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SONY WI-1000X + HUAWEI Mate 10 Pro レビュー

2018-01-21 18:18:13 | 携帯電話など
 HUAWEI Mate 10 Pro購入レビューでも記載したように、Mate 10 Proとの組み合わせを考えて、SONYのワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン、WI-1000Xを購入した。
 この時購入に際して検討した条件は、
・Bluetoothで接続できること。
・ノイズキャンセルに対応していること。
・BluetoothオーディオコーデックにLDACが使えること。
だ。
 Bluetoothイヤホンの購入を検討したのは Mate 10 ProがLDACに対応していて、それを使ってみたいと考えたからだ(聞き分けられるかはまだ別の話)。ノイズキャンセルについては、これまでワイヤレスノイズキャンセリングイヤホンSONY MDR-NWBT20Nを使用していたため、外せない。

・・・ このような条件をつけてしまうと、WH-1000XM2かWI-1000Xしか選択肢が無くなってしまう。日常的に使うのであればヘッドホンよりはイヤホンだろう、とするとWI-1000Xで決まりだ。これまで手持ちで一番高かったイヤホンは15,000円ほどのATH-IM02であったので、30,000円超えは躊躇したが、いろいろ調べていると買いたくなるのはいつものことで、2017年12月の末に家電量販店で購入した。

 この時、念のためにとイヤーピース(イヤーチップ, イヤホンチップ)を購入することにした。
 ATH-IM02に同梱されていて使用したこともあり、イヤーピースにはCOMPLY(コンプライ)を選んだ。購入したものはTs-200だ。COMPLYのイヤーピースは何種類かあるが、WI-1000Xには-200のノズルタイプ(ノズルのサイズ)が合う。型番としてはスタンダードなT-type/Tx-typeと、球形で高音域がクリアになるというTs-type/Tsx-typeが主なところだ。
 ATH-IM02の付属品は恐らくTシリーズだと思うのだが、巷で言われるように高音域が弱くなっているような気がしたので、ここはTs typeを選ぶことにした。耳垢ガードつきのTsx
typeにしなかったのは、単に価格の問題だ。
 サイズがS, M, Lとある。私の場合Mがちょうどよさそうだったが、一回り大きい方がいいという意見もネットで見かけたので、Lも併せて購入することとした。


<Mate 10 Pro側の設定>

 まずはスマートフォン側でWI-1000Xを制御するためのソフトウェア、Sony | Headphones Connectをインストールした。正直なところ、LDACで接続されているかと、ノイズキャンセリングの状態確認と設定くらいにしか使わず必須では無いと思うのだが、あれば便利に使えそうなので入れている。

 次いで、Mate 10 Pro側の開発オプションの設定をする。これにより、Bluetoothオーディオコーデック・Bluetoothオーディオサンプリングレート・Bluetoothオーディオビット/サンプリング・Bluetoothオーディオチャネルモード・BluetoothオーディオLDAC再生品質が設定・確認できるようになるので便利だ(これも必須ということは無い)。

 あとはWI-1000X側の電源を入れて、WI-1000Xの取扱説明書に従ってMate 10 Proとペアリングすれば完了だ。WI-1000XとMate 10 ProはNFCを搭載しているので、「D. NFC機能を使ってワンタッチ接続する」の方法を使うことができる。


<Mate 10 Pro側でのプレイヤーソフト>

 Mate 10 Proでは標準でインストールされている「音楽」やGoogle Play Musicをはじめとして、多くのAndroid向けmusic playerソフトを使うことができる。
 これでハイレゾの曲を再生すれば、LDACの96kHz/24bitの伝送能力を活かせる・・・ かと言うとそう言い切ることはできない。ハイレゾの曲を再生できても、96kHz/24bitでの伝送ができているかは分からないからだ。試しにHF PlayerからWI-1000Xに接続したところ、画面上はFLAC 192kHzのデータがPCM 48kHzと表示されていた。
 現状、LDACのコーデックで送ったデータをPCで確認する手段を持っていないので断定はできないが、USB-DAC + Mate 10 Proの組み合わせでの確認結果から考えると、標準の「音楽」アプリかGoogle Play Musicで再生するのがよいではないかと思われる。
 なおAndroid 8.0ではOSレベルでLDACをサポートするため、ハイレゾを再生できる一般的なmusic playerアプリであれば96kHz/24bitでの伝送ができるのではないか、と私は考えている。逆にHF Playerのようにアプリ側の仕組みでハイレゾに対応している場合で、うまく対応できていないのかもしれない。

 ところで、Mate 10 Proには独自の音質調整機能である「Huawei Histenサウンド効果」があるが、これはbluetooth接続では使用することができない。


