日立、屋内でGPS利用可能な信号送信機を開発 (asahi.com)
「日立製作所は携帯電話端末の全地球測位システム(GPS)機能を屋内で利用できるようにするGPS信号送信機を開発した」(記事)とのことだ。
これは何だろう、ということで調べてみた。
日立ということでは、シームレス位置情報の地域公共分野への適用という論文が参考になる。また、シームレス測位試作機を用いた実証実験の実施結果についてというプレスリリースが昨年 JAXA(宇宙航空研究開発機構)から出ている。
これは「IMES(Indoor Messaging System)」と呼ばれている仕組みだ。
GPSは、衛星と受信機との三角測量によって位置を測定する。このとき衛星の位置が分かる必要があるが、その位置情報は「航法メッセージ」と呼ばれるデータ列で衛星から端末に送られている。
IMES では、「航法メッセージ」の代わりにIMES信号送信機の位置情報を端末に送るとのことだ。端末はその送信機からのデータを読み取り、送信機の位置を知ることができる。asahi.com の記事によると送信機のカバー範囲は半径5mとのことなので、送信機の位置はほぼそのまま受信機の位置という訳だ。
受信機側は、GPSの仕組みをほぼそのまま利用可能だ。元々GPS受信機は「航法メッセージ」を解読する機能を持っているので、その解読した結果を「IMES送信機の位置」と解釈するような仕組みを設けるだけでよいのだろう。
なかなか、おもしろい仕組みだ。
現在屋内での測位手法として知名度を得ているものの1つとして、無線LANによる測位がある。これは PlaceEngine や iPod touch/iPhoneなどで用いられている。しかしこの手法では端末が無線LANに対応している必要がある。
それに対して IMES は、(日本のケータイでは比較的多くなってきた)GPS受信機能をほぼそのまま流用することができる。
ただこの仕組みを利用するためには、IMES送信機を数多く設置することが必要となる。それは無線LAN測位も同様なのだが、無線LAN親機は無線LANに使うことができるので設置されることのメリットは大きい。それに対してIMES送信機は測位にしか使えないので、無線LAN親機ほどのメリットが無い。
このあたりを今後どう解決していくのかが、注目されるだろう。
「日立製作所は携帯電話端末の全地球測位システム(GPS)機能を屋内で利用できるようにするGPS信号送信機を開発した」(記事)とのことだ。
これは何だろう、ということで調べてみた。
日立ということでは、シームレス位置情報の地域公共分野への適用という論文が参考になる。また、シームレス測位試作機を用いた実証実験の実施結果についてというプレスリリースが昨年 JAXA(宇宙航空研究開発機構)から出ている。
これは「IMES(Indoor Messaging System)」と呼ばれている仕組みだ。
GPSは、衛星と受信機との三角測量によって位置を測定する。このとき衛星の位置が分かる必要があるが、その位置情報は「航法メッセージ」と呼ばれるデータ列で衛星から端末に送られている。
IMES では、「航法メッセージ」の代わりにIMES信号送信機の位置情報を端末に送るとのことだ。端末はその送信機からのデータを読み取り、送信機の位置を知ることができる。asahi.com の記事によると送信機のカバー範囲は半径5mとのことなので、送信機の位置はほぼそのまま受信機の位置という訳だ。
受信機側は、GPSの仕組みをほぼそのまま利用可能だ。元々GPS受信機は「航法メッセージ」を解読する機能を持っているので、その解読した結果を「IMES送信機の位置」と解釈するような仕組みを設けるだけでよいのだろう。
なかなか、おもしろい仕組みだ。
現在屋内での測位手法として知名度を得ているものの1つとして、無線LANによる測位がある。これは PlaceEngine や iPod touch/iPhoneなどで用いられている。しかしこの手法では端末が無線LANに対応している必要がある。
それに対して IMES は、(日本のケータイでは比較的多くなってきた)GPS受信機能をほぼそのまま流用することができる。
ただこの仕組みを利用するためには、IMES送信機を数多く設置することが必要となる。それは無線LAN測位も同様なのだが、無線LAN親機は無線LANに使うことができるので設置されることのメリットは大きい。それに対してIMES送信機は測位にしか使えないので、無線LAN親機ほどのメリットが無い。
このあたりを今後どう解決していくのかが、注目されるだろう。