教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

埼玉県ふじみの市プール事故を考える~安全の丸投げ

2006年08月13日 | 教育行政・学校運営
埼玉県ふじみの市の市営プールで7歳の女の子が給水口に吸い込まれなくなるという痛ましい事故が起こりました。この事故の調査の中で分かってきたことは、次のようなことです。

①このプールは管理者の市が「太陽管財」にプール管理を委託していましたが、同社は、更に「京明プランニング」に丸投げ委託をしていたこと(契約違反)②当日13人の監視員がいたがそのうち12人は高校生のアルバイトであったこと③給水口の蓋がはずれているのを見つけた小学生が監視員にその蓋を手渡したが、監視員はその蓋が何か分からなかったこと(安全確保のための研修ができていない)④連絡を受けた現場責任者がその蓋を見て給水口の蓋だと分かり針金を探しに行ったが、ポンプを止めたり遊泳を中断させるといった指示をしなかったこと(責任者も危険性の認識ができていない)⑤監視員はプールの上から(!)現場を監視していたが吸い込まれる女の子を目撃したが一瞬のことで助けられなかったこと⑥6箇所の蓋のうち正しくボルトでとめられていたのは一箇所だけで、他は針金でとめられおり、その針金さえも無かった箇所も多くあったこと(このような状態が長く放置されていたということ)⑦以前給水口の蓋について危険だとクレームをつけた管理会社は翌年から入札で外されたことなどが明らかになっています。

この事故は人災だと遺族や関係者の間から指摘されています。プールの管理責任はふじみの市教育委員会にあります。安全性にクレームをつけた業者を入札から外したのは市の責任です。たまたま委託した業者が悪かったでは済まされない問題です。自治体でも進む民営化や民間委託が、こんな結末を招かないよう、私たちは見守り、時には発言していかなければなりません。