<LDACで接続するか、SBC/AACで接続するか>

 WI-1000Xには「DSEE HX」という機能が搭載されている。これは圧縮音源などをハイレゾ相当の高音質にアップスケーリングする機能だ。WALKMANなどではプレイヤー側についているが、WI-1000Xはイヤホン側についている。
 ただしこの機能はSBC/AAC接続以外の場合は利用できず、例えばLDAC接続時は利用することができない。
 WI-1000XとMate 10 Proの接続では、基本的にはLDACで接続されるのでDSEE HXは使えない。しかし「Headphones Connect」の「音質モード」を「接続優先モード」にするとSBCで接続されるのでDSEE HXを使うことができる。また上記Androidの「開発者オプション」の「Bluetoothオーディオコーデック」からAACに強制的に変更できるので、この方法でもDSEE HXを使うことができる。圧縮音源がAACならAACで伝送してもよいかもしれない。(2018.2.3 BLA-L29 8.0.0.129 (C635)でAACは接続できなくなっているようですが、2018.8.19 8.0.0.135ではAAC接続ができることを確認しています)
 そうであれば、AACで記録した曲はどう聞けばよいのか、疑問が出てくる。
 本来DSEE HXは、圧縮音源から高音域や消え際の微小な音を再現しハイレゾ相当の高音質として楽しむ、技術であって有線接続かbluetoothかには関係なく、bluetoothのコーデックにも関係ない。従ってLDAC接続でも圧縮音源であればDSEE HXの効果はあるものと考えられる。ここはLDACで接続しても圧縮音源の場合に限ってDSEE HXが効くようにして欲しいところだが、bluetoothに乗った信号を受けるイヤホン側がそれを判断できるかは難しいかもしれない。

 それならば再生する音源がハイレゾならばLDACで伝送し、AAC圧縮音源ならばAACに手動で変更してDSEE HXを有効にする、のがよいのかもしれないが「開発者オプション」から設定の必要がありちょっと煩雑すぎる。LDACで接続できる環境でハイレゾとAAC圧縮音源が混在しているのならばLDAC接続に固定というのが現実的なところだろう。LDACで接続できる環境でも連続してAAC圧縮音源を聴くようなケースであればその間はAAC接続に変更することはできそうだ。

「Headphones Connect」からAAC接続に簡単に変えることができれば少しは使いやすくなるように思うが、残念ながらそのような機能は無い。


<イヤーピースとノイズキャンセリング性能>

 WI-1000Xには、ハイブリッドイヤーピースと、トリプルコンフォートイヤーピースが付属している。購入時はハイブリッドイヤーピースが本体についている。
 私は開封後にトリプルコンフォートイヤーピースに付け替えてしばらく使っていた。
 ところで、WI-1000Xの特長の一つに、ノイズキャンセリング機能がある。イヤーピースとこのノイズキャンセリングは密接に関係がある。イヤーピースの装着が悪いとノイズキャンセリング性能が落ちてしまうのだ。
 さて、トリプルコンフォートイヤーピースに変更してしばらく使用していたが、困ったことにノイズキャンセリングの性能をイマイチ感じられずにいた。結果としてはイヤホンの差し込みが足りなかったことが原因だと分かった。極端に言うと、ワインのボトルに栓をするような感覚で耳に押し込むような雰囲気で使うのがよさそうだ。
 トリプルコンフォートイヤーピースをちゃんと装着すれば、高いノイズキャンセリング性能を得ることができた。

 トリプルコンフォートイヤーピースで十分そうではあるが、COMPLYも購入したので数日COMPLYに変更して試しているところだ。装着性は高くノイズキャンセリング性能も発揮できるだろう。ただCOMPLYの場合はイヤーピースを縮めてから耳に入れる必要があり、ネックバンド式の取り回しのよさ(イヤホンを外したいときはすぐに外せて、すぐにつけることもできる)とは合わないようにも感じている。

 そのまま10日ほど試してみた。COMPLYは一旦つけると快適だが、イヤーピースを縮めることがWI-1000Xの取り回しのよさにやはり合わないように思う。またしばらくトリプルコンフォートイヤーピースに戻すことにした。


<音が途切れる場合>

 LDACで接続していると、音が途切れがちになることがあるかもしれない。
 そのような場合は、「Headphones Connect」から「音質モード」を「接続優先モード」にすると防げることが多いと思う。ただしこの設定では、接続がSBCになってしまう(ただ副次的な効果として、DSEE HXが使えるようになる)。
 これを回避するには「開発者向けオプション」から「BluetoothオーディオLDAC再生品質」を「標準 660kbps/606kbps」に変更(もしくは、設定-デバイス接続-Bluetoothから、WI-1000Xの右にある「i」をタップし、「LDAC再生音質」を「音質と接続品質のバランス重視の設定」に変更でもよい)してLDACのままで転送レートを落とすことで接続性を向上させる、もしくは「Bluetoothオーディオコーデック」から「AAC」に変更する(こちらもDSEE HXが使える)ことで対応できることが多いと思う。


