この人この世界 2008年10-11月 (NHK知るを楽しむ/月) | |
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NHK出版 |
紀元前279年に没するまで、斉の国の宰相として大活躍し、諸国各地の士数千人を食客とした名将です。
7月の夏祭りといえば京都の祇園祭、山鉾巡航が思い出されます。
年の稚児が大通りに張られた注連縄を真剣太刀で切り 境界を解き放ち 神域への巡航がはじまります。
毎年長刀鉾が巡航1番ですが、なんと2番が函谷鉾(カンコホコ)です。
この鉾は、順番を決めるくじ取り式に参加しない特権をもっています。
疫病の流行の原因である怨霊を鎮めるために行われる山鉾巡航は「祇園御霊会」でもあります。
この2番鉾の主は、孟嘗君だと、この本は明らかにしてくれます。気が遠くなる、遠大な気分に浸ることができます。
2300年以上前紀元前に活躍していた孟嘗君。
ずいぶん昔から孟嘗君は京都の人々に親しまれ崇められてきたのです。
大陸との、長い 深い 繋がりを感じます。
単なる孟嘗君年譜ではありません。
荘王への隠を進める(謎掛けをする)場面から「鳴かず飛ばす」という言葉が出来ました。
衛の国の君子と大臣の争いから、「衛の君子のほうが悪いかもしれない」と、正しい政治をおこなっているかぎり君子が天と民に棄てられることはない!」「君子を支えるのは天地の神ではなく人である!」
と、一種の革命思想が芽生えていたということ、「民意こそ天意である」との、孟子の思想を先取りしていることも教えられます。
清少納言の「夜をこめて鳥の空音ははかるとも、よに逢坂の関は許さじ」の和歌と、孟嘗君の繋がりも明かにしてくれます。
あーーーー繋がっているなーーー!!
宮城谷昌光さんの小説「孟嘗君」再読してみます。
専制君主が群雄割拠していた次代に、まさに先見の明があった指導者であったと、感服いたしました。
宮城谷さん、すごくわかり易く解説してくれています。
もっと深く知りたいし、日本に与えた影響の大きさも感じてきました。
中途半端な事してます(恥)