及川 均 Logbook

フォトグラファー及川によるblogです。

時間があるので(Lesson 2)

2008年06月13日 | 写真のお勉強
海に行く前にちょっと時間があるのでやっちゃいましょう。



Lesson 2:カメラの分類②


前回はコンデジとフィルムタイプの一眼レフについて勉強した。ハズ。


今日はまずニコノスから。

ニコノスとは、ニコンが発売していた全天候型カメラ。

古くからダイビングをされている方は見たことあるハズ。

↓こんなヤツ。





この写真はニコノスの中でも最新型。といってもすでに生産中止になってるけど。
よく「ニコノスⅤ」と紹介されているヤツ。
この「V」とはファイブと読む。5世代目、という意味。(5型と呼ぶ人もいる)
もちろんⅠ~Ⅳまでも存在はしている。けど、古すぎてほとんど見かけない。

コンデジ世代の人はこのカメラも一眼レフと思っている人もいるようだが、それは間違い。
Lesson 1でも書いたように一眼レフとはレンズからの映像と全く同じ映像を撮影者が見れるような仕組みのカメラのこと。
このニコノスは、前後からよく見るとファインダーが筒抜けになっているのがわかる。
つまり、撮影者はファインダー越しに被写体を見て、レンズはレンズで入ってきた映像をフィルムに焼き付ける。
このような形式のカメラをビューファインダーカメラなどという。
このカメラの特徴は、構造が単純になるのでコンパクト化ができること。
しかも、ニコノスの場合はハウジングなしでそのまま水中に持っていける。
サイズも一眼レフをハウジングに入れるとの比べるとかなり小さいので機動力も抜群!
逆によろしくない点の一つに、撮影者が見ている映像と撮影レンズが見ている映像がズレていること。(構造上当たり前だけど)
このズレを「パララックス」という。(パパラッチじゃないよ)
さて、このニコノスⅤも実はレンズを交換できるタイプ。主にワイドレンズをつけて使うことが多い。

ちなみに、陸上用に作られて、同じような構造でレンズも内蔵されていて、お気軽撮影用のコンパクトなタイプのビューファインダーカメラがある。
コンデジが台頭する前は旅行の時によく持っていった人も多いハズだ。
いわゆる、「バカチョンカメラ」のことね。

さらにちなみに、ニコノスの親玉として水中用に作られたニコノスRSという一眼レフのニコノスも存在する。
V型よりも前に製造が終わり、さらに値段も高いのだが、専用レンズとの組み合わせはデジタル全盛の今でもプロやハイアマチュアのダイバーから支持を受けている。
プレミア価格で取引されているので、私にゃとても買えない代物だけどね。


さて、フィルムタイプの一眼レフカメラもニコノスⅤもニコノスRSもバカチョンカメラもみな同じフィルムを使う。

↓こんなヤツ。




フィルムにもいろんな種類があるけど、フィルムの話はまたあとで。
今は形だけ覚えてほしい。
この形のフィルムを35mm版フィルムという。
コンビニでも売ってるヤツね。

一般的に広く出回っているフィルムカメラがこの35mm版フィルムを使っていることから、デジタルカメラを含めてカメラ(レンズ)の性能を比較するときによくこの「35mm版」という言葉がでてくるけど、このフィルムの大きさを基準にすることで、横並びになり性能の比較ができる、ってことなのでよ~く覚えておくように!


ちなみに、一眼レフがあるんだから、二眼レフカメラってのもあるよ。

↓コレ。




読んで字のごとく。二眼なレフなのだ。
撮影者が見る映像は上のレンズで、撮影は下のレンズで、しかも「レフ」なので、撮影者は反射した映像を上のファインダーから見ることになる。
なんだかすんごいカメラだけど、重いしデカイし扱いが面倒なのであまり使われない。(時代と逆行しているからね)
でも、こいつはさっき書いたフィルムよりもさらにデカイフィルムを使って撮影をすることで、質の面では非常に高いクオリティで記録することができるのだ。
このカメラの場合は中版カメラというけど、さらに大きなのは大判カメラってのもある。

まあ、35mm版以外はあまり見かけないので、読み流しましょう。


さて、最後に「デジイチ」いってみよう。
ここまで読めばわかってると思うけど、デジイチとは「デジタル一眼レフカメラ」の略。

↓コレね。



前から見ると、フィルムタイプの一眼レフカメラと変わらない。

でも、背面は大きく違う。



デジタルなので、液晶があるのと、ボタンがやたらと多い。


んで、前回コンデジの液晶の役割として、

①写真を撮る前に映像を確認する。
②撮った写真を見る。
③カメラの設定などを変えるための情報を見る。(インターフェイス)


ってのがあったんだけど、実は①の写真を撮る前に映像を確認する。
ってのが出来ないんだよね。実は。



なぜか?

一眼レフだから。


つまり、撮影用のレンズから入った映像は鏡に反射されて撮影者の覗くファインダーに送られているから、画像を記録するためのCCDには映像が届かないの。
なので、コンデジのようにデジイチを顔から離して液晶を確認しながら撮ることは不可能。





でした。今ままでは。



でもね、世の中には賢い人がたくさんいて、出来ないことを可能にしちゃうワケよ。今は。

従いまして、デジイチでも背面の液晶で映像を見ながら撮影することが可能。
これをライブビュー機能という。

もちろんこの機能がないデジイチもたくさん存在する。

なぜかと考えるに、その機能はあまり必要ないからではないか?


一眼レフカメラで撮影する人はピント合わせや構図などにかなり気を使う。ハズ。
特に、ピント合わせは液晶のドット表示的なものよりも直接レンズ→ファインダーを通して見た方(これを「光学的に見る」などという)が格段に見やすいし、両手+おでこでカメラを固定することができるので、ブレにくくもなる。
などの理由で、デジイチでライブビュー機能を使う人は少ないんじゃないかな?
だって、それならコンデジでもいいじゃ~ん、って思ってしまうもの。私はね。


ところで、外見上は全く同じように見えるフィルム一眼とデジイチだけど、決定的に違うところがある。
それは、画像を記録するとこ。

「だから、当たり前のこと言ってんじゃね~」

って思わないでね。
もちろんフィルム一眼はフィルムに、デジイチはCCDやCMOSに記録。
それは当たり前だけど、違うのはそのサイズ。
さっきも書いたけど、フィルムカメラはフィルムのサイズが決まっている。(35mm版ね)
ところが、デジタル製品は各社マチマチなのだ。(もちろんコンデジも含めて)

ただ、あまりにもバラバラだとユーザーも困惑してしまうので、ある程度基準みたいのがある。

ニコンやキャノンの多くが使っているのが、APS-Cサイズという記録サイズ。
またオリンパスが使っているのはフォーサーズというサイズ。
そして、ニコンやキャノンの最上級機種だけに使われているのがフルサイズ。

サイズを比較すると・・・

フィルム(35mm)=フルサイズ>APS-C>フォーサーズ

となる。
もちろん大きい方が高性能&高価になる。
ちなみに、コンデジはさらに小さい上にあまり統一されていないと思う。


う~ん、今回も非常に長く&難しくなってしまった。
できるだけわかりやすくしたいと思っているのだが・・・
もし、わからないことがあればコメントしてね。

では、海に行ってくるか。