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SX2462W購入レビュー(2) EasyPIX編

2009-08-14 11:27:26 | パソコン
(Windows7導入とEasyPIXアップデートに伴い見直したものを掲載しました)



 今回、EasyPIX 対応ディスプレイである、SX2462W を購入した。

 ディスプレイと EasyPIX のセットには、カラーマッチングソフトウェアである EIZO EasyPIX と、組み合わせて使用するカラーセンサー EX1 が同梱されていて、これにより簡単にモニタの調整を行うことができるようになっている。
 モニタ調整の方法は、「マッチング」(モニターとプリントの色味を近づける)、「写真鑑賞」(モニターでの写真鑑賞に適した状態にする)、「Webなど一般用途」(インターネットの閲覧などに適した状態にする)の3種類だ。設定は3つまで記憶させることができる。
「マッチング」のみは調整中に印刷する紙との色合わせと輝度の指定が必要となる。それ以外は輝度のみの指定だけでよく、センサーEX1をディスプレイに引っかけるくらいで、数分で調整作業が終了する。
 設定した「マッチング」「写真鑑賞」「Webなど一般用途」は EasyPIX のソフトウェアから簡単に切り替えることができる。

 調整により、ディスプレイ側は OSD で設定できる「ブライトネス」「色温度」「ゲイン」が設定されるとともに、それぞれの ICC プロファイルが作成される。
 DisplayPort を使っている状態で EasyPIX から調整結果を呼び出すと、カラーモードが自動的に「User3」に切り替わり、「ブライトネス」「色温度」「ゲイン」に調整結果が設定されるとともに、ディスプレイの ICC プロファイルが設定される(Vista の場合)。
 γカーブの補正はできない。

 なお、EasyPIX を使う場合にはディスプレイとPC本体をUSBケーブルで接続する必要がある。またマッチングを行う際にはセンサーEX1をUSBケーブルで接続する必要がある。

 EIZOのダイレクトショップでは、本体単品と EasyPIX のセット品の価格差は 5000 円。この価格差でカラーマッチングができるものなら、安いように思う。
 セット品では、EasyPIX の CD-ROM、センサーEX1、簡単なマニュアル2冊が付属する。


(モニターにセンサーを設置し、これからマッチング)

 実際に設定しようとすると、いくつか疑問が出てきた。

 まず、「モニターでの写真鑑賞に適した状態」「インターネットの閲覧などに適した状態」とは何なのか? という点だ。これは Web を検索してみると、ITmedia でのナナオの宣伝ページデジカメWatchのニュース記事に答えがあった。「モニターでの写真鑑賞に適した状態」は色温度が5500K(デーライトフィルムの色温度)、「インターネットの閲覧などに適した状態」は色温度が6500K(sRGBの色温度)になるという。
 つまり両者は、モニターの色温度を特定の値に指定できる、といった意味合いになるようだ。

 では「マッチング」は何なのか、という話になる。これは、ディスプレイと印刷に使う紙の白色点を目視で)合わせるモード、であるようだ。デジカメで言うところのマニュアルホワイトバランスのようなやり方だと思う。これにより、印刷結果とモニター表示との色味を合わせることができる。
 ただデジカメの場合は白と認識させる写真をデジカメに教えることによりホワイトバランスを取る。「マッチング」の場合は印刷に使う紙と「マッチング」実施時に表示させる白画面とを目視で比較し、モニターの色を印刷用の紙に合わせるというやり方を取る。

 ここで気になったのが、プリンタのICCプロファイルとの関係だ。わたしは EPSON のプリンタを使っているが、例えばEPSONの写真用紙「クリスピア」であればクリスピア専用の ICC プロファイルがあるので、PhotoShop から印刷するときは PhotoShop 側でこの ICC プロファイルを指定している。こういう使い方をするときは「マッチング」で補正をすると二重に補正がかかってしまいそうに思う。ではどう設定することが望ましいのだろうか?
 加えて、この方法は自宅でその紙に印刷するときにしか使えない。例えば写真共有サイトなどにアップするような写真を調整する用途には使えないということだ。

