中国・北京に行くこととなった。
使用しているスマートフォンがSIM FreeのHUAWEI Mate 10 Proなので、中国で使えるSIMを日本で購入して持っていくこととした。
これまで、中国では
China Unicom(中国聯通)Hong Kongの中国本土・香港8日間無制限(以前は7日間2GBだった)を使用していた。
今回はこれに加えて、
ケータイWatchの記事で見た
AIRSIMが使えるのかどうか試すこととした。
HUAWEI Mate 10 Proの対応バンドはメーカーからの情報によると下記の通りだ。
FDD-LTE: Band 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 7 / 8 / 9 / 12 / 17 / 19 / 20 / 26 / 28 / 32
TD-LTE: Band 34 / 38 / 39 / 40 / 41
WCDMA: Band 1 / 2 / 4 / 5 / 6 / 8 / 19
TD-SCDMA: Band B34 / 39
結論から言うと、China Unicom (Hong Kong) SIMは問題ないが、AIRSIMはMate 10 Proとの相性が悪くうまく動作しないようだ。
さて、まずはChina Unicom (Hong Kong)のSIM。
Activateした日を含めて8日使うことができる。通信量は無制限とあるが2GBを超えると遅くなるので、基本的には2GBと考えておいた方がよい。
4Gで接続できる。China Unicom の4G BandはFDD-LTEのBand1/3なので、NTT DoCoMoやSoftBankで使えるスマートフォンは基本的につながると考えられる。ただしSIM lockは解除されていなければならない。
HUAWEI Mate 10 Proはdual SIMだ。SIM1は日本で使っているNTT DoCoMo(MVNO)のSIM、SIM2にChina Unicom (Hong Kong)のSIMを日本で入れておくことができる。
北京-羽田間は中国国際航空を利用したが、今年からスマートフォンを機内モードに設定することにより機内でも使用できるようになったようだ(機内のSafety Instructionsで確認が必要)。
なおdual SIMで無い場合は飛行機内でSIMを入れ替えることになり、SIMを落として無くさないように注意したい。
さて中国でChina Unicom (Hong Kong)のSIMを有効にすると、すぐにChina Unicomの電波をつかんで通信ができるようになる。なお扱いはChina UnicomのRoamingとなる。このあたりはさすがに中国メーカーのスマートフォンといったところだろうか。以前Nexus6とChina Unicom (Hong Kong) SIMを中国で使ったことがあったが、開通までになぜか数分はかかっていたイメージがある。
接続されているBandを確認したところ、FDD-LTE Band 1もしくはBand 3であった。
通信速度は、平日の昼過ぎに試したところ、5.7Mbps出ていた。
しかしどういう訳か今回の渡航ではActivate後3日でExpiredになってしまい、ホテルから
TopUp手続きをすることで再度使えるようになった(これまで数回使ってきたがこの現象は初めて)というトラブルがあった。それ以外は快適に使うことができた。なおTopUpにはSIMカードの番号とHK$98が必要で、これで8日間延長できる。SIMカードの台紙に番号とTopUpの手順が書いてあるので持ち歩いた方がよいと思う。
このTopUp時、持っていたVISAカードの内常用している1枚では購入できず、予備に持っていたもう1枚のVISAカードで購入することができた。
次に、AIRSIM。これは1枚のSIMで、各国に応じたProductを購入するとそれに応じた設定がされ使えるという仕組みで、クラウドSIMと呼ばれている。
数週間前に中国に行ったときに初めて使用した。この時は「China 1 Day 4G Data US$ 3.99」というProductを日本で事前に購入した。なお購入手続きにはツール(AIRSIM ROAM)のダウンロードとネット回線が必要なので、事前にネットがつながる場所で手続きをしておく必要がある。
この「China 1 Day 4G Data」はChina Mobile(中国移動通信)を使う。China Mobileは主な4Gの通信方式がTD-LTEになるので注意が必要だ。HUAWEI Mate 10 ProはTD-LTEに対応しており問題ない(Mate 10 ProはTD-SCDMAにも対応しておりこの点でも十分だ)。
この渡航時は飛行機内でSIMを入れ替えた。dual SIMの場合AIRSIMはSIM1に入れるようにとのことだったので、SIM1にAIRSIM、SIM2にChina UnicomのSIMとした。
中国到着後電源を入れたところ、何がしかメッセージが画面下部に何度か表示された(メッセージをキャプチャしていなかったが、最初はうまくいっていないようなメッセージであったので不安になった)あと、China Mobileの電波をつかむことができた。AIRSIMのマニュアルによるとスマートフォンの再起動が必要とのことだが、再起動しなくとも接続できていたようだ。念のため再起動し、接続を確認できた。
China Mobile/AIRSIMで接続していたBandは、TD-LTE Band 38, Band 39, Band 40と、FDD-LTE Band 8だった。FDD-LTE Band 8では電波強度が弱く、一度Flight Modeに入れると、TD-LTEに再接続された。
China Mobile/AIRSIMのケースでは通信速度は平日の午前に測定したところ10Mbpsは出ており、特に問題なく接続できていたという印象だ。
(AIRSIM ROAMによる情報)
これで動作が確認できたと考えていたが、2回目の渡航時に問題が起きた。この渡航では先に記載したようにChina Unicom SIMが原因不明だが3日目にExpiredになり使えなくなってしまったので、AIRSIMでしのごうと考えた。そこでSIM1にAIRSIM、SIM2にExpiredのChina Unicom SIMという構成としてスマートフォンを起動、ホテルのWiFiを用いて、AIRSIMのツール(AIRSIM ROAM)から「China 1 Day 4G Data US$ 3.99」を購入、再起動。しかしChina Mobileの電波はつかんでいてAPNも正しいものの、データ通信が開通しない。
サポートにはFacebook messengerが必要なため、まずはChina Unicom SIMをTopUpにより復旧させた(この時点でAIRSIMは不要になるのだがそれは気にしない)後、messengerでAIRSIMのカスタマサポートとやりとりしたが、Flight mode・再起動・00001へのダイヤルなどを試しても接続できず、結果的にはこれまでAIRSIMを使ったことがなかったSIM2で使うことで何かのトリガがかかり、画面下部にメッセージが表示されて、接続することができた。
同じ渡航期間中の最終日に再度China 1 Dayを試しに購入したが、今度はSIM1でもSIM2でもデータ通信が有効にならなかった。一度AIRSIMを別のスマートフォンに挿入し電源オン、その後Mate 10 Proに戻すことで「AIRSIM is being processed. Please make sure you have purchased data package in AIRSIM ROAM App.」というメッセージが出てきて有効化することができた。
試行の結果やInternetでの情報によると、購入したProductが有効になっていない場合は自動的にAPN live.vodafone.comにRoamingで接続する挙動が正しそうだ。この状態でProductを購入すると、購入したProductに合わせて自動的にAPNが設定され接続されるようだ。
恐らくMate 10 Proでは、初回以外はAIRSIMのAPNを自動設定するトリガがかけられないものと思われる。その点でAIRSIMはMate 10 Proとの相性が悪いようだ。問題が起きたときの解決手段や対策時間が限られる海外渡航時において、Mate 10 ProとAIRSIMの組み合わせをメインに据えるのは残念ながら難しいと思う。