及川 均 Logbook

フォトグラファー及川によるblogです。

レンズの画角(Lesson 3)

2008年06月24日 | 写真のお勉強
どうも。
今日は丘なので、久しぶりにカメラのお勉強でも。


Lesson 3:レンズの画角




今日はレンズの画角(焦点距離)について。

よく○○mmのレンズとか言ってるけど、なんのことかわからない人も多いハズ。

この「○○mm」ちゅうのが、焦点距離と言われる数字で、レンズの画角を示していると思ってよい。

んで、この焦点距離とは文字通り焦点が合う距離のこと。
虫眼鏡で太陽光を集めたことがある人はわかると思うけど、焦げる点(焦点)に虫眼鏡を持っていった時の紙とレンズの距離が、その虫眼鏡の焦点距離になる。

カメラのレンズも同じように焦点を集めることができるけど、実はカメラのレンズは何枚ものレンズから構成されていて、レンズの中心を知るのは難しい。

でも、焦点距離が短いってことは、紙との距離が近い時に焦点が集まり、長いってことは紙との距離も長くなるってことはわかるよね。





さて、その焦点距離だけど、古くから普及しているフィルムカメラのフィルムの大きさを基準にしている。
前回のレッスンでやったけど、広く知られているフィルムは1コマの横の長さが35mmあることから35mm版カメラと呼ばれている。

んで、この35mmのフィルムにレンズを通ってきた映像が焼き付けられるってワケ。

で、前回やったけど、デジタルカメラではこのフィルムの代わりにCCDとかCMOSとか呼ばれる光を電気信号に変える部品が入っていて、このCCD(CMOS)で画像を記録する。

ところが、この画像を記録するCCD(CMOS)のサイズが各社マチマチなのだ。
なので、焦点距離の話をする時に混乱が生ずる。
だからわからないのよね。



まず知っていて欲しいのが、フルサイズと呼ばれるデジイチ以外のデジタルカメラのほとんどがフィルムサイズよりも小さなCCD(CMOS)を使用している。

ここで想像してほしいけど、もし、フィルム部分がCCD(CMOS)だったらどうなるか?

CCD(CMOS)の方が小さいんだから、フィルムの中央にポツンとCCD(CMOS)がくるハズ。
なので、フィルムに写っている画像よりもデジタルカメラで撮影した画像の方が映っている範囲が狭くなるってこと。

これ、かなり大切なので、よ~く覚えておくように。

このことがわかればあとは簡単。

では、私の持っているデジイチで画角の比較をしてみよう。
前回書いたけど、私が持っているデジイチ(D200)はAPS-CサイズのCCDを使っている。
これは、当然フィルムよりも小さいよね。
まあ、貧乏なのでフルサイズが買えないと思ってちょうだい。

んで、説明書などによると、どのくらい小さくなるかというと、フィルム(35mm版)の1.5倍といわれている。(キャノンのAPS-Cサイズは1.6倍)

「小さくなるのに1.5倍ってなに言っとんじゃい!」

って言わないで。
これは焦点距離が1.5倍になるってこと。つまり見ている範囲(画角)狭くなるってことなのよ。

じゃ、実際に見てみよう!


これからの写真は全て自分のデスクからカメラを三脚に固定して、レンズだけを変えて撮ってるよ。


まずは、焦点距離18mmのレンズで撮影。

はい、ここでストップ。
焦点距離が18mmのレンズだけど、APS-CのCCDを使っているので1.5倍。
つまり、フィルムカメラ(35mm版)に換算すると27mmのレンズで見ているのと一緒になってるよ。




続いて35mm(フィルム換算だと52.5mmね)




70mm(フィルム換算だと105mm)




200mm(フィルム換算だと300mm)




300mm(フィルム換算だと450mm)




ね。
簡単でしょ?

つまり、焦点距離が短いレンズほど広い範囲が写って、焦点距離が長いレンズほど狭い範囲(遠くのものを大きく)写すことができるってこと。

この焦点距離の短いレンズのことをワイドレンズ(広角レンズ)、中くらいのレンズのことを標準レンズ、長いレンズのことを望遠レンズという。

んじゃ、なにを基準にしたらいいかというと、やっぱりフィルム(35mm版)なのよ。
フィルムカメラで50mmレンズを付けた時の画角が人間の視野に近いらしく、この焦点距離のレンズを標準レンズとして、それよりも短ければ広角、長ければ望遠というのだ。
なので、APS-Cの場合は約35mmくらいの焦点距離がフィルム換算(35mm版)で50mmくらいになるので、一般的なデジイチの標準レンズは35mm前後になるってこと。
ここでややこしいのが、フィルム(35mm版)換算の「35mm」ってのはフィルムサイズのことで、焦点距離の35mmとは区別してね。


これでなんとなくわかったと思うけど、時間のある人は自分のカメラ(もちろんコンデジもで可)の説明書を見てみよう。
必ずレンズの焦点距離が書いてある。
そして、必ず「フィルム換算値」とか「35mm版換算値」ってのが書いてあるけど、重要なのはその数値。
だって、コンデジのレンズはとても小さいので6mmとか8mmくらいの焦点距離だもの。
でも、その小さい数字は広角なレンズってことじゃない!
なぜなら今まで話してきた「焦点距離」は始めに書いたようにフィルムを基準にしているから。
コンデジはデジイチよりもはるかに小さいCCD(CMOS)を使用しているのだ。
なので、ホントの画角を知りたければ35mm版換算値をみなくっちゃ。
で、その数値は35mm版換算なんだから、上の写真たちとも比較することができるようになるってワケ。
自分のカメラの焦点距離が35mm版換算値で28~105mmとかって書いてあれば、上の焦点距離での写真と同じ画角になるのだ!

んで、残念なことにコンデジの多くはワイドに向いてないってことがわかっちゃうのよ。
ワイドって言われているコンデジの焦点距離は短くても(35mm版換算で)28mm。
これはあまりワイドとは言えないね。

だって、雑誌なんかに載せているようなワイド写真は15mmとか16mm(フィッシュアイ)という超ワイドレンズを使っているから。

私が持っているデジイチ用の10.5mmフィッシュアイレンズで撮ったのがコレ。
周囲をゆがめることでほぼ真横まで写ってしまうのだ。
全然違うでしょ?



ちなみに、35mm換算では約16mmの画角になってるよ。





では、最後におさらい。




ワイドレンズとは・・・

焦点距離(35mm版換算値)が短いレンズのことで、概ね28mm以下のレンズ。
短ければ短いほど広い範囲を写しこめる。




標準レンズとは・・・

焦点距離(35mm版換算値)が50mm前後のレンズのこと。




望遠レンズとは・・・

焦点距離(35mm版換算値)が長いレンズのことで、概ね100mm以上のレンズ。
ちなみに、300mm以上のレンズを超望遠レンズとも言ったりする。



そして、便利なのがズームレンズ。
これはわかると思うけど、焦点距離を変えことができるレンズのこと。
たとえば、18-200mmとかね。
実は、上の写真、レンズを変えて撮ったと書いたけど、前半の4カットは同じレンズで焦点距離を変えて撮ってたのだ。





んじゃ、「マクロレンズってナニ?」って思う人、その話はまた今度。


今日も長々と書いてしまった・・・


興味のある人だけついてきてね。
難しいと思う人は無視しちゃってちょうだい。


無視してもいいので、潜りにきてね。