Tさんへ。昨夜紹介された本をすぐに手に入れ、読みました。とりあえずの感想を送ります。
一読して、ある家族を思い出しました。
○中で生徒指導をしていた時、Aと言う生徒がいました。銀行員の父親、同じ銀行で職場結婚した母親、そして男の子二人の四人家族でした。父親は厳しさを増す仕事のストレスで体を壊し休職し、母親は信仰に生きがいを求め息子を連れ熱心に活動を始めました。クラブ活動もせず、ネクタイをしめ布教活動をしていたAは中学二年生で大転落してしまいます。家は溜まり場になり、親への暴力が始まりました。私は保護者からのSOSを受け、何度か家に突入することもありました。
そうこうしている間に離婚。母親は弟を連れ家を出て行きました。残されたのは仕事を休みがちな父親と荒れた生活をおくる息子Aの二人。ある日父親は卒業後の進路の無かったAを誘って釣りに出かけました。しかし、その出先で起きた交通事故で亡くなってしまいました。あっけない最後でした。
人減らしとリストラが職場の緊張やストレスを高め、家族を崩壊させ、死に追いやっています。昨日の報道ステーションで紹介された『41歳、ある失業者の死』も、この作品の家族もそうです。この国のどこにでも転がっている不幸が描かれています。
作品では犬と暮らせたお父さんが、犬を失いながら生き残ったお母さん、娘、訳あり少年、ヘルパーの私より幸せだったのではなかったか・・・と描かれています。しかし、そのことが読後の重苦しさにつながっているように思えます。新しい『犬』を探そうとする人は、いないのか?もっと言えば、人と人をつなげる『犬』に、なりえる人はいないのか、という思いが残ります。
「地の塩になりなさい。」という聖書の言葉は、人に対して述べられたはずです。子どもたちをつなげるためにも、私たちがしっかりつながっていかなければならない、採点の合間に考えた私の感想です。
一読して、ある家族を思い出しました。
○中で生徒指導をしていた時、Aと言う生徒がいました。銀行員の父親、同じ銀行で職場結婚した母親、そして男の子二人の四人家族でした。父親は厳しさを増す仕事のストレスで体を壊し休職し、母親は信仰に生きがいを求め息子を連れ熱心に活動を始めました。クラブ活動もせず、ネクタイをしめ布教活動をしていたAは中学二年生で大転落してしまいます。家は溜まり場になり、親への暴力が始まりました。私は保護者からのSOSを受け、何度か家に突入することもありました。
そうこうしている間に離婚。母親は弟を連れ家を出て行きました。残されたのは仕事を休みがちな父親と荒れた生活をおくる息子Aの二人。ある日父親は卒業後の進路の無かったAを誘って釣りに出かけました。しかし、その出先で起きた交通事故で亡くなってしまいました。あっけない最後でした。
人減らしとリストラが職場の緊張やストレスを高め、家族を崩壊させ、死に追いやっています。昨日の報道ステーションで紹介された『41歳、ある失業者の死』も、この作品の家族もそうです。この国のどこにでも転がっている不幸が描かれています。
作品では犬と暮らせたお父さんが、犬を失いながら生き残ったお母さん、娘、訳あり少年、ヘルパーの私より幸せだったのではなかったか・・・と描かれています。しかし、そのことが読後の重苦しさにつながっているように思えます。新しい『犬』を探そうとする人は、いないのか?もっと言えば、人と人をつなげる『犬』に、なりえる人はいないのか、という思いが残ります。
「地の塩になりなさい。」という聖書の言葉は、人に対して述べられたはずです。子どもたちをつなげるためにも、私たちがしっかりつながっていかなければならない、採点の合間に考えた私の感想です。