話題の武蔵小杉
かつて東京にいた時には新丸子という武蔵小杉の隣の駅が最寄りだった。だから武蔵小杉は自転車でよく訪れる生活圏だった。
それから10年余り
あの武蔵小杉が東京の住みたい街ランキングで吉祥寺、自由が丘に次いで3位に上り詰めている。
あの武蔵小杉がだ!
もうとにかくシケた街だった。
しかし何の政治判断なのかあらゆる方向の鉄道が武蔵小杉に乗り入れられ全ての主要な人気スポットにアクセスできるようになった。
駅ビルは建ち、かつての薄汚い建物や道路、店は無くなっていた。しかしそれは新しい駅ビル周辺であって、そこから漏れた場所は昔の建物が残っている。
ヨメと歩きながら「うわっ!この通路残ってるー」「あるやん!この店ー、まだ」と昔を発見するたびにキャキャ言いながら小杉周りをした。
当時、駅にあった天丼屋さんは僕の御用達だった。懐かしさもあって早速入店。すると逆の悪い思い出を思い出させてくれる出来事が起こったのだ。
ヨメとは少し別行動をしていたためカウンター席の端っこに座った。丁度皿洗いをするシンクが目の前にあって従業員が丸見えの席だ。
そして中から大きな声で私語、と言うか女子高生らしき声が渦巻く。
その声は当時10年余り前の同じ場所へタイムスリップさせる。
当時も全く同じ光景を見ていたのだ。
そしてなんで店長は注意しないんだろうなんて疑問を持った。チラッと反対側の厨房をみると注文の入った天婦羅をせっせと揚げまくっているおじさんがいる。店長かなー?と想像するがもしそうなら天丼屋のメインの仕事をするその人が厨房のダベっている女子高生たちを注意できる状況ではない。
なにやら悲しい感じになった。
俺が店長なら嫌われても速攻注意である。
警告して2度目はクビである。
その後の女子高生も最悪だった。
ダベっていたのは1人がシフトが終わったようでセーラー服の女子高生が従業員通路から出てきたと思ったら、僕の隣の厨房に入る通路から厨房まで歩いて中の仲間と話し始める。
カウンター席の目の前でセーラー服の女子高生が中のスタッフと話しているというもう僕にはどうしようもないくらいの腹立たしさがこみ上げてくるシチュエーション
そして味は美味しいのに店員のしつけ?は最悪だったのは10年前も今も変わらないのだ。
やっぱり従業員教育は新装の時にちゃんとしておかないとダメだなぁなんて思っていた矢先に奥の厨房からその病原体が現れたのである。
歳は50代前半のおばちゃん、細身でいかにも性格の悪そうな人相をしている。まさか女子高生バイトと話していたメンバーにそんなババァが混じっていたなんて思いもよらず驚いた。
お前が大人として注意するべきだろ!
っと腹立たしさはそのババァに集中した。
ひょっとしたら10年前の接客の素行の悪さはこのババァが守り抜いてきた伝統であるのではと10年規模の大罪は切腹もんである。
ババァからしたら身に覚えのない冤罪かもしれない。しかし陪審員の印象を悪くするできことがその後起こる。
僕の目の前のカウンター内で真面目に働いていた女子高生に対して偉そうにこう聞くのである。
「あれっ?ここそうじした?」
女子高生は「一応…」と答えると同時にババァはその場所から小さな埃らしきものをつまみ上げ目の前に見せて「これで?」と女子高生に見せつける。
カスだ!人間のカスだ!
お前今まで厨房でカスのようなダベりをしていたじゃねぇーか!そんなお前が真面目にホールの役割を果たしていた女子高生を注意できる立場じゃねぇ!
カスだ!
そしてそのやりとりを1mも離れていない客の目の前で繰り広げる。もう笑えないコントだ。
あのババァはバイトリーダーかもしれない。
下手をすると店長かも。
もうそうなると世紀末だ!マッドマックスだ!
救いようがない!
陪審員たちは情状酌量の余地はない!と判断して
有罪!
被告を死刑に処す