコレステロール量の検査をするのに適当な時間帯というものがある。

 健康の維持のために適度の運動は欠かせないものと言われているが、一日のうちのどの時間帯に運動するのが最も効果的なのかは、運動の種類、食事時間、糖尿病のような持病の有無などいくつかのファクターが関係し、まだ明らかになっていないようだ。