GPSケータイは今年のトレンドになるか

2006年のトレンドを読み解くキーワード15

　2006年のトレンドを読み解くキーワードの中に、「GPSケータイ」が入っている。
　2005年はDoCoMo、Vodafoneともに１機種ずつ GPS ケータイを追加し、かつ 2007年4月の3G携帯緊急通報用GPS搭載を受け、2006年に「対応端末・サービスが急速に拡大する見通し」(記事)としているためだ。

　わたしも、GPS ケータイはそれなりに話題になると思っている。端末が増えサービスが増えるのもあるし、SA800i のように子どもの安全に GPS ケータイを使おう、という動きもあるからだ。


　ブログなどを見ていると DoCoMo 主流端末への GPS 搭載が 902iS から、と予測しているものもあるが、わたしは 903i からと見ている。理由は2007年4月という時期を考え、かつ TI などの動きを見たとき、2006年秋か冬程度から載り始めるのがちょうどよいからだ。
　ただ、その前に SANYO が 700i系でもう１台出す、と予測している記事もある。SANYO が Qualcomm チップを使い続ければ GPS の搭載は比較的容易なので、それは十分にある話だろう。個人的には 900i系で１台出して欲しいと思っている。

　Vodafone はどうだろう？　903T や SA700iS 同様 MSM6250 を使用する端末は技術的にやりやすいので、かつ au で実績のあるメーカが出してくるかもしれない。


　興味があるのは、コンテンツメーカの動向だ。当然上のような動きを見据えてサービスを拡充してくると思われる。例えば インクリメントＰのカーナビ向けサービスのように、新たなサービスが出てくることが期待できる。
　また、現在のｉアプリ版地図アプリは極めて使いづらい。2006～2007年に向けて、既存のサービスをより使いやすくするような方向も期待したいものだ。そうしなければ、ケータイの GPS 機能も宝の持ち腐れになってしまうだろう。

SA700iSのGPS機能を使ってみる７

　GPSと言えばやはり主な機能は、現在地と周りを知る、そしてルート検索とナビゲーションだと思う。
　ということで、各社のサイトと「地図表示アプリ」について比較してみることにした。使用した各社とは、
・ちず丸
・NAVITIME
・iMapFan
・ゼンリン
・マピオン
だ。

　確認項目は、
・地図表示は速いか
・地図表示のスクロール方法は
・地図表示をしたまま、GPS 測位ができるか。
・地図表示をしたまま、一定間隔自動的な GPS 測位ができるか。
・「現在地確認」－「GPSソフト」で、確認した現在地を表示できるか。
・ｉモード版で調べた位置を、ｉアプリ版を起動して表示できるか。
・周辺検索では、検索の中心地を指定できるか。
・周辺検索のデータベースは豊富か。
・周辺検索の範囲は。
・周辺検索の表示法は。
・周辺検索の条件設定は使いやすいか。
・経路検索ができるか。
・経路検索では、出発地と目的地を選べるか。
・経路検索では、徒歩、徒歩＋電車、車、の検索ができるか。
・経路検索では、出発時間や到着時間の指定ができるか。
・地点/経路を保存できるか
・車の経路検索では、渋滞情報の加味ができるか。
・「ナビゲーション」ができるか。
・ケータイキャリア/PCを選ばず、位置メールが送れるか。
・PCとの連携ができるか。
・その他
とした。

　またここでは、主要な機能を、
・地図表示
・経路検索
・周辺検索
・経路検索結果と現在位置の連動(地図を表示したまま、GPSで現在位置更新ができるか)
・ナビゲーション
と定義した。

　SA700iS では、標準搭載の「ナビゲーション」で制限されている機能を補うためにどのサービスを使用するか、で使うサービスを選ぶだろう。
　最初にまとめてしまうと、
・周辺検索で充実した「マップルガイド」情報が使える「ちず丸」
・唯一、電車・車を含めた経路検索ができる NAVITIME
・地図表示に優れた iMapFan
・地図表示と周辺検索に優れたゼンリン
となった。

　ゼンリンの「＋ナビ」が SA700iS では使用できないので、結局は NAVITIME のサービスを使うことが現実的な選択肢になりそうだ。「ナビゲーション」の有料版を用意して欲しいくらいだ。
　恐らく「＋ナビ」が使えれば、機能的にはゼンリンを使ってもよさそうなのだが、SANYOの「初心者のために」という配慮がアダとなっているような形だ。SANYO の 90xi系の登場を待ちたい。