土曜の午後、クラブ活動を終え帰宅の準備をしているところに3人の卒業生がやって来た。同じ高校に通っていた3人は、一足先に推薦で大学に合格し、その報告に来たと言う。「あのな、今日は休日やぞ。いつ行っても学校に先生がいると思ったら大間違いやで。」と言いながらも、この子らも大学生になるんかと彼らの中学入学時を思い返した。当時私はこの中学校での生徒指導主事の仕事を終え、4年ぶりの担任を楽しんでいた。彼らの一つ上、38期の学年である。しかし39期の学年に耳が聞こえない生徒が二人も入学するというので担当教員を選ばなければならなくなった。いろんな経緯があったが私が立候補し、引き受けることになった。様々な不安のなかでの出発だった。
「ウチらの小学時代はキツかったなぁ。」とA小学校の卒業だった一人が言い出した。「ウチらの学年の女子は性格がキツイ子がいて、小学校の時はイジメで大変やったね。」「さあから中学に入学したら平和やった。」「ほんま○中は平和やった。」
「性格がキツかった子も一緒に入学したんやろ。その子はどうしてたん。」と私が尋ねると「中学に入ったら、みんな仲良しになってん。」「そうそう、B小学校からきた子らが仲良しやったから、それに影響されたんやと思う。」
それを聞き、それまで黙って聞いていたB小学校卒業の男子が口を開いた。「そうやろ。ぼくら6年間ずっと一クラスやったから喧嘩でけへんかってん。男女も関係なく、ムッチャ仲良くしてたもん。」
そうか。あの39期生にもそんなことがあったのか。小中連携が今ほど進んでいなかった6年前には、そんな小学校時代のトラブルに教員が気づくこともないまま中学生活が始まり、終わっていったのだろう。A小学校時代のキツイ人間関係に疲れていた子どもたちは、B小学校卒業生の穏やかな人間関係に癒され和んでいったのだろうと今になって分かった。おそらく他の学年では、その逆のこともあったに違いない。私が生徒指導主事として「生徒指導」を行うまえに、子どもたちはお互いから学び、和解し合っていたのかもしれない。
「ウチらの小学時代はキツかったなぁ。」とA小学校の卒業だった一人が言い出した。「ウチらの学年の女子は性格がキツイ子がいて、小学校の時はイジメで大変やったね。」「さあから中学に入学したら平和やった。」「ほんま○中は平和やった。」
「性格がキツかった子も一緒に入学したんやろ。その子はどうしてたん。」と私が尋ねると「中学に入ったら、みんな仲良しになってん。」「そうそう、B小学校からきた子らが仲良しやったから、それに影響されたんやと思う。」
それを聞き、それまで黙って聞いていたB小学校卒業の男子が口を開いた。「そうやろ。ぼくら6年間ずっと一クラスやったから喧嘩でけへんかってん。男女も関係なく、ムッチャ仲良くしてたもん。」
そうか。あの39期生にもそんなことがあったのか。小中連携が今ほど進んでいなかった6年前には、そんな小学校時代のトラブルに教員が気づくこともないまま中学生活が始まり、終わっていったのだろう。A小学校時代のキツイ人間関係に疲れていた子どもたちは、B小学校卒業生の穏やかな人間関係に癒され和んでいったのだろうと今になって分かった。おそらく他の学年では、その逆のこともあったに違いない。私が生徒指導主事として「生徒指導」を行うまえに、子どもたちはお互いから学び、和解し合っていたのかもしれない。