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ホクトマンのアドブログ

アドベンチャープログラムを愛するすべての人と、そうでもないすべての人へ。ひとりごと、今思うこと、泣き言、楽しか

成り得たのに成り得ないのは

2010-02-23 | 雑念
2010.2.19-21 ファシリテーター養成講習会の話。

2泊3日の講習会は単純な交流会に成り得たのに、成らなかった。

それはまず無理矢理に強引にも参加者50名弱を経験者と未経験者に分けて、ファシリテーターと体験者になったから。なってしまったから!

2日目の1日と3日目の午前をグループワークすることになったのです。それを考えたのは恐らくPAJのmabだと思います。

難しさは急にやって来る。

4人の経験者が運だけで決まる。メンバーは、あきにい、けいちゃん、POCHI、ホクトマン。

そしてこのファシリテーターたちは深夜までグループワークについて議論をすることになる。それは改めて、私が参加したワークショップの中で最も重要で変化を実感したものになりました。ファシリテーターグループとしての成長が大きかったと思います。

その変化のきっかけは2日目のグループワーク指導を終えてmabからのフィードバックをもらった事。

フィードバックとは他人から頂く自分の姿。まぁ鏡を見るのと同じ。つまりその夜、指導した時の自分をビデオ撮影されていて観ながらポイントを伝えてくれた。と、言ってもいい。

何を言われたかというと、

「主観で話す事が多くなかったですか?」

ということ。確かに!例えば「私はこう思うんですけど、皆さんはどうですか?」「興味あるから聞いてみるんですけど・・・」「信頼関係ができてきましたね」などファシリテーターがグループに『先に』感じたことや興味を話すことで「コントロール」してしまう危険があるとのこと。

そして私も直接フィードバックもらいました。その内容を全部以下に示します。

「ウォールの振り返りの時に『当たり前』という言葉を使いましたよね?当たり前という言葉は多様性やバックボーンの違いから使うべきではない言葉かも知れないですね」

という。

何があったのか?時間を実際のウォールの振り返りの時に戻す。私はウォールの指導を担当した。アクティビティの説明、振り返りまで。その振り返りでの説明を差していた。

「漫画ワンピースを知ってますか?大体10巻くらいのシーンで泣けるらしいですね。女の子が『助けてくれてありがとう』すると主人公ルフィが『当たり前だ!』と叫ぶシーン。皆さんがウォールを体験して感じたこと、思った事を4人組になって話してもらいます。その時に自分が当たり前だと思っていても相手に伝える時間にしてみてください。」

これがウォールの振り返りをする説明でした。参加者に後で分かりにくかったとフィードバックを頂いたりしましたが、自分としてはその時その瞬間に思い付いたワンピースのワンシーンとウォールでの感動を言葉にしてもらう投げかけとして今でも「間違ってない」と自信を持って言えるし、そんな声掛けをするファシリテーターとしての自分が大好きです。

ファシリテーターはロボットじゃありません。人間です。最も人間らしさが必要な職業だとも思っていたりします。

あの時もっとシンプルな振り返りを無難に投げかけてもこんな気持ちにはならなかったと思います。

そしてmabからのフィードバックに戻ります。

それをもらってから再度班ごとのファシリテーターが次のハイエレメントの日のシークエンスを考え出しました。23:00頃からだったと思います。

ここまでのグループは目標へ近づいている?の問に十分な手応えを感じていた4人。でも話の中で私たちが主観や介入によってのグループの関係性なんじゃない?という疑問が湧いてきたんです。

そしてアイデアが湯水のように湧き出し、後に「白紙プログラム」と4人が呼び出すものが生まれる。それは4人の主観を排除して、グループが選択できるチャンスを増やすこと、その場を作ることに徹したファシリテーションをすることをそう呼び、行うかどうかで激論が闘わされていった。

途中、知恵熱が出る方や他のグループの方が見学に来たりする中、文句も言わず、楽しそうにクリエイティブな作業を実感した。

結果白紙プログラムを行うことになる。それは今考えると選択したのは我々4人だが、きっかけはmabのフィードバックだと思う。それに気づいている人が何人いるのだろう。当然ファシリテーターのファシリテートをする立場の彼を意識するヒトがいないのも当たり前だ(また言っちゃった)。

なぜならファシリテーターはグループから消えていくことが理想なのだ。グループからの目線ならいつの間にやら自分達だけ。だから「初めて乗れた自転車」なのだ。後ろで「持ってるよ」と声掛けをしながら、持たずに乗れる様になるあれ。

思い起こせば去年のこの講習会でも同じ様な感覚を持った私。派手でインパクトのあるファシリテーターもいる中、mabの静かなスタイルの素晴らしさを感じているのは私だけ?いやそんな事はないはず。でも大学生やPA初めてっていう人にとってはそれなりの凄さかなぁと思っている主観。毒を吐いておりますが、このへんで。

白紙プログラムの実践と結果と振り返りはまた今度。