<その他音質に関係しそうなところのメモ>

 WI-1000Xはbluetooth周りのみでなく、イヤホンとしての性能も高い。本製品は高音側を担うバランスド・アーマチュア・ドライバーユニット(BA)と、低音側とノイズキャンセリングを担う9mmダイナミックドライバーユニットを組み合わせた、ハイブリッドドライバーシステムを搭載している。BAはSONYの高性能イヤホン、XBA-N3/N1同様とのこと。SONYの開発者インタビューを読んでも、音質、そして特長であるノイズキャンセリング機能には気を配っているようだ。
 かつバランス出力を採用し、この点でも音質に気が配られていると分かる。


<使用感>

 一言で言うと、聴くのが楽しくなるイヤホンだ。
 また、解像感が高いという表現はこういうものなのか、と感じた。
 結果として、イヤホンで曲を聴いている時間が延びた。以前から作業中にApple MusicでPC付属のスピーカーなどから曲を流すことは多かったが、それが Mate 10 Pro + WI-1000Xで聴く曲に変わった。

 ノイズキャンセリング機能も電車通勤時にはありがたい。ノイズキャンセリング性能は高く、これに加えて外音取り込み機能(AMBIENT SOUND)もありがたい。カナル型で元々遮音性が高いので、ノイズキャンセリングを切るのではなく、外の音を取り込んでくれた方がより助かるケースがある。よりはっきりと聞き取る必要がある場合は、イヤホンを外してしまえばよい。ここはネックバンド型の取り回しのよさが便利な場面だ。

 Headphones Connectで設定できる内容は、もう少し改善があるとうれしい。ソフトウェアである程度修正できると思うので、期待したいところだ。
 一つはイコライザ。これもDSEE HXと同様、LDACでは使用できない。なぜそういう制約になっているのか分からないが、ここは双方使えるようにしていただきたいところだ。
 もう一つはアダプティブサウンドコントロール。アプリが行動を検出してモードを変更するのだが、必ずしも望む状態にならないことと、状態の切り替えで音声通知が入るところが気になる。せめて音声通知はオフにできる選択肢が欲しい。

 巻き戻し(早戻し)がやりづらいのはやや残念だが、ボタンを少なくするためと使用頻度から言えば仕方が無いだろう。再生ボタンを2回押して離してから、もう一度再生ボタンを押し続けるという操作が必要となる。音楽を聴いているときには使うことは無いだろうが、語学学習をする場合は巻き戻しを使うケースもあるだろう。


 30,000円を超えるイヤホンであったが、その価値は十分にあると思う。長く使っていきたい。


<開封>


外装箱


開けたところ


イヤホン格納の様子


内容物。

(2018.2.3 BLA-L29 8.0.0.129 のfirmware updateによりbluetooth AACのコーデックが使用できなくなっているようなので記載を修正)
(2018.8.19 8.0.0.135 のfirmware updateにより再度AACのコーデックが使用できているため記載を修正)


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2 コメント

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プレイヤーソフトについて (hiropon)
2018-04-01 01:14:04
レビュー参考にさせてもらいました。

Mate10Proを購入したことで、Bluetoothヘッドフォンとハイレゾに興味が出て、本日WI-1000Xを購入する予定。
BluetoothポタアンのAT-PHA55BTと悩んだが、本レビューなどを参考にWI-1000Xで落ち着きそうです。

まだ、ハイレゾで音源買いあさるかは、分からないのですが、もしハイレゾで聞こうとした場合に<Mate 10 Pro側でのプレイヤーソフト>の内容が気がかりです。
LDACに対してプレイヤーアプリからハイレゾ状態の音が渡されてなければ、折角のハイレゾ音源が無意味になってしまいそうで不安しかない状態。
以降のUSB-DAC関連のレビューなどからも、「音楽」アプリなら安心という感じでも無い気がしてきてます。

スマフォハイレゾの壁を痛感しています。
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Re: プレイヤーソフトについて (ひらけい)
2018-04-07 07:41:43
コメントありがとうございます。
Mate10Proの音楽再生がどうなっているのかちょっとよく分からないところがあります。
ただBluetoothでLDAC接続はMate10Pro標準の方法ですので、さすがに「音楽」アプリはサポートしているだろう、と考えています。
私はMate10ProとWI-1000Xの組み合わせで端末内の楽曲を聴くときは、ほとんど「音楽」アプリです。
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