 もう一点の問題は、モニター調整の対象に sRGB が無いことだ。従って、色域を sRGB に制限して使うケースではマッチングを取ることができない。わたしのこのディスプレイの購入理由の1つが sRGB が使えることであったので、残念だ。


 さて、今回たまたま印刷する用途があったので「マッチング」を使ってみたが、目視で紙とディスプレイの色を合わせるというのはわたしにとってはかなり困難だった。
 部屋の蛍光灯は昼光色(6500K)のはずなので、「Webなど一般用途」にすればそこそこ正しくモニター調整ができるのかもしれない。

 ということで、「Webなど一般用途」も試してみることにした。このモードでは「明るさ」のみをユーザーが指定できる。この「明るさ」は、ディスプレイのブライトネスとコントラストに影響を与える。100%から40%くらいまでは、コントラストが100%のままで、ブライトネスが変わることで明るさを変えている。「明るさ」が40%を下回るくらいになると、ブライトネスはもう下げられないので、コントラストが変わることで明るさを変えている。なお明るさ調整中にOSDを表示させると、ブライトネスとコントラストがどう変わっているのかを見ることができる。
 今回はコントラスト100%を維持したままできるだけブライトネスを下げようと考え、明るさを43%に設定して、モニター調整を行った。結果、ブライトネスが11%、コントラストが100%の調整結果となった。


 しばらく SX2462W と EasyPIX を使っているが、困ったことが1つある。それは、広色域で使うときと、sRGB に色域を制限するときとの、設定の行き来についてだ。
 前回記載したように、このモニターは DTP?用途として使うときには広色域で使い、他の用途(デジカメ写真の閲覧など)では sRGB で使おうと考えている。
 EasyPIX は設定値を呼び出すと、モニターの設定と OS の表示用 ICC プロファイルの設定とを自動的に行う。ところが EasyPIX は上に記載したように sRGB のモードに対応しない。従って広色域から sRGB に変更するには、モニターの OSD を操作しモードを sRGB に変更して、さらに OS の表示用プロファイルを sRGB に変更する必要があるのだ。そう頻繁に行き来するものでは無いのだが、非常に面倒だ。

 Windows Vista がちゃんと広色域ディスプレイ用の ICC プロファイルを解釈して表示してくれるのなら広色域のままで使えばよいのでこの問題は解消されるのだが、全てのアプリケーションが対応している訳ではない。
 例えば EasyPix で設定値を呼び出した後にFirefox(3.5)を使ってみると、彩度が高い状態で表示される(FireFox はカラーマネージメントに対応しているが、表示側は OS の設定に追従せずデフォルトでは sRGB と見なすようだ)。Windowsフォトギャラリーは、写真を1枚1枚見るには正しく表示されるが、スライドショーにすると彩度が高くなる。と言った具合で、アプリケーションによってカラーマネージメントの対応が異なる。なので普通に使う分には sRGB に制限してしまう方が気が楽だ。



 今回、広色域のディスプレイを使用するのも、カラーマッチングを行うのも初めてなので、かなり試行錯誤をしながらカラーマッチングを進めている。
 EasyPIX はそのような初心者に向いた簡単操作が特長であり、マニュアルも簡便なものしかついていない。例えば「Webなど一般用途」が何なのかもマニュアルを見るだけでは分からない。逆にそれゆえに「この調整方法は具体的に何が起こるのか」が分からず、その結果自分がやりたいことがこの方法でよいのかが分からず、戸惑ってしまった。
 また、sRGB でマッチングができない、というのも購入して初めて分かったことであり、残念に思った。
 こういう機能制限のあるソフトだからこそこの値段なのだろうか、もう少し改良されるとうれしい。


EIZOダイレクト

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1 コメント

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キャリブレーションモード (tips)
2011-10-12 22:37:14
 こんにちは。
 既にご存知かもしれませんが、Easy PIXのバージョンアップにより、キャリブレーションモードが追加されています。
 輝度、色温度、色域、ガンマの指定が可能です。
 ご参考までに。
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